+子猫な子猫+
「くっはー!いい天気だなーおい!」
思いっきり伸びをしてはニッコリと空に微笑んだ。
・
ホグワーツ魔術学校の生徒。
所属寮はグリフィンドール。
今日は日曜日で学校はお休み、久々に羽を伸ばそうとホグズミードまで散歩に来た。
ポケポケと歩いて村はずれまで来たところ・・・・・
「む、あれはホグワーツきっての陰険教師、スネイプじゃん」
前方には黒い塊−スネイプ教授がなにやらしゃがんで地面を見ている
何やってんだろ?目を凝らしてみていると・・・
「!!!」
は全速力でスネイプのところへと走っていった。
「先生!なにやってんですか!!!」
の声に気づき、顔を上げたスネイプは眉間に皺を寄せ、
いかにも不機嫌そうな顔をする。
「ミス・か・・・相変わらず騒がしいな・・・見てわからんか」
「先生が思いっきり動物虐待してるようにしか見えませんが?」
そう肩で息をするの言葉にスネイプは一層眉間の皺を濃くした。
スネイプの手には怪我だらけの子猫がぐったりと収まっている。
かすかに息をしているようだが早く手当てしなければ手遅れになってしまうだろう・・・
はそう焦りながらスネイプの手の中にある子猫に視線を送る。
そんなの心情を察したのか、わからないのか・・・スネイプはサッと立ち上がり、
の横を通り過ぎていった。
「ちょ・・・先生!!」
「五月蝿い。早く治療せねば手遅れになるだろうがっ」
「・・・・・・・先生?」
驚いて立ちすくむにスネイプが振り返って怒鳴った。
「何をしている。さっさと来んか!手伝いが必要だっ」
「え・・あっ・・・・・はい!」
「ふー・・もう大丈夫だよ!ネーコvv」
そう、毛布にくるまれた子猫の喉もとを軽くかく。
子猫は弱々しいながらも嬉しそうにミューと鳴いた。
はにっこりと微笑んで視線を子猫から天井へと移す。
「にしても・・初めて来たな〜陰険教師!セブルス・スネイプの部屋!」
ここはスネイプの自室。ぐるりと見渡すこの部屋は何もない殺伐とした感じだ。
「あいつのことだからあやっしーホルマリンとか、如何わしい本が山積み、ぎっしり盛り沢山!だと思ってたのに〜」
「グリフィンドール3点減点」
「うおう!」
背後で低い冷たい声がし、慌てて振り向くとスネイプが不機嫌そうに隣の部屋から出てきたところだった。
「え・・とー今のばっちり・・・聞いてました?;」
「悪かったな。山積み、ぎっしり盛りだくさんでなくてな」
「・・・うぐ・・・・」
冷たい視線で見下ろしてくるスネイプには言葉を失くした。
スネイプは子猫の耳を軽くかき、様子をみている。
もスネイプの隣に立ち、子猫の顔を覗きこんだ。
「よかったです!手遅れにならなくてv」
「・・・・・・・あぁ・・・・・」
子猫の怪我はあまりにも酷く、もう少し遅かったら助からなかったかもしれなかった。
スネイプの薬の調合の手際のよさと、の介抱で一命を取り留めたのである。
毛布にくるまれている子猫は耳をかくスネイプに嬉しそうに目を細め、スネイプの指に頭をこすりつけた。
少し微笑んでいる(ように見える。笑顔みたことないから)スネイプの顔を覗きこむ。
そんなに照れたようにスネイプはバッと背を向け、ソファになだれ込む。
はニタリと笑い、スネイプの向かい側のソファへと勢い良く座った。
「へっへー!見たぞ!セブルス・スネイプの隠された微笑み!!」
テーブルを挟んで身を乗り出し、ニコニコとにやつくにスネイプは眉間の皺を深くする。
「やかましい。5点減点」
「む!・・・・いいのかなー?そんな理不尽な減点して!バラしますよ!先生が動物虐待したこと!」
「な・・・あれは我輩では・・・・・」
「わかってますって!先生じゃないってこと!」
そう、ニッコリとスネイプの言葉を遮り、子猫の顔を覗きこむ。
「先生は陰険で怖い目してるけど、子猫の見る目はとても優しいもん!」
そう、サラッというの姿に一瞬目を見開くスネイプ。
のあどけないその横顔に顔が少し火照ってくる感じがする・・・・
「ふん・・陰険は余計だ」
「へっへー」
それから一週間が過ぎた頃、
子猫の怪我はだいぶ良くなり、スネイプの部屋をのそのそと歩き回れるほどに回復した。
レポートの採点をするスネイプの膝の上に子猫が丸くなり、軽い寝息をたてる・・・
そんな状況に慣れた就寝前の夜のこと−
コンコンコン
誰かがスネイプに部屋のドアをノックした。
こんな時間に一体誰だろうか・・・・スネイプは自分の・・静かな時間を邪魔され、
あからさまに不機嫌そうな顔でドアを開けた。
(生徒だったら減点してやる)
ドアの外にいたのは減点対象に選ばれた生徒だった・・・・・が・・・・
「ミス・・・・・・・・・!!その怪我はどうした!!」
そこには顔や腕に殴られたような怪我を負ったが立っていた。