「貴様っ!から離れろ!」



「うっせ!てめぇのじゃねぇだろがっ」



「っつ・・」







「いいえ、私は教授・・・ご主人様のものですよ?」













「「・・・・・・・は?」」
























+好きな人?+







冷たい地下牢のスネイプの自室で、互いを呪い殺すかの勢いで睨み合っているスネイプとシリウス。
シリウスの腕の中ではがきょとんと二人を交互に見つめている。
さらにを抱きしめるシリウスにスネイプの顔は激しい嫌悪感を露にした。
そんな男達の間でかわいらしい少女の声が木霊す。その答えにシリウスはもちろんのこと、スネイプまで固まってしまった。
一瞬にして呆気にとられたシリウスはブンブンと首を振ると、ガッとの両肩を掴み覗き込む。
怯える表情のにスネイプが慌ててシリウスからを引き寄せ、ギラリと睨みつけた。


「こいつが君のご主人様?!おいおい冗談だろ?!」


「うん。はセブルスに連れて帰られ、セブルスの放った魔法により動くようになった。
まぁ、必然的にの主人・・・というか、保護者はセブルスだね」


「まじかよ・・・ってげ!」








































「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」




































「・・・・どなたですか?」



「!?なぜ貴様がここにいる。ルーピン!」





は不思議そうに革張りのソファにゆったりと腰をおろし、優雅にしかも勝手に
スネイプ愛用のティーセットで紅茶を堪能している男をじっと見つめた。
いつの間にいたのだろうか?少しくたびれた顔つきに古めかしいローブ。けれども儚げに微笑む姿に
思わずドキリとする。



「いやぁね、セブルスがかわいい子の保護者になったというからシリウスと来たんだけどねぇ、
こいつを独り占めしたいがために、私の朝の紅茶に薬をいれやがってねぇ


「あっ鍵が開いていたので勝手にお邪魔したよ。紅茶もね」と笑いながら、
ルーピンと呼ばれた男はゆったりとした仕草で立ち上がると、にっこりとの前にたった。



「私はリーマス・ルーピン。君のご主人様とそこにいるアホ犬と同窓の仲さ。」



そうにっこり笑うと、ルーピンはそっとに手を差し出した。
も慌てて頭をさげて、ルーピンと握手をする。
その後ろでスネイプは苦々しくルーピンを睨みつけていた。

ダンブルドアの話によれば、シリウス・ブラックとリーマス・J・ルーピンは
しばらくの間、臨時教員としてホグワーツに席を置くことになったのだ。
多くの生徒がこれに喜びの大歓声を上げ、その夜の歓迎会では大宴会になり教師達もにこにこと嬉しそうに
拍手を送った。
けれども、この大宴会の中で不機嫌さを押し出している人物が一人・・


「おらっお前も飲めよ!!」

「セブルスも飲めるだろう?飲まなきゃ損だよ?!」


シリウスとリーマスに挟まれながら、額に手をあてスネイプはただただ深い溜息をつくだけだった。


なぜこいつらがホグワーツの臨時教員なのか、なぜ我輩が犬共の面倒を見なければならないのだ。
なぜのことを3サイズまで知っているのか。(我輩知らない;)
そして・・・





「なぜ、我輩の両隣に座る?!」


「ぁあ?うっせー」

「だって、この方が楽しいだろ?」



「楽しくなどない!不愉快極まりない!!」




















「教授楽しそうv教授にも素敵なお友だちがいるのね!」

「いや・・あれってある意味スネイプ苛めじゃん?」

「明らかにシリウスおじさん達楽しんでるよね」

「今日だけはスネイプ教授に同情するわね」




グリフィンドール席から、ニコニコとスネイプを眺めるに、
ロン、ハリーそしてハーマイオニーはさりげなく否定していみるが、
嬉しそうに教員席で騒いでいる三人・・スネイプを見つめていた。

その次の日から毎晩のようにシリウスとリーマスはスネイプの部屋へと現れた。
邪魔だと言わんばかりに睨みつけてくる、スネイプを無視して二人が嬉々として
訪れる理由は・・・・

「それでね、。そのマグルの電車というものはとても便利なものでね」

「うんうん!」


「でよ!その映画ってやつはよ、でーっけえ布に映写機で映像を写してな・・」

「わーすごーい!!」


と・・・二人は毎晩毎晩にマグルの世界や、人間について熱弁していた。
に人間の生活を教えるのはいいことだ・・・けれども・・


、今度そのマグルの映画館に行こう」

「なっなっ、明日暇か?」


朝でも昼でも夜でも、が授業中でも(さすがに追い出されたが)二人は
に付きまとっているのだ。ここまでくればその手のことに鈍いスネイプさんだって感づく。
ある日、を囲んで廊下を歩いている三人の前に、ゆっくりとスネイプが立ちはだかった。


「それじゃあ、今度の休みは植物園に・・・・っとどうしたんだい?セブルス」

「なんだよ!!」


。これから我輩の研究調合を行うのだが・・手伝ってもらえぬかね?」


の両隣の輩を見ぬ振りをして、スネイプは優しくに微笑みかけた。
一瞬、首を傾げただが、すぐににぱあと笑顔になり大きく頷く。
踵を返すスネイプの後に続いては呆然と立っている二人にお辞儀をすると、
小走りに後を着いていった。
がスネイプの隣へと追いつくと、の手の本を数冊抜き取り持ってやる。
嬉しそうに「ありがとうございます!じつは重かったの〜」と微笑むに、優しく微笑み返し、
肩越しにいまだ立ち尽くしている二人を見やり・・・・



ニヤリ。




「そうか・・・そんなに重いのであれば早々に我輩を呼べばよかっただろうに・・」と
さもリーマスとシリウスは気が利かないと言わんばかりに大袈裟に声を上げながら、
スネイプはフワリとの頭を撫で、曲がり角を曲り消えていった。




そんな日が何日も続いたある日。




「ねえ、あんたは誰が好きなの?」


「え?誰って?」


「とぼけないの!あのブラックとルーピン!そしてスネイプ教授よ?!」



のんびりとした昼休みの裏庭、はパンジーに髪を結ってもらいながら、のほほんと首を傾げた。
の隣ではハーマイオニーはパンジーや他のスリザリン女子生徒を睨みながらも、
パンジーの問いに耳が大きくなっている。
シリウスとシーマスがホグワーツに訪れてから、二人は何かとのことを構っているのだ。
そして、それを邪魔するように現れるスネイプ。は気づいていないだろうが
敏感な女の子たちは気づいていたのだ。


三人のの見る目が違うことに



は不思議そうな表情をして、細かく編まれた自分の髪を撫でた。


「皆大好きよ。リーマスさんは物腰柔らかくて、シリウスさんはちょっと口悪いけど
楽しいお話をたくさんしてくれるの。それに教授だって・・・」

「そうじゃないでしょ!?」

「へ?」


パンジーの凄い剣幕に関わらず、ハーマイオニーはを庇うことなく、深い溜息をついた。
そんなハーマイオニーの様子に、は少し慌てたようにハーマイオニーを見やる。


「何?え?どういう意味?」


「はあ・・・・それは大好きの意味合いが違うわ」


「え?違うって・・三人とも好きなのはいけないことなの?」


「えと・・そうじゃなくて・・・」


「要は!ずっと一緒にいたい!この人に全てを捧げたいほど好きな人は誰?っということよ!」


草むらに腹ばいになって寝転がっていたミリセントが、ガバリッと起き上がりはビクッと
肩を竦めた。体格の良いミリセントはどっしりと胡坐をかくと、腕を組んで何か考えながら
口を開いた。


「リーマス・ルーピンのソフトな人間か、シリウス・ブラックのデンジャラスな雰囲気か
そしてスネイプ教授のどこか陰りのある部分・・・」


他のスリザリンの生徒達もくすくす笑いながら身を乗り出してきた。


「私はワイルドで危険じみたシリウス・ブラックにちょっと惚れているのよねぇ」

「わかるわかる!!こう「俺についてこい!」みたいな感じ?私だったら絶対ついて行くわ!
でも、リーマス・ルーピンのあの柔らか〜い笑顔も・・・捨てがたいわよねぇ・・」


「ぺ・○○ジュンスマイル?」


「ちょっとー!!人が想い耽っているっていうのにー!!」


最初はスリザリンの生徒達に警戒していたハーマイオニーもいつの間にか
一緒に盛り上がっている。話がだいぶそれてお気にいりの俳優の話に華を咲かせている
女子たちにパンジーは小さく溜息をつくと、の髪にかわいいスティックみたいな物を
挿しながら、そっと呟いた。


「それと、スネイプ教授の大人の魅力もいいわよね。」

「えと・・それってつまり・・」


はちょっと困ったようにパンジーに向き直った。


「そう!は誰かに恋をしてないの?」


「恋?!・・・・でも私は・・・」


「あら?人形だからって言い逃れすんの?」


ケラケラとパンジーが笑った。「恋」このことについて、多くの女子生徒に教えてもらった。
恋をすると行動がおかしくなるとか綺麗になるとか・・好きな男の子の前に立つと、普段自分がしない行動をしてしまう・・。
告白して晴れて恋人同士になっても気は抜けない!など・・・
たしか実体ではない言葉・・・まさか自分が体験するとは思ってもみなかったことに、はむーと考えながら俯いた。
自分は一体誰のことが好きなんだろう・・・
皆を・・・シリウスやリーマス、そしてハリー、ロン、ハーマイオニーやパンジー達・・
そして教授。皆を好きじゃいけないのか・・・けれども、それは恋ではないと皆口をそろえて言う。
たくさん教えてもらったけれども、正直な話、「恋」について今ひとつ理解できなかった。
それに・・自分にそういう人ができても、絶対叶わないことである。だって・・自分は・・

いまだ俯いているに、パンジーは「もうっ」と頬を膨らませると。
の顔を上げさせた。戸惑いと不安の表情が混同しているの額をピンと指で弾く。


「人形だからって関係ないわ、大切なのは心なの!!
それに・・いつまでも人形のことに囚われていたら、はいつまでも人形のままよ」


「・・・・・うんっ」


パンジーの言葉には一瞬目を見開いた。パンジーの言葉がすとんと体にはまったようだった。


「まあ・・恋っていうのは急いだり無理に相手を探そうとしてもだめなことなの。
自然にね、そう想う人ができるまで普段通りに過ごすことね」


「ねえねえ!!二人はアラン・リックマンのようなダンディー派?
それともオーランド・ブルームみたいなフレッシュ派?」


「はあ?」


いったいどこまで話の路線を踏み外したのだろうか?いまや、話は英国俳優で盛り上がっているらしい。
スリザリンの女子生徒が身を乗り出してパンジーとに詰め寄ってきた。
答えをせがむ生徒にパンジーとは顔を見合わせるとクスリと笑った。









私の好きな人は・・・・ハリーにロン、ハーマイオニー!!ジニー、ネビルでしょ。
それにシェーマス、ディーン。パンジー、ドラコ!クラッブにゴイル、ミリセント
シリウスとルーピン。そしてそしてダンブルドア校長先生に、マクゴナガル先生、
マダムポンフリーにマダムフーチ・・・・・


そして何よりもスネイプ教授!!


皆大好きだよ!?
私にも恋をする日がやってくるのかしら?そんな日が訪れたら・・・私もまた人間に近づける。
そんが気がするの!!
今はただ、大好きな人達とこれからもずっと過ごして生きたい。































うん。黒犬さんと狼さん登場デス。そして書きたかった女の子たちの井戸端会議?
今思った・・・この連載書こうと思えばいくらでも話が書けることに;
自分が終わりを定めなきゃ続きまくるぞこれ!えと、書きたいものは3話分あるので
それは書かなくちゃ気が済まないので!!目標だった10話で終わるか;(しっかりせいよ)
映画アズカバンのパンジーがめちゃくちゃかわいくて、もう書きまくりです(笑)
パンジーかわいい!!