「草壁先輩」
「なんだ」
「雲雀さん・・・どうしてあんなに機嫌が悪いんですか?」
「・・・・・・・・自分の胸に聞いてみろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え、私が原因なんですか?;;」
「はぁぁぁ」(深い溜息)
+あふたーばれんたいん+
「ひ・・ひひひひひひばひばば・・雲雀さん、おっお茶ですっ」
「ん」
でっかい不機嫌オーラが漂ってます!!
今日は朝から雲雀さんの不機嫌バロメーターがマックスです。
放課後になった今でも雲雀さんの機嫌は一向に治まりそうにありません。
いつも無表情ですが、滲み出るオーラが痛いです。
そしてデスクに両肘をついて
ジーッと
ジーッと
ジーッと
無言で見上げてくるんです。
はっきりいって居た堪れません。
ソファで書類整理している草壁さんからの問い詰めるかのようなそれでいて
哀れむような視線もどことなく痛い;
私は勇気を振り絞って聞いてみることにしました。
「あ・・あの雲雀さ・・「昨日」・・へ?」
私の必死の勇気、雲雀さんの一言で無残に散りました。
雲雀さんは相変わらず、ジッと私を見上げている。
何もしてない・・よね・・
「昨日さ、浮かれた草食動物からたくさんアレを送りつけられたんだけどね」
「アレ?」
「うん、アレ」
雲雀さんがチラリと横を見やったので、わたしもそろそろとそちらに
視線を向ければ、ダンボール箱に山になった赤やピンク、色とりどりの包みが見えているもの。
「あ、バレンタインでしたっけ・・・・・って昨日14日だったのぉ!!」
あー!!と大声を上げて頭を抱える私に、雲雀さんと草壁先輩はすっごい驚いて
私を見ていたらしいけど、今の私にはそんなこと気にしていられなかった。
急いでソファにおいて置いた鞄を掴み取ると、ぐるんと雲雀さんに向き直る。
「すいません!!急用思い出したので今日は帰ります!帰らせてください!!お願いですから!!」
そう捲くし立て雲雀さんの返事を聞かないうちに応接室を飛び出した。
なんてこと!!
あんなに手帳にチェックして、お菓子の本を何度も読み返して準備していたのにバレンタイン昨日だったなんて!!
あぁっもう私のバカ!ドジ!!オタンコナス!!
早く帰って、雲雀さんや風紀員の皆にあげるバレンタインチョコ作らなきゃ!!
「まさか・・・忘れてたのか;」
「本当にそそっかしい子」
そう呟くと委員長は今日初めて小さく笑った。
からのバレンタインを何より楽しみにしてい委員長。
明日はきっと委員長の機嫌は良いだろう。
「雲雀さん!!遅れましたけどバレンタインです、今年はマフィン作りました!」
「二日遅れのね」
「うぐ;」
「貰ってあげるよ」
そういって受け取ってくれたマフィンを見る雲雀さんの空気は、昨日とは違って
とても穏やかなものだった。
山本夢になるはずがなぜ雲雀?!
2008年2月15日執筆