突然ですが、私猫になってしまいました。




あいつら、絶対に叩きのめす!

































+魔法の口づけ+






「きゃ〜黒猫よ!かわいい!」




ただいま私、は全速力で逃亡中であります!



元に戻るすべを探すがために、まず顔見知りを探すことにしたのよ。
廊下の曲がり角で今年入学した、かわいい後輩ちゃん達に遭遇。
普段より交流があったので、これ幸いにと助けを求めてみるものの、目を輝かせて私を抱き上げかわいがる始末。
いやいやいや、肉球なんか押してないで人の話を聞きなさいな、ハリー?ロン?ハーマイオニー?
猫になってしまった私の口から出る言葉は見事なニャンニャン語。うぅ〜ん、顎くすぐったい〜。
・・・・はぁ、だめね。私はするりとハリー達の手から抜け出すと、助けてくれそうな人を探した。
あっそうよ!マクゴナガル先生のところに行けばいいんだわ!





「やあ、フレッドこんなところにかわいらしい黒猫が!」

「おお!ジョージ。ではこの子に新発明を体験していただこう」



廊下の十字路を横切ろうとした私はピシリと固まった。
あぁっ!なんて今日は最悪な日なんだろう!
にこやかに近づいてくる後輩赤毛双子からじりじりと後ずさり、フレッドの手が延びて寸前のところで
はじけるようにして逃げ出した。
あの二人の新発明はたまったもんじゃないわ!もしかして新しく開発するたびに動物で試していたっていうの?
動物愛護団体に訴えるわよ!



「きゃぁ、子猫〜!」

「黒猫よ!かわいい!」

「クラッブ!ゴイル!捕獲しろ!」




「にゃ〜!?」





なっ何!いつの間にかすごい人数に追われてない私?!
もっもう!あのスリザリンの奴等!絶対に許さないんだから!






ぽふっ




廊下の曲がり角を走り曲がると同時に私は飛び跳ねた。人影が視界に入って慌ててよけるけど、
よけきれずにその人物の懐に飛び込む形に・・やぁやぁ!逃げなきゃぁ!
慌ててすり抜けようとした瞬間、めちゃくちゃ聞き覚えのある声と共に撫でられてしまった!





「こらこら、廊下は走ってはならん」

















ピシーン














「迷い込んだのかね」









再び低い声が再び降ってきて、私は石のように固まった。
ギギギと音が響きそうなくらいのぎこちない動きで、おそるおそる声が降ってきた方を見上げれば、
そこにはやはり、想像していたスネイプ先生が。
といいますか、私・・私・・・
スネイプ先生の腕の中じゃないですかー?!


にゃあ〜!

大変たーいへん!



慌てて先生の腕からもがき出ようとするも、先生は私をさらに抱きしめたの!




「こらこら、おとなしくしたまえ」


いや無理です!おとなしくなんかできません!
うぅ、こうなったら猫の特権!爪ばりばり攻撃で逃げるしかない!
ごめんねっ先生!私は猫じゃないの。














「猫〜!どこいったぁ!」


「にゃんにゃんどこ〜?」


うっ。;
やっばい・・生徒達がくる!
うぅ、今ここで先生の腕から逃げ出したとしても、また追われちゃうよぉ。





「猫みっけ〜!・・・!?」


にゃー生徒に見つかっちゃったよぉー。

だけど、生徒は私を見てにっこり笑って、そして一気に青ざめた。
そりゃね、私今スネイプ先生の腕の中にしっかりホールドかまされてるからねぇ。

かわいそうな男の子はヒッと短い悲鳴をあげると疾風のごとく逃げていった。
あぁ、助けてー少年〜。

廊下の向こうで少年が「猫がスネイプに捕まった〜!」と騒いでいる。
声でかいっつーの!。うっ。頭上から冷たい冷気とともに、すっさまじい勢いの舌打ちが。
やーん!怖いぃ。



「これだからグリフィンドールの生徒は好かん。さて、我輩の部屋にくるかね?」


や、私もグリフィンドールなのですが;って先生の部屋?!
えっえとー;
スネイプ先生は優しく私を撫でると地下牢へと踵を返した。
きゃー。逃げれないよぉ〜。






































「?寒いのかね?震えている」


いえ、自分にこれから降りかかるであろう減点の嵐に震えているのです。はい。
もし、私が生徒だとばれたら!
もうっ!あれもこれも全てあいつらのせいよ!

そもそもなぜ、私が猫の姿になってしまったのか。



そう。それは今朝朝食に向かう廊下で起こったの。
突然、柱の陰からスリザリン寮のマーカスフリントとその仲間が飛び出してきて、
何か液体を振りかけてきたの!そうしたらこの体に・・・
普段より関わりがないフリントにどうして猫にされなきゃいけないのかしら!
フリント達は「やばい!」「あいつらじゃない!」とか叫んでいた気もしないでもないけど、
おもむろに延びてきたフリントの手が怖くて反射的に逃げだしてこの始末。
もう!!あいつらのせいで今日は散々な日よ!!
そして、その一日の締めが・・・・


初めて入ったスネイプ先生の自室は、とてもすっきりとしていた。てっきり薬品だらけの部屋だと思っていたのに。
スネイプ先生は革張りのソファへと腰をおろすと、その膝へ私を乗せた。
スネイプ先生のぬくもりがとても心地良くて、瞼が重くなってくる。みぃ・・なんとかして元に戻らなきゃいけないのに!
でも先生、こんなに優しかったんだね〜。


「おまえを見ていると彼女を思い出すな」



ん、何か言いました?先生?。
私はまどろむ意識に身を任せてゆっくりと瞳を閉じた。























































「みゅう・・」


「目をさましたかね?」


「にゃあ〜。・・・・!にゃぎゃ!?」



きゃ〜スネイプ先生が私の顎を撫でてる〜。くすっぐったぁ〜い。
って私寝てたの!?いけない!そろそろ寮に戻らないといけない時間!まだ猫の姿だし!
早くマクゴナガル先生のところに行かなきゃ!
私はするりとスネイプ先生の腕から抜け出すと、ドアへ走り寄った。



「にゃうぅ〜」

うぅ、開けられないよぉ、猫になった私にとってドアはとても大きく頑丈な壁。
早く帰らなきゃそれこそ減点だよお!



「安心したまえ、ミス・。マクゴナガルには我輩が元に戻すと伝えてある。問題ない。」


「にゃあ?」



わ〜、先生が元に戻してくれるんですか?!ありがとうございます!
私はぺこりと先生に頭をさげると、サッと先生が座っているソファへの隣へと飛び乗って、にこにこと先生を見つめた。





にゃ?ミス・





「にゃー?!」



全身の毛を一気に逆立て、私は硬直してしまった。
ひょっとして最初からばれていたの?
うぅ、これはもう減点じゃすまされないわね・・処罰、へたしたら退学かしら・・
ひぇーん私のせいじゃないのに。



「君が寝ている時にマクゴナガルが来てな。ミス・の姿が一日みえないと。
そして君の制服だけが廊下にあり、一人一人生徒に聞いてみたら、フリントらが口を割ったのだ。まったくけしからん」


先生は私を抱き上げ膝に乗せると、優しく私の頭を撫でながら呟くように教えてくれた。
あのう、先生。私本物の猫じゃないです。生徒なんですけど;
そんな私の焦りなど知らないように、先生はまた優しく顎を撫でる。にゅう〜くすぐったいですぅ。




















ミス・はスッと目を細めて我輩の手に頭を擦り寄せた。なんとかわいらしいことか。

黒猫が我輩の膝でうとうとしつつ、やがて小さな寝息をたてた時、ふと脳裏にある生徒のことがよぎった。
グリフィンドール6年のが。
ほかの生徒より小柄で長く美しい黒い髪、そして湖のように澄んだアクアマリン色の瞳。

小さく丸まった子猫は、小さく鳴き声をあげると、我輩の膝に顔を擦り寄せた。
マクゴナガルが焦った表情で我輩の部屋を戸を叩いたのは、子猫がかわいらしい寝息をたてた後だった。
普段より、冷静沈着な彼女が取り乱すなど、珍しいこともあるものだと部屋に招き入れれば、
の姿が朝からないという。そういえば、授業にも顔を出さなかったか。
風邪でも引いたのかと気にはしていたのだが、彼女の制服だけが廊下にあったとなれば、
さすがに他寮の生徒のことでも気になる。ましてならなおさらだ。
細かい話を聞き出せば、フリントらが他の生徒と違えて薬をかけてしまったという。
まったく間違えたといっても、とんでもないことをしてくれたものだ。
は小さな黒猫にされてしまい、逃げ出してしまったとマクゴナガルは口を震わせた。



はて?小さな黒猫。



我輩は一瞬の沈黙したのち、マクゴナガルにソファの上の小さな黒猫を差し示したのだった。
















「今日はとんだ災難だったようだな。ミス・


「にゅう」



ええ、もうそれはそれは災難な日でございましたよ、先生。
先生は私を持ち上げると、こつんと私の額に先生の額をあてた。
あ・・のう・・めちゃくちゃ至近距離で、心臓ばっくんばっくんなんですが・・・。
って先生、もう私が誰なのか知っているんだよね?




「元に戻りたいかね?」

「うみゃv」

「しかし・・残念だ。こんなかわいらしい子猫なら飼いたかったのだが。」

「ぐにゅ」



やーだですよー!先生!!私は早く元に戻りたいの!!
むくれている様が先生に伝わったらしく、先生はクククと喉の奥で笑った。
そんなスネイプ先生の普段絶対見られない小さな微笑に思わず釘付けになる。
え?なんでなんで?ドキドキするよー。



「さて・・・元に戻す方法なのだが」



あっはい!・・・やっぱり苦ぁいお薬になるんでしょうかね・・




「調べたとところ、君の容体に効く薬はない」



「・・・・・・・ぎゃにゅうっ!」



えー!!そんなあ!!
思いっきり悲観的な声を上げる私に、スネイプ先生は申し訳なさそうに顔を顰めて私を撫でる。
そんな・・・元に戻るお薬がないだなんてぇ・・一生子猫の姿なの?いやだよ。
深く項垂れている私の耳に、スネイプ先生の深い溜息を降ってくる。
あぁ・・スネイプ先生も同情してくれているの?




「ただ・・1つだけ方法はある」


「にゃv」


えっええっ!ちゃんと戻る方法はあるの?
もう!先生ったらそういうことは早く言ってくださいよ!!

















「異性のキスだ」



「・・・・・・・・・・・・にゃす?」




「そう、キスだ。ミス・












・・・・・・・し・・失礼しましたぁ〜。キスだなんて!!嫌よー好きでもない人にキスされるなんて。
私はソローリとソファから抜け出すと、サッとドアの方へ・・は行けなかった。
またもやスネイプ先生にがっしりと押さえ込まれてしまったの。
なんか・・先生・・楽しそう?
いやいや〜!!放してくださいー!!!
必死にもがく私を抱き上げて、ちょんと鼻先を撫でられてしまった。





「我輩では嫌かね?」


「??みゅう?」



ほんの少し淋しそうな表情で微笑む先生に、またトクリと心臓が高鳴る。
え?ひょっとしてキスするのはスネイプ先生なの?え?え?ど・・どどどどどどうしよう!?
いや・・先生のこと嫌いじゃないですよ!授業の時とか丁寧に教えてくれるし、
他の子たちは皆先生のこと嫌っているけどさ;
それに先生ってかっこいいし、声低いのも魅力的だしvって何言ってるのよ私!!
あ・・でも先生のキスだったら・・・ちょっと嬉しいかなーなんて・・
おそるおそる、鼻先を撫でた指に顔を摺り寄せてみれば、一瞬驚いた先生がふわりと微笑んで
着ている黒いローブを脱ぎそっと私を包んだ。
そしてローブに包んだまま私を引き寄せ、どんどんとスネイプ先生の顔が迫ってくる。
きゃー・・恥ずかしいー!!














カプ

















「・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・;;;;にゅ;;」



あまりの恥ずかしさに、私、先生のお鼻に痛くない程度に噛み付いてしましました;
うっ先生、眉間に皺が濃くなったー!!だってだって恥ずかしかったんだもん!!




「ミス・。君は元に戻りたくはないのかね?」


「にゅうう〜」


額に手を当てて、呆れたように眺めてくるスネイプ先生にフルフルと首を振る。
申し訳ないように俯みてみせ、ぺロっと軽く先生のお鼻を舐め上げれば驚きに目を見開かれちゃった;
あああああ!ごめんなさいー!!
あれ?先生の顔が少し赤いのは気のせい?




「にゅう?・・・・!にゃにゃっ!!!」



そっと先生の顔を覗いているといきなり視界が暗くなって、そしてそして・・・



























「さて、我輩の鼻に噛み付いたのは動物でも人間でも君がはじめてのわけなのだが」


「ご・・・ごごごごごめんなさい;」



は顔を真っ赤にさせ、スネイプのローブの中で小さく縮こまっていた。
無理もない、なぜならはスネイプの膝の上に乗せられているのだから。
やっと元の、人間の姿に戻れたというのに一向にスネイプはを放そうとしないのだ。
落ち着くこともできるわけがなく、わたわたと意味不明な動きをする
スネイプはくすりと笑うと、そっと愛しげにの黒い髪を掬い上げた。



「みぃっ/////」


「さて、いくら生徒が窮地に追いやられていても、想いを寄せていない相手になど口付けなどせん。
答えを聞かせてもらえるかな?ミス・


「はい。え?へ?・・・・ちょっちょっと待ってくださいって!!」


反射的に頷いてみるが、スネイプの言ったことを頭で復唱してみてはじめて
はそこに違和感があるのを感じた。



想いを寄せていない相手になど?



でも先生は私にキッキスをしてくれたじゃん?ということは・・・・・・




「せっ先生?!」


「いつも君を見ていたのだよ。」


「先生、それってストーカー・・・」


「1点減点」


「う;」



































「あ・・・先輩、この前は申し訳ありませんでした!!俺たち本当はウィーズリーの双子を狙って・・」


「おー!!フリントとその仲間達〜!!!・・・・・・叩きのめす!!!」


「ぎゃーーーーーーー!!!」









、何もあそこまでせんでもいいであろうに」


「いえ!!私の気が治まりません。それに先生だって止めないじゃないですか」


「まあな。あれはあれでおもしろい」




フリントたちに風船の呪いをかけ、プカプカと飛んでいかないで程度に浮かばしている様は
まさにアドバルーン。決して大安売りの広告ではない。
そんなアドバルーンを眺めながらそっとの額に口付けを落とした。




んームードがないー






























こう・・久々に書いた夢はギャグなのかのんびりなのか;
こうトラブッてますな感がバンバン出てますです;