「へふー。教授がいれてくれる紅茶はとってもおいしいなぁ〜」




「///・・・・・それはよかった」






























+ライバル再び!+











元の姿に戻ってからというもの、はよくスネイプの部屋へと訪れるようになった。
お気に入りの本を見せ合い、その本の話で華を咲かせ。時折、が手作りのお菓子を土産にすれば、
普段から険しい表情をほんの少し和らげて、スネイプがお菓子にあった紅茶をブレンドしてくれて。
スネイプもいつしかが訪れてくることが何よりも楽しみになっていた。




だが






「セブルス〜僕の紅茶ぁ〜」




最近が訪れるたびにフラリと現れるルーピン。
すすめもしないのにヘラヘラとの後から部屋に入り、おもいっきりくつろいでソファへ腰をおろす。
目当てはが作って持ってくる菓子のようだ。




我輩はと二人で静かな一時を過ごしたいのだが!?





無言でギラリと睨みつけてやるが、この男にはそんなことは袖に風。
にっこりと微笑み返してくるだけだ。

ところが、ルーピンだけでも邪魔このうえないのにさらなる邪魔が入った。
そして、こいつこそ本気で息の根を止めなければと、我輩の脳裏に千の呪いと百の埋葬方が駆け抜ける。
ルーピンはの菓子目当てだ。と、我輩オリジナルブレンドの紅茶もらしいが。
ルーピンにいたっては菓子を与えておけばなんら問題ない・・・・



問題なのは・・・







バン!












〜!会いに来たぜ〜!?」



「ふゅ?」



「また貴様か!ブラック!身を潜めなくてはならん分際でよくもぬけぬけと!」



扉が壊れるのではと(シリウスからすれば壊れていいらしい)思うほど大きな音を立てて、
シリウス・ブラックがソファに座っているに覆いかぶさるように飛び込んできた。
激しい嫌悪の表情浮かべながら怒鳴るスネイプを無視して、そっとの髪を撫でつける。





「あぁ!愛しのv会いに来たぜ!」


「…どっどうも;」





ジリジリと顔を近づけてくるシリウスに、苦笑いしながらが後ずさりをする。




「逃げるなよv」

「いや;その・・ねぇ?」

「恥かしがるなってv」

「離れろ、変態」




の腕を掴んで自分へと引き寄せようとするシリウスのこめかみに、冷たく冷えきった声と杖先が突きつけられた。
ゆっくりと立ち上がって杖先の主を睨みつければ、冷たく、そして怒りに満ちたスネイプがシリウスを睨みつけている。



「なーんで陰険教師がここにいるんだよ」

「ここは我輩の部屋なのだが?」

「おーおー。どうりで暗くてじめったらしいわけだ」

「貴様・・・」



互いに呪い殺しそうな勢いで睨みつける姿に、は声をかけることができなかった。
慌ててルーピンへと救いを求める。





「ルーピン先生、どっどうしよう・・・・・」


「うん、おいしいよ!このチョコクッキー!」





つっ使えない;このおちゃらけ教師!










そもそもシリウス・ブラックがどうしての存在を知ったのだろうか。



それはよく晴れた日の午後だった。
シリウスはルーピンに言付けがあるため、黒犬の姿でホグワーツ広大な校庭の茂みに隠れていた。
本当はすでに彼の汚名は晴れているのだが、それでも人々の中にはシリウスの姿を見るたびに
恐怖に引きつった表情を浮かべる。
14年にもわたって語り継がれた、偽りはなかなか晴れなかったのだ。
そしてほとんどの人間に知られていない黒犬の姿とはいえ、堂々と入っていくのは気が引ける。
ルーピンの所へは日が沈んでからにしようと、茂みに落ち着ける場所を見つけて、暗くなるまで眠ることにした。











「ぉお。でっかい犬〜」





夢うつつに聞こえる声にぼんやりと顔をあげれば、がしゃがみこんでシリウスを覗きこんでいた。




「………;;(おおおお前!パンツ見えるぞ!」

「わー目あけたーモノホンの犬だ〜!」

「くぅん;(ぉおい;)」

「ほぉら猫じゃらしぃ!」

「くっくぅん?(俺犬だろが;あんた俺が猫に見えるのか?)」



猫じゃらしにありつこうとしない黒犬にはつまらなそうに頬を膨らませると、


むに


と黒犬の頬(もといシリウス)をつねってみた。


「きゃうん!(痛え!!)」

お腹をわしわし撫でてみる。

「くっくうー!(くっくすぐってー!!!)」

尻尾を軽く触ってみる。

「きゅうーん(ぜーぜー死ぬかと思った・・・)」←笑い死に。

「うんv犬だv」

「くっくうん・・(お前・・阿呆だろう!)」


「やvどうしたんだいv・・・・・シリウス・・なあにに抱きついているのかなあ?」


不意に後ろから声をかけられ、ほんの少し驚いて振り向けばそこにはルーピンがにっこりと微笑んでいた。
ルーピンはニッコリとに微笑みながらも、黒犬をみて1トーン声を落として微笑む。
その笑顔はどこか黒い物を感じずにはいられない。
黒犬=シリウスはにぎゅうっと抱きしめられていたのだ。
に抱きしめられているのはシリウスなのに、ルーピンにはどうやらシリウスが抱きついているように
見えたらしい。というか半分からかい。
その後、ルーピンの部屋へと訪れたの前でシリウスは人間の姿に戻って見せたのだ。
最初は驚いていただが、すぐさま目をキラキラさせて「もう1回変身して!」と
結局何度も犬になったり、人間になったりしたのだ。けれども不思議と嫌だとは感じなかった。
そんなこんなでいつの間にか、シリウスはに惚れてしまっていたわけで。

意気揚々とに告白をしたのだが・・・


「ごめんねv気になる人がいるの!」


と笑顔で返される始末。好きな奴がいるのならしょうがないと諦めかけたシリウスだったが・・・


「ルーピン入るぞ。・・・・・ここで何をしているのかね?」

「わーvv教授v」

その来訪して来た人物に、のパーッと晴れた表情に。
まさか!こいつが!!こいつが気になるのか!?
シリウスの心に火がついたのだった。当のサクヤはスネイプを慕っているだけのつもりだったのだが。




「こいつにはゼッテー負けねえ!」



それから事あるごとに、へと熱烈なアピールをするシリウス。
も戸惑いながらも、邪険にしないので余計熱くなる。






そんなこんなで、シリウスがに言い寄り、それがまた必ずといっていいほどスネイプの目の前なので、
必ずスネイプとシリウスが衝突する・・・
お互い睨みあったまま、微動だにしない2人にはオロオロするだけで・・・;



「ああああ・・どうしようどうしよう!まず壁は一つ二つ穴が開くだろうし、教授の貴重な資料の薬品瓶も
絶対無事じゃ済まされないでしょ・・・どうしよう・・・」


心配する視点が、思いっきりずれてますさん。
けれどもなんだかんだと揉めても、二人が杖を取り出すことはなかった。
やがて、日が傾き始めた頃

vそろそろ戻った方がいいんじゃない?」

ルーピンがニッコリとの肩にポンと手を置く。
「う・・うん」と頷きながらも、ほんの少し心配そうにスネイプとシリウスに視線を走らせば、
クスリとルーピンが笑った。

「大丈夫!またなんか言いだしたら漬けておくからv」

そうを立たせて、気にするなと促せば、
も「そう?」といって帰る用意をする。スネイプにお邪魔しましたと挨拶をして、
シリウスに苦笑いしながら会釈すれば、スネイプは「また」とドアを開けてやり、シリウスがまたなvと微笑んだ。



「なんか・・追い出されちゃった気分・・;でもまあ・・教授とブラックさんが喧嘩しなければいいかv」


そう笑いながら、カツンと軽い靴音を立てては自室へと帰っていった。




「さてvバカな発言はそこらへんいしておいてだね、シリウス」

「む!俺は本気だぜ!絶対こいつに勝つ!!」

「埋めるよ?」

「・・・・;」


意気込むシリウスを黒い微笑みで黙らせると、ルーピンはコホンと一つ咳払いをして座りなおした。


「セブルスも知っているとおりだが・・状況が良くない・・・。
何人もの仲間がヴォルデモートに恐れ、闇に走っていく・・・。闇は増大するばかりなのに
こちらの勢力はどんどん小さくなるばかりだ・・」

「歯向かう者は皆殺されている」

苦渋に頭を抱えるルーピンにシリウスが苦々しく付け加えた。
ルーピンがホグワーツに戻ってきたのは、闇と対抗するために派遣されたため・・
ルーピンとシリウスはアニメーガスの仲間とともに、ヴォルデモートや闇の情報を収集していたのだった。
ダンブルドアさえも押し黙ってしまうほどのこの事態・・・
スネイプはかつての同窓生を、見つめながら絶望の溜息を洩らした。


スネイプの部屋に重い空気が流れる。


「新しい情報は必要か?」


沈みきった空気に、凛とした空気が流れた。
ハッと三人が顔をあげると、ドアの前に黒のローブを着た男が立っていた。
フードがおろされ、現われたのは紅茶のような赤みがかった髪色に、透き通るような紫色・・・


「ハルツ」


スネイプが眉を顰めてその男の名を呼んだ。
ハルツは無表情に三人を見据えると、カツンと靴音を響かせて、部屋の中をゆっくりと歩きだした。
その歩き方がぎこちなく見えるのは、気のせいだろうか・・


「新しい情報ってなんだよ?」



まるでじらすように部屋の中を歩き回る、ハルツに苛立ちを感じながらシリウスが鋭く唸った。
ルーピンが軽く手でシリウスを制するが、その目は鋭く、ハルツに注がれていた。


「君は・・・見張る者だね。その黒いローブは闇に紛れるために、そしてその金の縁取りは魔よけのためだ。」

「ふん、知っていたのか。人狼よ」

ルーピンを見据えながら冷たく言い放つ、ハルツにシリウスがガッと立ち上がった。


「その見張る者が何の用だ!!情報はもう知っているぞ!見張る者の主がヴォルデモートの配下に落ちたとな!!
ハルツといったな・・・。お前も闇の配下か!!?」

そう吐き捨てると同時に、シリウスはガッと杖を構えた。
ハルツとシリウスはしばらく睨みあっていた。しかしハルツは深い溜息とともに視線を逸らす。


「落ちたのは主だけだ」

「そうか・・・見張る者の主が落ちたか・・・」

部屋にスネイプの落胆の声が響いた。


「主は我らにもヴォルデモートの配下に下るように言い渡した。断れば死。
私はなんとか逃げ延びたが・・・・」

そう呟くハルツの体がガクリと崩れ落ちた。
驚いてスネイプがハルツの体を支えれば、ヌメリとした感触がスネイプの手のひらを伝う。




赤い水




「ハルツ・・・!!貴様!!!」

「いけない!!」

ルーピンが杖を取り出して、担架を呼び寄せた。
衝撃を与えぬようにハルツを担架に乗せながら、出血をしているわき腹に止血魔法を施す。
シリウスは「ダンブルドアに知らせるっ」と言い捨てると、黒犬の姿になり疾風のように部屋から出て行った。




「見張る者は全て主に背き、殺された」

「ハルツッしゃべるな!」

「セブルス、医務室に運ぶよ!!」

「待て・・まだある!」

杖を振ろうとするルーピンの腕をハルツが、掴んだ。「大事なことだ」と付け加えれば、
ルーピンとスネイプの表情が強張る。
呼吸が荒い。早く医務室に運ばなければ、手遅れになる。


「ヴォルデモートに対抗しうる存在が・・・ハリーポッターよりも強力な魔力の持ち主だ」

「何?」

「それは一体誰なんだい?!」

「わからん・・・だが、ヴォルデモートはその存在を自分の配下に納めるつもりだ」



ルーピンの腕を掴むハルツの力が弱まり、ルーピンはそっと杖を振った。




「その存在を・・奴の配下にしてはいけない・・・。そして頼む・・弟を・・・助けてほしい・・・・」


ハルツが虚ろな目でスネイプに訴えた。「弟?」そう怪訝そうに聞き返せば、
ハルツはフッと意識を失った。

















やっと本編につながった・・(遠い目)
てか無理やーりvそろそろちゃんと書いていきましょう!!(全くだね)
しかも、見張る者といいハルツといいオリジナルなものが多すぎよ!!(ぷんぷん)