+遊雪隠し+
遊ぶ雪に埋もれて
遊ぶ雪を降らして
遊ぶ雪の中で・・・
生徒達が帰省している冬休み。
静まり返った廊下に乾いた、でも深みのある靴音が響く。
冷たい石の廊下と壁に耳に心地よく響く靴音。
自分で奏でた音にほんの少し酔いしれながら、スネイプは静かに廊下を歩く。
バサリとマントがなびく音。
なにもかもが静かな真冬の午後。
ふと窓の外を見やれば、今朝はやんでいた雪がヒラヒラと舞い降りて裏庭をさらに白く染めている。
見渡す限り純白の世界。
いや、違った。
裏庭に黒い人影。
冬休みに帰らなかった生徒だ。
「あれは・・・」
「何をしているのかね」
「スネイプ先生・・」
裏庭にいたのは黒髪の少女。
不思議そうに見上げてくる姿にスネイプは優しく微笑み、少し乱れていた赤と黄のマフラーを掛け直してやる。
そっと冷たくなった頬を撫でてやれば嬉しそうに目を細めた。
「風邪をひく。中に・・」
「もう少し・・」
少女は恋人の手を制して儚げに笑って見せると、踵を返して裏庭へと駆けだそうとした。
その姿にスネイプの心がざわめく。
一塊の不安が生まれる。
少女が雪の中へ駆け出すことは叶うことはなく、純白の世界が一瞬にして黒くなる。
「先生?」
スネイプのマントの中に納まり、不思議そうに彼を見上げる。
苦しそうに目を閉じる姿に、不安を覚える。
そっと彼の頬に手を添えれば、その吸い込まれるような黒い瞳が少女を映し出す。
「お前がどこか遠くへ行ってしまう気がしたのだ」
遊ぶ雪に包まれて、雪の精霊に愛しい恋人を奪われるのではと・・
少女は驚きに一瞬目を見開き、そして優しく微笑んだ。
遊ぶ雪に揺られて
遊ぶ雪の下で
2人はきつく抱きしめあう。
零れる銀の宝石は悲しいのではない
それは恋人に思われている嬉しさの宝石
遊ぶ雪はそっと2人を包み込む。
そして、見渡す限りの純白の世界が
ただただ、広がっていた・・・・
+遊雪+by S
悠樹様の企画に捧げる教授夢。
初めて名前変換無しの夢小説を書いてみました
難しいです・・・・(ダラリ)
最後2人は雪に包まれてどうなるのか・・死かそれとも生か
それは皆様のご想像にお任せします。
そしてこの素晴らしい企画に参加させてくださいました、
悠樹さんに大感謝です。うぅ・・こんな駄文で申しわけありません〜!!
キリサ