松様へのキリリク
ボン!
「無意識」
魔法薬学の実習授業−
モクモクと薄紫の煙が上がる大鍋をは呆然と見つめていた。
フレッドとジョージが心配そうにの肩をポンポン叩く
「「落ち込むなよ、。いつものことじゃないか」」
「・・・2人とも・・・それ・・励ましてないよ・・」
はシュンと俯き大鍋を片付け始めた。
「何度失敗したら成功するのよ・・・・」
「全くだ」
はギクッと肩を強張らせ振り返ると、腕を組み眉間に皺を寄せた教科担任のスネイプが呆れた顔をして立っていた。
フレッドとジョージはスネイプを睨みつける。そんな2人に「邪魔だどけ」と言わんばかりな睨みを投げつけ、
2人を自分の作業へと戻した。再びに視線を下ろし、意地の悪い笑みを浮かべる・・・
あぁ・・・来る・・・
「グリフィンドールから5点減点だ。君は一体いつになったら薬を完成させられるのかね?」
ほらね・・・
スネイプの後ろの方でスリザリン生がクスクス笑っている。
はスネイプから作業台へと向きをかえ、後片付けを始めた。
悔しい・・・
は魔法薬学がとても苦手だった。どうも調合というものに慣れない。
成功した薬は五本の指で数えるだけ・・・・
失敗してはスネイプに嫌味を言われ減点されていた。
決して、わざと失敗しているわけではない。
また・・・減点だなんて・・・
悔しくてこぼれそうになる涙を必死にこらえながら、片づけをするを
スネイプは他のグループの作業台から見ていた。
授業が終わり、昼食を終えたは、クィディッチの練習を見に来ないかというフレッドとジョージの誘いを断り、
一人裏庭を散歩していた。裏庭の奥まった所に他の木より一際大きいどんぐりの木が植わっている。
この場所は滅多に他の生徒は訪れず、のお気に入りの場所だった。
木の根元にちょこんと座り、しばらく目を閉じる。
ぽかぽかとあたたかい日差しに時折、流れてくる心地良い風・・
しばらくして、ゆっくりと目を開き、持ってきた本を開いた。
それは「魔法薬学」の本。
がもっとも苦手とする教科の本・・・そして・・・・
想いを寄せるスネイプの担当する教科の本・・・
はスネイプのことが好きだった。
入学した次の日に校内で迷子になりグリフィンドール寮まで戻れなかった時、たまたまスネイプが通りかかり
嫌味を言われながらも寮まで連れてきてもらったのだ。
今思えば・・たったそれだけのことである。たったそれだけなのに、授業で、大広間で、廊下で・・・知らず知らずスネイプを
目で追うようになっていた。
ところが、は魔法薬学が大の苦手。いつも「今日こそは!」と意気込みが失敗を繰り返してばかりで、
スネイプに呆れられ、減点される始末・・・。3年生のネビル・ロングボトムほどではないが・・・が失敗するたびに
ことごとく減点されてきた。
そして今日も・・・・・
「こんな生徒・・・スネイプ先生好きになってくれないよね・・・・」
それでも・・少しでも克服したくて授業以外でも魔法薬学の勉強をしている・・
それなのに・・なかなか成功しない・・はだんだん悲しくなってきて涙が止まらなくなってきた・・・
「・・・さて・・・・どうしたものか」
スネイプは眉間に皺を寄せ額に手を置いた。
薬草を採りに出て来て、裏庭を通ったのだが・・そこでを見つけた。
何をしているのか問いただしてやろうと近付いてみれば、は本を広げたまま木の幹にもたれ眠っていた。
のことはもちろんスネイプは知っていた。授業で毎回のように失敗する生徒。
それだけである。・・・・いつも失敗をして授業の進行を妨げる生徒としか思っていなかったのだが、
「・・・・魔法薬学の本・・・か?」
を起こさぬように本を取り上げ読み、スネイプはハッとした。
その本にはいくつもの赤いインクで書き足しが施されていた。よく読んでみるとそれはスネイプが授業でアドバイスを
したもので・・・ところどころにアンダーラインが引かれている。
また彼女自身の言葉も書かれていて、スネイプはしばらくその本を見入っていた。
「やる気はあるのだな・・・」
そう呟きの顔を覗きこむ。小さく寝息をたてる姿はとてもかわいらしく、思わず微笑んでしまう。
そっと本を戻し、踵を返そうとした時・・
キュウ
しゃがんだ時にローブの裾がの膝にかかり、がその裾を握り締めたのだ。
軽く引っ張るがなかなか離れない。
間を置いて何度も引っ張るが結果は同じで・・スネイプは深く溜息をつきローブをの手から離すのを諦め、
の横へ座った。いまだかわいい寝息をたてる・・まだ起きそうにない・・・
「・・・さて・・・・どうしたものか・・・・」
スネイプは眉間に皺を寄せ額に手を置いた。
[そういえば]とスネイプはの顔をチラッと見た。
たしかに・・・ミス・は魔法薬学の成績はよくない・・だがそれは調合のみだ・・・
レポートや筆記試験に関しては学年トップに入るくらい良い・・・・
普段気に留めなかった分、彼女がどれだけ頑張っているのか・・
スネイプはフッと口元を緩め、の頭をそっと撫でてみた。
スネイプと同じ髪の色・・・だけど彼女の肩まで伸びた髪は真っ直ぐで、
心地よい風に軽く揺れている。はホグワーツでは珍しく、日本からきた魔女だった。
他の生徒からは「東洋の巫女」と呼ばれ、人気もかなり高い。
スネイプ自身もの人気の高さに頷いていた。その可愛らしい容貌だけではなく、
仕草の一つ一つ。大広間などで時々見かける笑顔。
特別意識していたわけではないが、改めて彼女について覚えていることを
脳裏の片隅から引き出してみると、スネイプ自身も驚くほど彼女を目にしていることがわかる。
授業・・とくに実習では失敗ばかり目立つが・・・・・・
「・・んー・・・」
が声をあげた。起きるか?と思えばはまだ目を開こうとしない。
それどころかスネイプにもたれかかり、かわいい寝息をたてている。
スネイプはついに諦め、ローブを脱ぎにかけてやった。
「・・・昼休みの間だけだ。ミス・」
そしてが持っていた本を取り上げ、読み始めた。
「うーん・・・・・・あれ?」
やがて目を覚ますと、は自分にかかっているローブに気づいた。
(一体誰のだろう?・・・・)
半分寝ぼけまなこで考えていると、頭の上の方から声がした。
「やれやれ、ようやくお目覚めかね・・ミス・」
聞き覚えのある声にバッと見上げると、スネイプがの隣に腰をおろしていた。
「スッ・・スネイプ先生っ!?////」
バッとたち上がりわたわたと顔を赤くするに、笑い混じりの溜息をつきスネイプも立ち上がった。
「ああああのっ・・・私何か失礼なこと・・///そっそれにこれ・・先生のローブ・・」
顔を真っ赤にさせ俯きながらローブを差し出すに、スネイプはちょっとからかってやりたい気分になった。
「我輩のローブを掴み、離さなかったな・・・・」
ローブを受け取りながら思い出したように言うと、は顔を真っ赤にさせたまま固まってしまった。
「・・・・すっすいませんでしたぁっ!!/////」
必死に頭を下げる姿があまりにもかわいくて、スネイプは思わず苦笑いをする。
「まあ、いい。ところでミス・。」
「はっはい!」
パタンと本を閉じ、に渡しながらスネイプは言った。
「調合に関して・・・上達したいと思うのなら毎週水曜の放課後、我輩の研究室へ来るがいい。」
不思議そうな表情のにスネイプは溜息をついた。
「分からないか?調合の指導をしてやると言っているのだが?」
の顔がパアッと明るくなった。
「いっいいんですか!?」
「ああ」
スネイプは少し笑っての喜ぶ姿に目を細めた。
「ありがとうございます!!先生!水曜・・明日ですね!!!
必ず行きます!!!それでは失礼します!!」
ペコリと頭を下げ、は城へと走っていった。
「やれやれ・・まいったな・・・」
走っていくの後姿を眺めながら、スネイプはローブを羽織った。
「まさか・・・生徒に・・しかもグリフィンドールに好かれるとはな」
は気づいていなかった。
寝言で言ったことを・・・・。
「起きてからあの様子では・・嘘ではなさそうだな・・・」
スネイプは少し頬を赤くし、城へと向かった。
「さて、明日から楽しみができたかもしれんな・・・」
スネイプは穏やかに笑った。
ちょっと前・・・・
「・・・スネイプ先生・・・」
名前を呼ばれ、本からへと視線をうつすがはいまだ寝ている。
「寝言か・・・・」
「大好き・・・・」
「!?///」
「とりあえず・・・その言葉受け取っておこう・・よ」
2人が寄り添うのはそれからもう少したってのこと・・・・
1600番ゲッター!松様へのドリーム!!!
魔法薬学が苦手で片想いな教授夢ということで!!
こんなんなっちゃいました(汗)
これでも松様想像して書いたのですが・・どうですかね・・・違いますよね(滅)
そしてそして!こんなに穏やかな教授・・・サイト初かも・・・(笑)
こんな内容になってしまいましたが、松様!リクエストありがとうございました!!
このドリームは松様のもお持ち帰りできます。