愛妻家教師














「スネイプって結婚してたの知ってたか??!!!」

「おいおい!冗談だろう!!あんなに可愛い人があの陰険の奥さん!!!」


「「信じられん!!!」」



「・・・グリフィンドール10点減点(怒)」






















「愛妻家教師」






















ことの始まりはそう・・一人の可愛らしい女性がホグワーツに訪れたことから始まったのだ。
東洋の顔立ちに長い髪、くるっとした二重の瞳・・・
そんな女性が一日中ホグワーツを歩き回っていて、全校生徒の視線を釘付けにした。

その女性の名は



そして




ホグワーツ1!陰険な魔法薬学教師―セブルス・スネイプの・・・










奥さんである。

























朝食へと向かう廊下で、フレッドとジョージは背後から突き刺さる冷たい声に固まった。
ギギギと顔だけ振り返ると、そこにはさも不機嫌そうな・・・だが意地の悪い笑みをたたえたスネイプがそこにはいた。
そしてその隣には、スネイプの腕に抱きついている可愛い


かわいいのに・・とてもかわいいのに・・なんで・・そんなのに・・抱きついているんだ・・・


陰険な教師に可愛い女性・・まさに美女と野獣だとフレッドとジョージは心の中で相槌を打った。






「「おはようございます!さん!!」」

「おはようv」


フレッドとジョージがバッとの前に立ち、爽やかな笑顔で挨拶をした。
もニッコリと微笑み挨拶をする。
隣で不機嫌そうに睨みつけてくるスネイプを完璧無視し、二人はに話しかける。


さん!今日僕達と一緒にクイディッチ競技場へ行こうよ!!」

「今日は練習の日なんだv」

「まぁっ本当?ぜひ行かせてもらうわね」

「・・・・・・・おい・・・」

「あぁ!それと!!あとでグリフィンドールの談話室にも案内するよ!!」

さんはグリフィンドールだったのでしょう!?なつかしい寮を!!」

「!!本当に!!わぁっ嬉しいわvv」


「おい!!」


「「ぉお!いたのですか!スネイプ教授!!」」

フレッドとジョージは今やっとスネイプの存在に気づいたように大げさに驚いてみせた。
一瞬スネイプの顔がひどく歪んだが、すぐに彼特有の笑みを浮かべる。


「残念だが・・・」

意地の悪い笑みを浮かべながら、そっとを自分に引き寄せ2人を見据えた。


は今日一日、我輩と行動することになっておる。残念だったなウィーズリー's」

固まる双子に勝ち誇った目をすると、を引き寄せたままサッと2人の横を通り過ぎた。


























「も〜セブルス・・私も寮の中見たかったのにぃ・・・」


大広間の教員席。
セブルスの隣では少し頬を膨らませながら、スープを口に運ぶ。
大広間にいた生徒達はまだ興味津々といった表情でをチラチラと見つめていた。
セブルスは小さく溜息をもらすと、の口端についたスープをそっと指で拭き取った。
一瞬ざわめく大広間。

「なら、マクゴナガルに案内してもらいなさい。あの双子はダメだ。に何するかわかったもんじゃない」

「むぅ?そうかなぁ?いい子達そうだったのに・・・」

そう首を傾げるに苦々しく笑い、フォークにスクランブルエッグをよそいの口へと運ぶ。
は嬉しそうに微笑み、そっとセブルスの手に自分の手をそえてスクランブルエッグを口に運んだ。
さらにざわつく大広間。

「あの2人は特に気をつけろ、。見かけに騙されてはだめだ」

「あふ・・みゅ〜セブルスに食べさせてもらえるの久しぶり〜おいしいよぉvv」

「そうか?では・・・・」


そう頬をほんのり赤く染め目を細めるに優しく微笑み、セブルスはベーコンをの口に運んだ。
嬉しそうに口にする。大広間の生徒は固まり始めている。



「うんvおいしい!!」

。我輩には?」


そうイタズラっぽい笑みでの顔を覗きこむと、ポッと赤くなりながらサラダビーンズをセブルスの口へと運んだ。
ふっと笑ってセブルスはサラダビーンズを口にする。



「うまいな」

「ねv」











「お二人さーんv」



スネイプから少し離れた隣でルーピンがニコニコと頬杖をしながらこちらを見ていた。
不思議そうな表情をするに、「邪魔しおって!」と不機嫌ビームをかますセブルス。





「いやね、仲がいいのは微笑ましいよ。だけどさぁ・・・場所はわきまえてほしいなぁ・・・ほら」


とルーピンはニッコリと微笑みながら前を見つめた。
とセブルスも、ルーピンにつられて前を向くと・・・・・




そこには


























白い化石と化した生徒の群像があった

























「君達、ホグワーツに化石博物館をこしらえる気かい?」




そうニッコリと2人に微笑むルーピン。
とセブルスは顔を見合わせ、顔を赤く染めて笑った。



















2人のスキンシップは生徒に多大なるショックを与えるらしい・・・・
いつも不機嫌そうに闊歩し、嫌味満載で減点をする教師が、可愛らしい女性に微笑むのも驚きなのに!
互いの口に食べ物を運び食べさせるのだから・・・・驚くなという方無理であろう。

だけど、2人のスキンシップは当たり前のことで・・・・・














「セブルス?あら!やっぱり!!」

「?どうした?」



昼食後の昼休み、2人で廊下を歩いていると、はセブルスのマントを持ち上げて声を上げた。
マントの裾を軽く持ち上げ、セブルスにみせる。



「ほら、裾がほころびてる・・・いつも引きずっているからよ・・・」


そうちょっと困ったように頬を膨らまして、は杖で裁縫道具を取り出した。
セブルスは眉間に皺を寄せ


「そんなの・・最初から魔法でやればよかろうが・・」


そういって、自分の杖を取り出すががそれを優しく制止する。
首を傾げるセブルスにそっと微笑み、


「へへ・・・魔法じゃ簡単だけど・・たまには奥さんの愛情篭ったお裁縫もいいでしょ?」


そして手際よく裾を直す
セブルスは一瞬驚きに目を見開いたが、すぐフッと優しく笑っての額に小さく口付けを落とした。











2人は気づかない・・・廊下にたくさんの生徒がいて、皆2人のラブラブっぷりにあんぐり口を開いていたなど。











「こんなところでいちゃつくなー!」








まったくである。






















は授業以外、ずっとセブルスと一緒にいた。
セブルス自身もそうしていたし、おそらくよけいな虫がつかないようにしたいのであろう。
だけど、彼が授業を行う時ははフラフラと校内を散歩している。
セブルスは落ち着かなかった。


「もし、我輩が目を離している隙にに何かあったら!!」


そう思うといてもたってもいられない。
それでも、的確に授業をこなしていく・・・・



やがて今日一日の終業のベルが鳴った。
イラつきながら生徒を追い出しにかかり、サッと廊下に出る。
1時限目から今まで、授業が終わればは廊下で待っていた。
だが、全ての授業が終わった今・・そこにの姿がなかった。
セブルスは一気に青ざめた。




がいない!!




昨日、今日での行動を把握するのはどうかと思うが、
仮にも1時限目からずっと授業が終わると廊下にいたのだから、驚くのも頷けるであろう。
セブルスは急ぎ足で大広間へ向かった。
まだ大広間の扉は開いてなく、数人の生徒が扉が開くのを待っているだけで・・
セブルスは踵を返し、校庭・各教室・図書室・医務室とを探し回った。











「ねぇ・・スネイプの奴何慌てているんだろうね」


大広間へ向かう廊下で、ハリーは急ぎ足で庭越しの廊下を歩いているスネイプを眺めていた。


「さあ?」


ロンも首を伸ばしてスネイプを眺める。


「でも珍しいよな。スネイプが慌てているなんて」

「だよね」


「もしかして」


ハーマイオニーがにっこりと微笑みながら、人差し指を唇にあてて考え込んでいた。
ハリーとロンはハーマイオニーに振り向き顔を覗きこんだ。


「もしかしてなんだい?」


さんと喧嘩したとかv」


そう嬉しそうに微笑むハーマイオニー。ハリーとロンは一瞬驚きに目を見開いたが
顔を見合わせニヤリと笑った。



「ほほう!スネイプの奴奥さんに愛想つかれたとか!!」

「だよな〜!あんな陰険な奴の奥さんは疲れるよな〜!!」

「ふふっさんも気づいたんじゃない?世界にはもっといい人がいるって!!」


三人は声を出して笑った。


君たちひどすぎです。


そんなことを言われているとも知らない・・(いや・・おそらく耳にも入らなかったであろう)
セブルスはいよいよ本格的に焦り始めていた。
ホグワーツは必要以上に広い。自分でさえ未知のところがある。
部屋によっては罠などが仕掛けてあるし、ヘタをすれば命だって落としかねない。
に何かあったのではないか・・

心辺りのあるところは全て探した。
だが、はどこにもいなかった・・・

呆然と廊下に立ちすくむセブルス・・・


が今、道に迷って泣いているかと思うとぞっとする。




セブルスは眩暈を感じながら、一旦自室へと踵を返した。











































「・・・・・・・・・・・・・・・・くぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・っふ・・・・ここにいたのか」








セブルスは自分の部屋について、今までの焦りが嘘のように消えうせた。
目の前にはソファに横になり、小さく寝息をたているの姿があった。
そっとの前にかがみ、顔にかかった髪を優しく払ってやる。
ん〜とが声をあげ、うっすらと茶色の瞳開けた。




「みゅぅ・・?・・・あ・・・セブルス・・・・おかえりぃ〜・・・・・・・」





はセブルスの姿を見つけると、ニッコリと微笑んだ。
その笑顔に深い溜息を吐き、はにかみながら微笑む。


「まったく・・・どれだけ探したと・・・」

「みゅう?・・・・なあに?」


まだ寝ぼけ眼に声を出すがあまりにも愛しくて、そっと抱きしめた。
はっきりしない意識のままもそっとセブルスの背中に腕を回す。


「まあいい。さて夕食の時間だ行こうか」

「うんv」







































大広間ではハリー達によってスネイプとが喧嘩したという話題で持ちきりになっていて、
皆スネイプの顔をみて笑ってやろうとスネイプが来るのを心待ちにしていた。






だが、



スネイプはと仲良く手をつなぎながら入ってきて、朝食同様仲良く食べさせ合っていたのを
目の当たりにし、大いに悔しがったとか。





「ちっきしょう!スネイプの奴!嬉しそうな顔しやがって!!」





嫉妬の視線がスネイプに集中するが2人はそんなことは知る由もなく。














7200番ゲッター、アヤネ様に捧げる教授夢。
前回の「同名のあの人は」の続編です。
愛妻家というよりも・・いちゃいちゃ夫婦・・・・・(遠い目)
絶対ホグワーツでは垣間見ることもできない教授を書いてみたく・・
こうなってしまいました!!ひー!!
UPが遅れた上に、こんないちゃいちゃモノでもうしわけありません!!


このドリームはアヤネ様のにお持ち帰りできます。