「っっつ!!ミス・!!」
「あっつ・・・・」
「恋人補完計画v」
魔法学薬の授業、この教科担当であるスネイプはボーッしている生徒の名を呼んだ。
呼ばれた生徒は、今自分の身に起こったことが理解できずに立ちすくんでいて。
赤と黄色のネクタイをキュッと締め、小さい体に少し大きめのローブ。
小さい体からはすごい勢いで蒸気が昇っていた・・・・
そうだ・・・たしか・・・隣で実験していたネビルの大鍋が爆発して・・・・
スネイプは急いで駆け寄り、を抱き上げた。
「今日の授業はこれまでだ!片付けを!!」
を抱きかかえたまま教室から飛び出て行った。
医務室へ行くだろうと思っていただが、スネイプは自室へと足を向けた。
バンと乱暴に自室のドアを開けそっとソファにをおろすと、隣の部屋に駆け込んで行く。
瓶を取り出すと音が忙しく聞える。
ここには、何度も来たことがる、愛しい恋人の部屋・・・
ここに来るとどんなに辛いことも忘れさせてくれる・・・だけど・・・
「先生・・・熱い・・・熱いよお・・・・」
自分の体から、絶え間なく蒸気が出てくる。
いったい自分に何が起きているのだろうか・・・ただ体中に蒸気音が伝わり
焼けるように熱いことしかわからない。
「先生ぃ・・・」
「っつ!大丈夫か!?・・・・・・・!・・・・・・・・」
隣の部屋から、ゴブレッドを手に慌てて出てきたスネイプがを見て固まってしまった。
目を見開いて、普段から悪い顔色をさらに悪くさせて・・
「・・・・・か?」
「な・・・に・・・言っているの?先生・・・・・・・・・あれ・・・?もう熱くない・・・・・」
は目をぱちくりさせながら、体を起こした。
先ほどまでとても体中熱かったのに、もうなんともない。
は立ち上がって、スネイプに向き直ってにっこりと笑った。
「へへ・・もう大丈夫みたいv先生!!授業に戻りますねv」
そう、踵を返してドアノブに手をかけようとした瞬間、
「ま・・・待て!!」
「え?・・きゃっ!」
スネイプがの肩を掴んで、自分へと引き寄せた。
スネイプの顔が間近に迫り、は一気に顔を赤くする。
って・・あれ?変だな・・先生の顔が目の前???
スネイプはの顔を探るように見つめていた。
恥ずかしくなって、思わず目を泳がす。
「な・・なんですか・・先生・・・」
そう、ちょっとスネイプを睨みつけると、スネイプは「はぁ」深い溜息をついて
顔を片手で覆ってしまった。そんな様子に首を傾げる。
「先生?」
「・・・・・・・洗面室に行って鏡を見たまえ」
「・・え?・・・鏡?まっまさか!変な物でもできちゃったの!?」
は真っ青になりながら、洗面室に駆けこんだ。
そして鏡の中を覗き込むと・・・・・・・
「先生!!!鏡の中に知らない女性が入ってます!!!」
鏡の中には、見たこともない女性が立っていたのだ。
鏡越しにスネイプが映り、振り返る。
「先生!何気に浮気?」
「するか、たわけが。もう一度よく見てみたまえ。」
呆れながら溜息をこぼすスネイプに従い、再び鏡を覗きこむ。
やはりそこには、見たことのない女性が写っていた。
スネイプがを後ろから抱き寄せ、そっとの手をとっての頬に乗せた。
「これは誰の頬かね?」
「え?私ですよ・・・」
「そうだ。では鏡の中の人物は何をしている?」
「自分の頬に手をあててますねぇ・・・・・・・・・・ぇえええっ!!!」
今度はが固まってしまった。
鏡に映っている女性は、自分と同じようにスネイプの手を添えられて自分の頬に手をついている。
それは・・・・・・
「うっわー。私いきなり成長しちゃったの〜!?ひょっとしてラッキー?」
「なわけがあるか。阿呆」
スネイプはの頭を軽くはたくと、の手をとってソファの所へ戻った。
を座るように促し、その隣にスネイプも腰をおろす。
は20歳くらいの女性に急速に成長していたのだ。
よくよく見れば自分の体がいつもと違う・・・
「そういえば・・なんか制服きついな〜・・なんて・・・あ・・胸・・胸があるよ!先生!!」
「しっしまえ!/////」
ブラウスがキュウキュウ締め付けるように感じて、第二ボタンまではずすと
そこには豊かな胸が谷間を作っていた。感動して見せようとするに
顔を赤くしながら、マントを脱いでバサッと乱暴に掛けるスネイプ。
は口を尖らせながら、渋々とスネイプのマントを掛け直した。
授業で作っていた薬を見て、元の姿に戻す薬は作れるとスネイプは言った。
ただ、完成させるのに二日かかるという。
「まあ・・・元に戻れるのだったら一安心ね」
翌日、大広間からの帰り道ハーマイオニーがをまじまじと見つめながら呟いた。
今日は土曜日で明日まで授業はお休み、体が大きくなっただけと笑うだが、
正直授業は休みでホッとしていた。
「ハーマイオニー・・何・・・・ジロジロと・・・」
いつもはがハーマイオニーを見上げているのに、20歳くらいに成長した今、がハーマイオニーを見下ろしていた。
なんだか不思議な感覚だ。ハーマイオニーは嬉しそうにニヤつきながらを見あげている。
「いやね・・・・20歳ほどにになったを見て、スネイプの反応はどうだったのかなーってv」
「え?先生の?・・なんで?」
「もう!外見は大人になってもてんで鈍感、子供ね!いつもはてんで子供なが、
いきなり美人な大人になったのよ!!スネイプだっていくら薬のせいだからといって
動揺しないわけがないわ!!」
「なんか・・すっごい腹が立つのは気のせいかな?」
はにっこりと笑いながらハーマイオニーを見つめた。
ふと、思い出したように首を傾げながら考え事をする。
「スネイプ先生の・・反応・・・・」
「そうよv何かなかったの?」
「急激にでかくなった胸を見せようとしたら、怒られた・・・・・」
「あんたね・・・」
ハーマイオニーはハアと深い溜息をついて、から視線をはずした。
薬の副作用で大人、しかもかなり良い感じの女性になったにも関わらず、
の言動、行動はまるっきり子供のまま。これじゃあ、スネイプだって動揺しない。
額に手をおきながらちらりとを見れば、は小さい欠伸をしていた。
ピン
(そうだわv)
ハーマイオニーは何か思いついたようにニッコリと微笑むと、
の手を引いて駆け出した。
「うわっ!ちょっと!!ハーマイオニー何?!」
欠伸が終わらぬうちに手を引っ張られたので、のはすっとんきょな声をあげたが、
ハーマイオニーはの手を引っ張ったまま振り返ろうともしない。
やがて、がつれてこられたところは、見覚えのある扉の前だった。
「って・・・なんでスネイプ先生の部屋?」
「いいからv」
そういってハーマイオニーは扉をノックする。
「入れ」と低い声が響いてハーマイオニーはの手を引いて部屋の中へと入っていった。
机に向かってレポート採点をしていたスネイプは、チラリとハーマイオニーを見ると
かなり不機嫌そうな表情になったが、その隣にいるの姿をみてほんの少し表情を和らげた。
「なんだ」
そう素っ気なく口を開くスネイプにハーマイオニーがニッコリと微笑んだ。
「あのですねvなんですけど・・・」
「彼女を元に戻す薬は月曜の朝できる、前にも言ったであろう」
「いえ、その話ではないのです。」
突き放すかのような言い方にも関わらず、ハーマイオニーは表情を崩すことなく首を振った。
スネイプは疑うようにハーマイオニーをみやるとカタリと羽ペンを置く。
「では、他に何か問題でも?」
スネイプは以外のグリフィンドール生と会話する時はいつもこうだ。
とても刺々しい口調で相手を睨みつける。だが、ハーマイオニーは物怖じせず真っ直ぐにスネイプを見据えた。
「えぇ、大有りですわ!!先生が早く薬を作ってくださらないからすごい困っているんです!!」
「え・・?いや・・ハーマイオニー私はべつに・・・・あうっ」
目をぱちくりさせ口を開くの腹部に、ハーマイオニーは軽い肘鉄をお見舞いする。
「・・・・・何かあったのか?」
「が困っている」その言葉にスネイプは眉間に皺を寄せた。かわいい恋人に何あったのだろうか。
そう不安そうにを見つめるスネイプを、一瞬含み笑いをしてハーマイオニーは盛大に溜息をついた。
「えぇ、それはそれは凄いですわよ?突然セクシーな女性になったから、男子生徒の視線が
物凄いのって!!スリザリンのミスターマルフォイなんかもう顔から火を吹きそうな勢いですし、
ルーピン先生なんかもう獣が獲物を見つけたような目つきで・・・・・」
「なんだと!!」
にやり。
ルーピンという言葉にスネイプの表情ががらりと変わり、ハーマイオニーは心の中でほくそ笑んだ。
「ルーピンに何かされたのか!?」
滅多に見せない慌てた表情のスネイプに、は目をぱちくりさせていたが
ガシッと肩を掴まれ顔を覗き込まれて顔が一気に紅潮する。
だが、が顔を赤くしたのを何かされたという意味ととらえたスネイプは
怒りの表情をあらわにした。
「おのれ・・・・ルーピン・・・・・」
ニタリ。
フルフルと拳を震わせる姿にハーマイオニーはさらに黒い笑みを浮かべた。
(もう一声だわ!!)
「もう!!大変なんですから!!先生!!何とかしてくださいな!!!」
まるで自分のことのように憤慨するハーマイオニーにスネイプも「うむ」と真剣に頷く。
実際、大人の姿になったに全員といっても過言ではないほど男共の視線が集中していた。
スネイプと付き合っているというのはホグワーツにいる全ての人が知っているのに、
普段からでもの人気は高い。
そんな彼女が薬のせいとはいえ、綺麗な女性になってしまったのだから視線が集中するのも仕方ない。
だが、そんな視線が集中しようが、「綺麗だね」誉められようがはただただのほほんと過ごすだけだったのだ。
これじゃあ、強引にどこかに連れ込まれたりしたら!!!(え)
ルーピンの話を持ち出しのもあながち、嘘ではなかった。いつもは温厚そうな瞳をランランと光らせて
今にも襲いそうな勢いで、に寄ってくるのだ。もちろんと気づいていないのは当の本人だけで・・
何よりも大切な友だちなにかあったら大変だ!!!それと
おもしろうそうだから
ということでハーマイオニーはを連れてスネイプの部屋に訪れた。
でもきっと「おもしろいから」という感情が半分以上・・・・・
スネイプは腕を組みながら何か思案しているようだった。
そしておもむろに顔を上げると、の顔を覗き込む。
「今日明日は授業がないな?」
「うんv・・・・・・・?」
聞いてくるスネイプの目が一瞬光ったような気がして、は首を傾げた。
「それでは明日までここにいなさい。さすれば余計な虫がつくことはない。」
その言葉にポケーとするに「やった!」というように微笑むハーマイオニー
「まあvそれででしたら安全ですわねvvそれじゃのこと頼みましたよvv」
そしてハーマイオニーはの肩をポンポンと叩いて
「ふふふv存分に楽しみなさいナvv」
と耳元に小さく囁いて、踵を返していった。
「えっ?え?」と?マークを飛ばすに、ばっちり聞えていたスネイプはニヤリと口端をあげた。
「ふん、グレンジャーめ。味なまねをしてくれる」
「え・・・何・・何?」
外見は大人になっても中身はまるっきり子供な恋人に、溜息をつくと
の背中に手をあて部屋に入るように促した
だが、その表情は意味ありげな笑みを浮かべていた・・・
「・・・・・・・・・・別に戻らんでもいいのでは?」
「え・・・・やだあ〜!」
「・・・・・・・・・ちっ・・つまらん」
そう、困った顔をするに小さく舌打ちしながら、スネイプはほんの少しだけ見下ろす
恋人を優しく抱き寄せた。
「みゅ〜vvvv・・・・・・・・・うぅ・・・・むっ胸がきつい・・・・・」
抱きしめられるのはとても嬉しいのだけど、いつもはなかった胸が突然出来たことにより息苦しさを感じる。
スネイプは「こいつにはムードいうものがないのかと」心の中で溜息をつきながら、小さく笑った。
「誘っているのか」
「え?違うよ・・・・・って!!ちょっとお!!!何!!何!!!」
「ふう・・・が自然に大きくなるのが楽しみだな」
「うんv・・・・・て・・・・あの・・・・・ちょっと!!!まっ!!!こらぁっ」
この二日間、超ご機嫌なスネイプと顔を真っ赤にさせた・・その理由を知っているのは本人達と
それを仕掛けたハーマイオニーだけv
7777番ゲッター・アヤネ様に捧げる教授夢。
薬のせいで大人になったヒロインに・・という設定でしたが・・・
あまり2人の絡みないし!!うぅ・・なんか消化しきれてないドリームになってしまいましたよう・・・
そしてUPが大変遅くなって申し訳ありませんでした!!!
このドリームはアヤネ様のみお持ち帰りできます。