めらっさめらっさ















「ひ〜ん!帰りたいよ〜!!!」





























「初めての生徒 2」





























がかたかた震えながら部屋に入ると、ガタンッと重そうな扉が閉まった。

耳の奥まで響くようなその音・・・さらに恐怖が増す。















は少しでも落ち着こうと研究室の中を見渡した。

部屋の奥には大きな作業台?兼机だろうか・・・壁には木製の棚が組み込まれており、

いかにもあやっしーホルマリンや薬瓶、難しそうな本がびっしりと並んでいる・・・・・









(うう〜余計怖い〜!!!)









「掛けなさい」

と、スネイプはを目の前にあるソファに促した。

が座るとスネイプも、の前のソファに座る。















(減点は確実・・・罰則はなんだろ・・研究室の掃除とか器具の後片付け半年とか・・・)


ぐるぐると想像を駆け巡らせていると・・・


「今日、君が作っていた薬だがー」








ひいいいいぃぃぃぃ!来たああああぁぁぁぁっ!!!








「すっすすいませんでした!もっもう二度としません!!!」

目をぎゅうっと瞑りながら俯き、必死に謝るにスネイプは苦笑いをし、
















「大変素晴らしいできだったな。」


「へっ?」


っとは顔を上げる。スネイプは立ち上がり棚から小瓶を持ってきた。



「ぁっ・・・」

小さく声をあげたに小瓶を渡しながら


「左様、さっき君が作っていた物だ。この過程の薬は非常に調合が難しい高度なモノだ。

本来ならば授業外の実験・・破棄にしようかと思ったのだがね。今回は完成度の高さに免じ返そう」


授業中、が作っていた薬はスネイプに取り上げられていたのだ。

はまさか返してくれるとは思いもせず、不思議そうなでも戻ってきて嬉しいような顔をした。
















「あのっじゃあ!私はこれで失礼します!」

長居は危険だとはさっと立ち上がり、扉に向かう。




っがー・・・・・・・・・扉が開かない・・・・・・・





























「鍵を掛けているのだがね。無論我輩にしか解けん」





























うそん!
























ギギギと振り返るとそこには


意地の悪い笑みを浮かべ、しっかもこの上なく楽しそうな

スネイプが!!
























「まだ話は終わっておらん。座れ。」


「はい・・・・」


逃亡失敗かよ・・・のそのそソファに座りなおす









「さて・・・今回の件だが・・」


ビクビクしているを楽しそうに眺めながらスネイプは話を続ける。


「事前にその旨を申告すればそれなりに・・・実験室を空いている時間に使用許可したのだが」


「え?」

はスネイプの顔を見た。眉間に皺はよっているものの、いつもとは柔らかい空気に戸惑いを隠せない。


「なぜ、許可を取りに来なかった。無断で・・しかも授業中にやればどうなるのか・・・君なら・・」

「・・・・ま・・・し・・たよ?」

「何?」


は俯き、両膝を掴みながら押し殺したように口を開いた。


(覚えてないんだ・・・・)














「1週間前に・・・先生に許可もらいに行ったんです。でも・・・先生に声掛けようとしたら・・」


スネイプはハッとした。


(そうだ、あの時確かウイズリー双子に盛大な悪戯を受けた直後・・・怒り狂っていた我輩は

双子と同じ、グリフィンドールの制服を着ているをいきなり怒鳴りつけた・・・)



「あの時か・・・・」


スネイプは申し訳ないことをしたと心の中で呟いた。

は黙って頷く・・





































沈黙が時を刻むー





































「わっ私・・魔法薬学が大好きなんです・・・スッスネイプ先生の説明もとてもわかりやすいし・・・」


沈黙を破ったのはだった。

意外な言葉が発せられスネイプわずかに動揺した

とくに「解りやすく」と意識はしてなかった。が、自分が敵視しているグリフィンドールの生徒に

そんなことを言われるとは夢にも思ってなく・・・スネイプは言葉を失った。


「そっそれに!調合とか・・・自分で考えてこれをいれたら・・こうなるんじゃないかとか・・

っとっとにかく大好きなんです!」



大好き





それは魔法薬学という教科が大好きということ。

もちろんスネイプも解っている。でもなぜか自分に言われたようなくすぐったい気分だと、スネイプは思った。



























「・・・勝手に実験して、申し訳ありませんでした・・・」


消え入るようにはうっすらと涙を浮かべた。





























(大好きな魔法薬学に、本当は・・・大好きなスネイプ先生・・・・嫌われたよね・・・)





















































「許可しよう」
































驚いては顔を上げた


「ナタ視聴?」(ナタは視聴できません。ナマハゲさんの武器です)



盛大にボケをかますにスネイプはククッと笑う。


「実験室を使用して良いと言ったのだ、ミス・


まだ笑っているスネイプには赤面した。



(スネイプ先生が普通に笑ってる!!)









わースネイプ先生ってこういう風に笑うんだ〜





ぽけ〜とスネイプの顔をみていると、


「どうしたかね?」


と少し心配そうにの顔を覗き込んでくる。


「あっなっなんでもありません!許可していただいてどうもありがとうございました!!」


赤かった顔をさらに赤くさせわたわたするの頭にスネイプの手が置かれる。






「ところで我輩はこれから研究があるのだが・・・一緒にやってみるかね?」


「はっはい!!」


満面の笑みで返事をするにスネイプは優しく目を細めた


























初めてだな。魔法薬学が大好きだと言ってくれた生徒は・・・・
























それから-

魔法薬学の実験室ではちょくちょくの姿が見られるようになったとか。

また、魔法薬学の授業でスネイプは度々に助手に指名し、他の生徒から不振がられたとか。






















「でわ・・・とりかかってもらう。ミス・今日も頼めるかね?」


「はい!」