「っつ!やめろぉっこのハッスルスパーク陰険教師ぃ!?」









「・・・おいポッター。起こせ」



































+夢見る少女は誰が好き?+








そうっ全てはあいつが悪いんだわ!
いきなり私の目の前に現れたと思ったら突然薔薇をくわえながらしなやかに踊りだし、
そして!その薔薇を私に差し出して


「Shall we dance? Honey」



はぁっ!?誰だよお前!
固まる私の手をしっかり握りやがって、抱・・抱きついたのよ!
もちろん体全体で拒否しまくって逃亡かますも、奴・・奴は普段絶対見ることのできない
爽やか〜な笑顔で追いかけてくる。しかも踊りながら。なんて器用な奴なんだ、うん。
しかも足速っ!?



「何も照れることはなかろう」



やかあしい!こんの










「ネチネチ陰険贔屓の外はねおやじぃ!!?」


「・・・・・グリフィンドール50点減点」


スネイプは凄まじい形相でを睨みつけていた。
その言葉にもキッとスネイプを睨み返す。



「何で減点なのさっ!元はといえば先生のせいでしょうが!なぁにが
「Shall We Dace?」だぁ、ぼけぇ!」


「ちょっとっ!」



ダンダン!と両の握り拳で机を叩くの隣で、ハーマイオニーが小声での腕を揺さぶった。
何っ!と苛立ち気にハーマイオニーを見やれば、少し慌てている表情に囁かれる言葉。


「今授業中よ!」

「だから?!」

「あなた、居眠りしてたのよ?」

「知るか!私の居眠りと奴のふざけた発言とどんな関わりがあるっていうの!
……ちょと待て。寝て?私寝てた?いつ?!」

「魔法薬学がはじまって22分19秒で」



片隣のハリーがスネイプの様子をチラチラと伺いながら小声で囁いた。
ご丁寧に秒まで数えてたのかと関心しつつも「カウントダウンできたし」と
続ける様に「止めろよ」とつっこんでみたり。


「おとなしく寝てれば隠せたのに、いきなり笑い出したり、叫んだり、泣き出したりするんだもん」



そりゃね、金キラ装束に爽やかスマイルしなやか〜な動きのスネイプ教授に追いかけられたらねぇ。






「状況把握はよろしいかな?ミス・





極寒温度を纏わせた低い声が、振ってきてはビクリと肩を震わせた。




やばいやばいやばいやばいやばい!!



あの陰険寝暗スリザリン贔屓で、グリフィンドール虐めにおそらく生き甲斐を感じているであろう!
スネイプの授業で、居眠りした挙げ句に突如喚きだし、あまつさえ!寝ぼけまくって夢と現実の区別がつかずに
実体のスネイプにすっごい暴言を吐いた!

と思う。

かくかくかくと小刻みに震えながら声がした方へとゆっくりと振り向けば、
いつの間にの目の前に立ちはだかっているスネイプ。うぅ、至極嬉しそうっすね。


「何か言うことはおありかね?ミス・


意地の悪い笑みが見下ろしてくる。はばつが悪そうにむうっと頬を膨らませて、
上目遣いにスネイプを見上げた。



「・・・・夢に出てくる先生が悪いんだもん」


「・・ほぉ?貴重な授業を居眠りしたことに反省はないのかね?」

「うっ・・・むぅ;」

「さらに20点減点。ミス・は放課後処罰を受けてもらおう。
授業が終わったら夕食前にも一度来なさい」




もうっ何さっ!幸せ満ちたその嫌な笑みは!
スネイプはニヤリとを見据えると教壇へと踵を返した。



魔法学の授業を一日の始まりに、今日は絶対ついてないと日だと悟られずにはいられなかった。
フレッドとジョージに捕まり悪戯の新薬の実験台にされ、猫の耳と尻尾をつけられ半猫状態にされ、
挙句の果てに「かわいいv」と多くの生徒に追いかけられる始末。
性格はかなり弾けているが、同学年の生徒たちよりも背が低くく、見ためよりも2〜3歳低く見える容姿に
滑らかな黒く長い髪、そしてまるで宝石のような薄紫色の瞳が妙に神秘的で、
そこに猫の耳と尻尾を付け加えたらなんとも妖艶で、かわいらしい黒猫だ。


「おっ前ら!!耳触るぁっ!!!」


少々性格に難有りだが、そのギャップがおもしろいらしくは多くの生徒に
親しまれていた。マスコット的存在といっても過言でもないに猫の耳と尻尾が
加われば、もうそれは目に入れても痛くないほど胸キュウンものなのだ。

ハーマイオニとジニーになんかヒラッヒラでレース盛りだくさんのピンク色ロリータ服を
着せられそうになり決死の覚悟で寮を脱走するも、廊下でハリーとロンにかわいいと抱きつかれ
それをひっぺがし、猫じゃらしを目の前で揺らすドラコに最上級の回し蹴りを喰らわしてやった。
授業はなんとか出るが、休み時間になればもうっ!戦場だ。
パンジーとミリセントもハーマイオニー達と同じように、こちらはゴシックのだがロリータ服を
着せてこようとするし、クラッブとゴイルには肩に担がれ子供扱いされるし!いや子供は子供だけど;



絶対今日はスネイプの呪いがかかっているんだ!!


挙句の果てには下級生にまで追いかけられる始末、元気の良いもだんだん泣きたくなってくる。


「もおーーーーーーーー!!いい加減にしろー!!」


曲がり角を曲った瞬間、何かにぶつかった。
「うぅっ!捕まった!」そう飛び蹴り食らわそうか躊躇していると、フワリと抱き上げられて
思わず猫のような鳴き声をこぼす。


「おいおい。曲がり角は気をつけろ?って・・、なんだその耳は」


「うーにー・・黒犬シリウス〜」


上げかけた足を止めてはふにゃあと・・・シリウスに抱きついた。
「助けてー私生徒達に誑かされて死んじゃうー!!」そうかなりとち狂ったことを
喚きながらシリウスの胸にぐりぐりと顔を擦りつける。
そんなをポンポンと軽く頭を叩くと、そのまま抱き上げたまま踵を返した。


「そうかそうか・・それはかわいそうになぁ・・よしvそれじゃあ散歩にでも行こうかv」

「うん!」

そうニッコリと笑って振り返り、遠巻きに睨みつけていた生徒達を見やった
「はっ俺の勝ちだぜ」と嘲け笑って・・・







とシリウスは校庭に出て湖を見渡せるベンチに並んで腰を下ろしていた。
サラサラと流れてくる風を気持ちよさそうに目を閉じているをチラチラと見つめながら、
シリウスはグッと拳を握り覚悟を決める。



”よし・・二人きり・・・邪魔者はいない。穏やかな湖に爽やかな風!
遠くで聞こえる小鳥のさえずり!うっし!シチュエーションバッチグー!!”



・・・」

シリウスはやや声のトーンを落として呟いた。まるで何か思い耽りながら
湖を眺めスッとに微笑みかける。
「ん?」ともにっこりと微笑みながら首をかしげた。


”よしよしよしよし!!つかみはオッケー!”


「俺と初めて会った時のことを覚えているかい?」


そうの頭を優しく撫でて、顔を覗き込めばちょっと頬を染めた
目が合う。はふわりと微笑みと小さく頷いた。


「うん・・・よく覚えているよv」

「そうか・・・」


”いいぜいいぜ!良いムード!!この調子でに告る!!”





「行き倒れていたんだよねv」


「・・・・・・・・・・・;」


の頭を撫でていたシリウスの手がビシリと固まった。
そうだ、そうだった。逃亡しているときに空腹のあまり黒犬のままぶっ倒れて
助けてもらったんだ;水とパンをもらってなんとか命を取り止めたものの、
うっかり人間の姿に戻ってしまって、やばい!と焦るもは気にせず、
「まだ何かいる?」と優しく声をかけてくれたのだ。
そこからシリウスはに惚れたわけなのだが・・・今のムードはぶち壊しである。
えぇ、それはもう音を立ててひび割れました。
なんとか持ち直そうと考えを張り巡らせるシリウスの横で
はにっこりと猫の耳を揺らしながら口を開いた。


「あの時のシリウスったら、もうすごかったよねv
自分の手までパンと間違えてかじってたもんねえv」


「;;・・・・はは・・vそうだったかぁ?v」


「うんvもうシリウスの目にはパンしか映ってなかったよv
あーん!パンの話してたらお腹空いたよー!!もうすぐ夕食かなあ・・・
シリウス何か持ってる〜?」


「いや・・ワリィな・・持ってねーや・・」


「じゃあvお茶でもどうだい?」



二人の背後でのんびりした声がしてハッと振り向けば、ベンチの背もたれに腕を乗せて
ニコニコ笑顔のルーピンがしゃがんでいた。
に爽やかな笑顔を見せ、シリウスに意味ありげな不安させるような笑みを突き刺す。


「わ。ルーピン先生!」


「ん〜。もう先生じゃないねえ。・・・・・・シ〜リウス?」


「なっなんだよ!!」


「抜け駆けしようたってそうはいかないからねv」


「・・・;;;;;」


。まだ夕食までにちょっと時間あるからお茶でもしようよ。
クッキーもあるんだ」


「クッキーvv?じゃ、シリウスもー」


「ははー。シリウスねー今突如として急用を思い出したんだってー」


「なっ!リーマス!」


「何だい?」



カッと目を見開き、勢よく立ち上がりルーピンを睨みつけるも、
逆に凄まき爽やか笑顔が返ってきた。これは思いっきり後がやばい笑顔!
シリウスが言葉を続けられずに躊躇している間に、ルーピンはサッとの手を引いて
城へと踵を返していた。


「後でゆーっくりと話し合おう・・・な、シリウス」


「あ・・う・・ぐ・・・あぁ・・」

































「レディ・。これから夕食でもどうかね?」


「わー。マルフォィさん!」


「出たな。権力乱用変態男」

「失せろ。激甘党変人動物」




は不思議そうにルーピンとルシウス・マルフォイを見比べた。
なんかすっごい剣幕でお互い睨み合っている。ルシウスはふんと口端を上げると、
へと進み出た。



「どうした?その耳は」


「にゃう;悪戯されちゃったんだ・・・おかしいでしょ?」


ふわふわと耳を触られてくすぐったいのか、はピククッと耳を震わせて
困ったようにルシウスを見上げた。
そんな仕草に一瞬固まるルシウス。


”かっかわいい!!持ち帰りたい!!”


が、すぐに瞬きをして優しく微笑みの頭を撫でた。


「おかしくなどない。とてもかわいい似合っている」


「ほっ本当?」


「うむ。今夜はのために店を一軒貸切にしておいた。
さあ、行こう」


「ちょっと待ちなよ」


「・・・・・・・・・・まだいたのか」



冷たい声がルシウスの背中に突き刺さり振り向けば、口元を一瞬ヒクツかせたルーピンが
腕を組んでルシウスを睨みつけていた。


の意見は無視していいのかい?」

「ふん、も行きたいに決まっているだろう」


殺意ムード満点vの空気にさすがのも、困ってルシウスの袖をクイクイと
引っ張る。


「あのねっマルフォイさん。いまからルーピン先生とお茶だったの」


「・・・こいつとの時間はいつでもとれる。それとも私と食事に行くのは嫌か?」


「そっそんなことないよ!!マルフォィさんグルメ通だし、いつもくださるお菓子も美味しいもん!!」


「では問題ない」


そうルーピンに勝ち誇った笑みを向け、そっとの背中に手を軽くあてる。
ルーピンはキッとルシウスを睨みつけ、拳を握った。
けれども、自分にはを食事連れ出す資金がない;。せいぜいお茶を出すくらいだ。
「ルシウスと食事」よりも「ルシウスが選んだ店の食事」に目がいっている分、
はルシウスの手に落ちることはまだないだろう・・下手に歯向かえば
権力を逆手に何をしでかすかわからない。今回は諦めた方がいいだろう・・・
そう、くるりと踵を返すとルーピンは自室へと足早に歩いていった。





「今日の店はお前の好きなケーキがあるのだよ。そのケーキを数種類をのせた
盛り合わせものがなんとも見た目にもいいし、味も良い」


「わーv本当ですか?楽しみー」


ルーピンのことは気になるが、ルーピンはににっこりと微笑んで
「行っておいで」といってくれたので、今日はルシウスと出かけることにしたのだ。
夕食を楽しみに、わくわくと玄関ホールへ出たその時だった。







!!」



背後からもうめちゃくちゃ聞き覚えのある声がして、はびくりと肩を震わせて固まった。



            ”授業が終わって夕食前にも来なさい”



そう、そう、そう、そう、そう、そう!そうだったよ!!
今日の初めの授業で盛大に居眠りをしたうえに、教科担任の先生におもいっきり暴言を吐いて。
処罰をくらったんでした私!!えとえと;もう・・夕食始まる時間ー;;
カタカタカタと震えながら振り向けば、やはり凄まじい形相で足早に向かってくるスネイプ・・・・



「貴様!!言いつけを忘れてたと言うまいな!!」


ごめんなさい、綺麗さっぱり忘れてマシタ;

スネイプはガッとの首根っこを掴み上げると、そのままザッと踵を返して
足早に地下へと足を勧めていった。ふと立ち止まり、微かに振り返り






               ニヤリ




”誰が貴様にこの娘を渡すものか”



そう、ルシウスを嘲け笑いながら。














「まったく、貴様という奴はどこまでも人の言うことを聞かない奴だ!」


「うぅ〜・・・ケーキの盛り合わせぇ・・・お腹空いたあ〜・・」



情けない声を出すに一瞥をくれてやると、「ぴぃ;」と肩を強張らせる。
首根っこ掴まれて宙をブラブラとしている様はまさしく猫だ。


「はっ、今日は徹底的に処罰だ。夕食なぞ1回食べなくても死にはせん」

「そ・・そんなあ・・・あんまりだあ!」

「自業自得だ、たわけが」

「にゅう・・・・」


ぺたりと猫の耳を垂れ下げて口を尖らせるを見やりながら、スネイプは小さく笑った。
辿りついた先はスネイプの自室。初めて訪れるスネイプの自室に、ぽけーと部屋の中を見渡す。


「ボケーっと立っているなっ。ここに座れ」


スネイプが顎で示した椅子に座ると、はびしりと固まった。
そこには、大量の羊皮紙の束がいくつにも山積みにされていたのである。
一番上の羊皮紙をそっと手に取り、見やれば何かの研究レポートなのだろうか?
ただ難しい言葉が呪文のように綴られていて、にはちんぷんかんぷんだった。
向かいの席にスネイプも腰を下ろし、ニヤリとを見据える。
処罰はこの羊皮紙の束を項目ごとにまとめることだった。
あまりの量の多さには絶句する・・・・


「まさか・・これ全部?大変だよう・・・」

「楽な処罰があるものか阿呆めが」

「うう・・今日はなんだかついてなーい・・」

「黙って手を動かせ」

「はいぃ・・・」

それから二人はお互い黙って、黙々と羊皮紙を項目別にまとめていった。
最初は文句たらたらと手を動かしていたも、早く終わらせたいのか必死に羊皮紙とにらめっこしている。
どれくらい時間がたったのだろうか。やがて最後の1枚を分け終えるとは大きく息を吐いた。


「ひゃーー終わったー!帰っていい?ねえ、いいでしょ?v」


「・・・・・・ダメだ」


「何でぇ!ケチんぼー!!」


すっかりときれいになった机の上を両手でパンパンと叩きながら、頬を膨らませて
スネイプを睨みつければ、至極楽しそうに笑うスネイプ。けれど、いつも見せる嫌みったらしい
笑みじゃないことに、はちょっとだけドキッとする。
スネイプは立ち上がって、の横に立つとまだしっかりとついているの猫耳に
そっと触れた。一瞬のくすぐったさに「にゅうっ」と目をキュウッと閉じて肩を窄める。
ユラユラと揺れる尻尾を見やって、スネイプは微かに微笑んだ。


「一生それをつけているつもりかね?」


そう少し楽しげに問えば、ガーンと衝撃を受けたようなと目が合う。
そのなんとも間抜けそうな顔にスネイプは思わず噴出しそうになった。
けれどもの顔色はとても悪い。


「やだやだやだやだぁ!!このせいで今日は大変だったんだからぁ!!」


「くくく・・こまっしゃくれな小娘にはぴったりだな」


「っかー!!」



パタパタと耳を苛立ち気に動かしてみせれば、スネイプはフッと笑い棚へと足を進めた。
小さな小瓶を手に再びの前に立ち、蓋を開けてさじへとそっと流し込む。
そしてそれをそのままの口元へと、近づけ飲めとと促す。
おそるおそるさじに口を近づければ、ふんわりとイチゴの甘い香りが漂い。
はにっこりとさじに口をつけて薬を飲んだ。






「・・・・・にがあいぃ・・・」




甘い香りがしたから甘いお薬だと思ったのにー!と半泣き状態のを意地悪く笑いながら
見据えるとキュッと小瓶の蓋を閉じる。小瓶を棚に戻しそっと再び猫の耳に触れればあれ?と
は首傾げた。


「触られている感覚がないですよう」


友だちやルシウスに触られた時は、とてもくすぐったかったのに、今はつけてる感覚すらない。


「じきに消える」


「ほんと?よかったあ〜vそれじゃあ、ありがとうございます!!
寮に戻ります〜」


「誰が帰っていいと言ったかな?」


「だーうー・・」



しゃたっと手を軽くあげて、ドアを開けようとしたの首根っこをまたしても
ぐわっしと掴まれた。「かーえーるーのー!!」とスネイプを振り切ろうとするも、
小柄なが大人のスネイプにかなうはずもなく、そのまま首根っこをつかまれたまま、
再び椅子へと座らされた。



「まだ・・何かあるんですか?もう居眠りしませんからぁ〜!!」

「ほう?では我輩に対しての暴言は続けるおつもりかね?」

「だって!!先生が先生じゃなかったもん!!金キラ衣装でまるで
”素晴らしい〜0033♪”とか歌いそうだったんだもん!!
お得な携帯へがなんだってーのさ!!」


「夢と現実を混同せんでもらおうか・・・」


のむうっと口を尖らせての反抗に、スネイプはさも疲れたように額に手をあてた。



まったく、この小娘はいつもそうだ。
授業では平気で居眠りをする・・かといって他のグリフィンドール生と同じように
自分を怖がりはせずニコニコと話しかけてくる。
この娘は、我輩がどんなに想いを寄せているのか・・小さじ1杯でも思っていないであろう。
かといって、ルシウスやルーピンのように食べ物でを釣りたくはない。絶対に。
さて・・いったいどうすればこの鈍感な娘の気を引くことができるだろうか・・・



「先生?」

「あっあぁ・・何だね」


深く考えているスネイプには不安そうにスネイプの顔を覗き込んだ。
慌てて、顔を上げればまだ不安そうに見つめてくる。



「具合悪いの?」

「いや?すこぶる良い」

「んなわけないだろっvそんなに青白い顔してバリバリ元気だんなんてv」

「グリフィンドール2点減点」

「うぐ;でも、先生いつも顔色悪いよ?ちゃんと睡眠とってる?」


いつもと違うの表情にスネイプは一瞬目を見開いた。
本気で心配をしてくれているのだろう表情だ。は飛び降りるように椅子から立ち上がると
てててとスネイプの座っている前へと立った。そっとスネイプの手をとり顔を顰める。

「ほらー・・手もこんなに冷たいよ?人によって体温違うけど、先生のこの冷たさは
異常だよぉ・・・まv先生の存在自体が異常か。ははは〜」


「貴様・・;」


ほんの少しでも心が揺らいだ己に心底腹が立つ。口端をヒクつかせてを見据えれば、
さも怖そうにちょろりと舌を出して肩を窄めてみせた。そして思い出したようにパンと
両手を叩くとローブのポケットをあさりだす。


「そうそう〜そうだったー。これ先生にあげるのー」

「・・我輩に?」

「うん。もらってもらって〜v」

スネイプの手をとってちょこんと置かれたのは、淡い紫色の小袋。
ほのかに鼻先を掠める優しい香りに僅かにかに目を見張る。


「これは・・ラベンダー・・・サシェかね・・・」

「うん!もし寝不足だったらこれ枕元に置いて寝てねv」

「・・・・・ありがたくいただこう」


思いもよらない、からのプレゼントにスネイプは思わず笑みが零れた。
もにっこりと笑みをこぼす。








「元気のない先生からかったって、おもしろくないもんねv」





「・・・・・・・・・・・・・」




















































「くっ!!スネイプ!!!河童の着ぐるみなぞ着やがって!池に帰れ!!」


「おい、ポッター。叩き起こせ。蹴り起こしでも構わん」















スネイプはまだ知らない。
がスネイプに渡したサシェは、針に糸を通せないほど裁縫が苦手な
指に針をぶっさし泣きながら作ったということを。

またスプラウト先生にラベンダーの極上のドライフラワーの作り方を
熱心に聞きに行き、どうしたと問えばはニッコリと笑って


「大事な人がね、寝不足みたいなのーvv」



とメモを取る姿がなんともかわいかったと微笑むスプラウトの話にスネイプが
頬を染めて固まるのはそう遠くない未来。



そしてはまだ知らない。
悪戯により付けられた猫耳と尻尾に悩まされていたを不憫に思い、
スネイプが手早く薬を調合していたということを。






が贈ったサシェはスネイプの枕元にちょこんと置かれている









「だからといって大目にみるとおもうか!!起きろ!貴様!!」



「ぎゃー!!スネゴジラー!!!」







二人の距離が近くなるのはまだちょっと先の話かな?





























60000ヒット越えありがとうございますのお持ち帰り自由夢。
久々にギャグ書きたいなと思い・・・ずらずらずらずらずらずらずらっと(怒)
逆ハー主体で最後は教授にバトンタッチで。スネイプ教授の授業で居眠りして
しかも寝言で叫び出せたらかなりの強者だよねv

このドリームはお持ち帰り自由です。ですがお持ちかえる際に掲示板に
一言書いてくださるととても嬉しいです。