アヤネ様へのキリリク
「今さ!ホグワーツにすっごいかわいい!女の人が来ているんだ!!」
「同名のあの人は」
今日のホグワーツはどこかうわついているようだった。
その原因はふらりと訪れたひとりの女性。
「わぁ・・・懐かしい・・・・この肖像画・・・」
ホグワーツの出身者だろうか?校内を懐かしそうに見渡し、時折立ち止まっては
目をキラキラさせている。
彼女の名前は。
小柄で少し茶色がかった長い髪に琥珀のような澄んだ瞳・・・・
そしてはこのホグワーツ校の出身者である。
今日はとある人物に渡す物があり、
ここへと訪れたのだが、あまりの懐かしさになかなかその人物への元へと
辿り着かない。
(まあ・・今日中に行ければいいかv)
そうぼんやり考えながら。クィディッチ優勝杯が飾られた、ショーケースを覗き込む。
彼女の横を通り過ぎるたびに振り返る生徒達。
皆、興味津々といった表情だ。
「一体誰だろう・・」
「かわいいわ〜・・・」
「何しにきたのかな?」
声を掛けたいのだが、サクヤのあまりの可愛らしさになかなか勇気が出てこない。
ふと、サクヤがある男子生徒に視線を向けた。
にっこりと微笑み、その生徒に歩み寄る。
「ねっあなた、スリザリン生でしょう?蛇の寮章・・うん!」
「え・・・あっはい!」
話しかけられた少年は顔を真っ赤にさせ答えた。
いつもは青白い冷たい子供らしくない表情に赤みがさし、一気に少年ぽさが浮き出る。
照れているのかオールバックのプラチナブロンドの髪を撫で付ける少年。
そんな少年の仕草ににっこりとしながらさは静かに訊ねた。
「ねっ君の寮監の先生ってどんな人?」
「え?スネイプ先生ですか!?」
「うん」と笑顔を保ったまま頷くあやのにさらに顔を真っ赤にさせた少年は
少し息を整えて−
「とても素晴らしい先生です!授業の・・・あ・・魔法薬学の先生でもあるんですが・・
大変細かく、しかもわかりやすく教えてくれます!寮生にも優しいです!!」
そう胸を張って答える(顔はまだ赤いが)少年にあやのはやんわりと微笑む。
「そう・・・慕っているのね・・」
「はい!」
「よかった・・・あなた、お名前は?」
「(よかった?って何だろ・・)僕はドラコ・・ドラコ・マルフォイです!!」
「ドラコ・マルフォイ・・うんv覚えたわ!ありがとうねvドラコ君!」
「あ!あの!!・・・・・貴方の名前は・・・・?/////」
「え?私?・・私は。・スネイプよvv」
そうにっこりと微笑むとあやのは踵を返して来た道を戻っていった。
少し歩いたところでドラコに振り返り、手を振る。
ドラコも呆けながら手を振り返した。
「かわいい・・・・・・・・・・・・・・・・・!!スネイプ?・・・・ぇえっ!!」
「ねっ今来ている女の人ってどんな人だろうね!!」
ハリー・ロン・ハーマイオニーの三人は夕食をとるために大広間へむかう廊下を歩いていた。
ロンがワクワクした表情でハリーに話を振る。ハリーも気になっているようで「んー」と喉を鳴らした。
「とてもかわいらしい人だって、一見生徒と間違えるくらいみたいだよ・・誰かが言ってた・・・」
「お二人さん?望みが叶ったようよ?」
「「あ!」」
ハーマイオニーが目配りで進行方向の先を指した。そこには今まで話題だった女性ーと
マクゴナガル先生が大広間の入り口で楽しそうに話をしている。
何を話しているのだろうと三人はとマクゴナガルの所へ行ってみた。
「「「こんばんは、マクゴナガル先生!」」」
「あらあら、三人とも・・こんばんは」
挨拶をする三人に気づきマクゴナガルはにこやかに笑った。
しかし三人の視線はへと釘付けになっている・・・・
ハーマイオニーがおずおずとにも挨拶した。もニッコリと微笑み
「こんばんは」と返す。マクゴナガル先生は三人の表情を読み取ったのか、
静かに口を開いた。
「彼女は・スネイプ。ここの生徒だったのよ・・今日は用事があってここに。
ミス・?よかったら夕食も食べていきなさいな?その後でも間に合うのでしょう?」
「あ、はい!いただきます!!そうだ!君達と一緒に食べていいかな?私もグリフィンドールだったのvv」
そう三人にウインクしてみせる。
三人は顔を真っ赤にさせたが・・
「「「はい!よろこんで!!」」」
(・・・ちょっとまって・・・スネイプ?)
「スネイプ先生!レポート集めてきました、全員分あります」
「・・ご苦労だったな、ミスター・マルフォイ」
地下牢のスネイプの自室にドラコは今日提出するレポートをスリザリンの生徒分持ってきた。
スネイプは他の寮のレポート採点をしているのか、机にかじりついたまま視線も上げずに口を開く。
なにか苛立ったようにも見え、ドラコは聞きたい言葉を飲み込んだ・・・・でも・・どうしても聞きたい・・
はらはらと躊躇していると・・・・
「ところで、ミスター・マルフォイ?」
スネイプが先に言葉を奏でた。
「はっはい!」
「なにやら学校中・・今日は浮ついているような感じだが・・なにかあったのかね?」
今日は日曜日で授業は全て休み。
スネイプは朝から地下牢に篭ってレポート採点やらいろいろしていたようだ。
部屋中のあちこちに羊皮紙が散らばっているのが何よりの証拠・・・・
ドラコは自分の疑問が気になりながらもスネイプに話す。
「今日・・一人の女の人がホグワーツに来ていたんです。とてもかわいいと皆言ってて・・・・」
「ほお・・それで?君も会ったのかね?」
視線は机に落としたままスネイプはドラコの話に耳を傾ける。
「はい、とても綺麗・・というよりもかわいい人でした。茶色の髪で・・東洋人だと思います」
ピクッとスネイプの動きが止まった。
ドラコは一瞬、自分は何かまずいことを言ったかと思ったが、なにもおかしなことは言っていない・・・。
ゆっくりと顔を上げ、ドラコを見据えるスネイプ。不機嫌・・不機嫌そうなのだがそれよりも
どこか焦っている感じだ・・・・・。
「他には?」
「え・・その・・・腰まである長い髪の人で笑顔がとてもかわいいかったです。あ!あと
スネイプ先生のことをどんな先生か聞かれまし・・た」
スネイプの表情が固まったのを察し、ドラコは言葉を突っ返させる。
何か余計なことを言ったら何をされるかわからない空気だ・・・でも聞きたい・・・・
「そっそそれでですね・・先生っその人・・・スネイプって名乗った・・の・・・で・・すが・・・・先生!!??」
スネイプはドラコの話を最後まで聞かずに血相をかえて自室から飛ぶように出て行った。
「・・・・親戚かと・・・聞こうとしたのに・・・・・」
ドラコは初めて見るスネイプのその姿に呆然とし、その場に立ち尽くした。
「へー!さんってビル兄さんと同期だったんだ〜!」
夕食の席でロンが驚いたように声を上げた。
「そうなの、君の赤毛でもしかして?と思って。ビルから7人兄弟でまだ学校に言っている弟達がいるって
聞いてたしね。・・・・みゅ〜おいしいよ〜このミートパイvv」
ロンの話に答えながらはミートパイに感動する。
の隣に座っていたハーマイオニーが聞いてきた。
「今日はどんな用事でホグワーツに来たんですか?」
「はふ・・まって・・・・・ん!」
とパイを飲み込むと一口オレンジジュースをこくんと飲む。
「ある人に届け物があってねvvハーマイオニー。でもね、その人は私がここに来ているの知らないのvv」
そうクスリとイタズラっぽい笑みを浮かべる、。
そんなの姿に三人は(かわいい・・)と頬を染める・・・・
「あの・・・さっき・・・スネイプって・・・さんはもしかしてスネイプ先生の・・・・・」
おずおずハリーが思い出したように聞いてきた。
はますますニッコリと笑う。
「親戚ですか?」
「え?」
ハリーの言葉にはぱちくりと目を見開いた。
ロンも身を乗り出してきた。
「うん!遠い親戚かなとか・・だってさんすっごいかわいいのに、スネイプの奴は・・あっ先生の方・・
ねっとり髪で陰険で・・・そんな奴にこんなかわいい妹はまずいない!」
そう熱く演説するロンには呆気に取られてしまっている。そんなの姿にハーマイオニーはロンを制した。
「ちょっと!ロン!それって失礼よ!!ごめんさい、さん・・でも妹じゃないでしょう?
さん・・何かこう・・東洋の人って感じがするし・・先生は髪黒いけど・・東洋人には見えないし・・」
不安そうに聞いてくるハーマイオニーには我に返って微笑んだ。
「うん・・・私はねvセブルスの・・・・」
「何をしているのかね」
背後で聞きなれた声がした。
きょとんと振り返るに真っ青に固まる三人。
そこには眉間に皺を寄せまくったスネイプが腕を組み、を見下ろしていた。
ギロッとハリー達を一瞬睨み、再びに視線を戻す。
(やばい!なんとかしなきゃ・・・!!)
「わーい!やっとセブルスに会えたー♪」
ハリーが立ち上がったと同時にあやのが声を上げ・・・・・・・・スネイプに抱きついた。
一瞬にして固まる三人・・・いやその光景を見た大広間にいる全員が固まった。
今日一日、注目の的だったその可愛らしい女性が!ホグワーツでも1・2を争うほど
嫌われているであろうスネイプに嬉しそうに抱きついているのだから・・・
親戚にしても・・・こんな大胆に人前で抱きつくか?
大広間の全員は息を飲んでスネイプの反応を待った。
(突き放すか?・・・・・・そうしたらあの人慰めてあげよう・・・)
(嫌味を連発するか・・・・・・・・相変わらず嫌な奴だなあの先公)
(減点か?・・・・・・・・その人は生徒じゃないだろうが!)
しかし生徒達の予想はどれもはずれ、それどころか
「どうしたのかね??」
・・・と優しくの頭を撫でた。
一気に石化する大広間・・・・・・・・・・
無理もない、あの陰険で万年不機嫌面のスネイプが!
やさしい微笑みを浮かべているのだから!!!!
は顔を上げ、にっこりとスネイプに微笑むと
「これ・・・珍しい薬草がね、手に入ったの!セブルスに見てほしくて」
そう紙袋を取り出し、スネイプの顔の前にかざす。
スネイプは一瞬呆気に取られ
「・・・そのためにここへ?・・・ふうくろう便で送ればいいものを・・・」
「だって・・・・セブルスに会いたかったんだもん・・・・////////」
そう顔を赤くさせながら頬を膨らませる。
スネイプはフッと微笑み
「それはとても嬉しいことだな・・・?我輩の部屋来るかね?」
「うんv」
そう2人は大広間から出て行った。
後には石化した人間石像がたたずんでいた。
しばらくして・・湧き水のように話し声が動き出す。
「・・・・あの人・・スネイプの何だろう!?」
「親戚にしてはずいぶんと・・・・・」
「それに見たかよ!あのスネイプの顔!!」
そう口々に議論を交わす生徒達。
「あれー??来てたんだ〜」
のんびりとした声がハリーの背後でした。
「ルーピン先生!!あの人知っているの!!???」
ロン・ハーマイオニー・大広間にいた全員がルーピンを見つめた。
ルーピンはニッコリと微笑んで
「うん。彼女はセブルスの奥さんだよ」
「ぇえーーーーーーっ!!!」
「?なんか大広間が騒がしいよ?セブルス?」
「・・・・・・大方ルーピンがを我輩の妻だと言ったのであろう」
そう言うとスネイプは少し眉を顰める。
「ふーん・・・・・なんでそれであんなに騒いでいるのかなあ?」
は大広間のほうを振り向きながらのんびりと言った。
スネイプはの腰に腕を回し、自分の胸をと引き寄せる。
「わっ////」
「大広間で何が起きていようと・・関係ないであろう?」
「うん・・・まあ・・そんなんだけど・・・」
「それより・・今日は泊まっていきなさい。もうだいぶ暗い・・」
「うんvv」
そして、2人手をつないで地下牢のスネイプの部屋へと消えていった。
大広間では「スネイプは実は結婚していた!」といいう事実に、生徒は全員混乱し
その光景を面白そうに眺めていたルーピンの姿があった。
おまけ
「うわーセブルスー・・・・・今日はずっとここに篭りっぱなしだったのね・・・・・;」
「・・・・・・・・・・・まあな・・・・・・・・・・」
スネイプの部屋の中は羊皮紙の紙切れがこれでもかと散乱していた。
は「ふへー」と一つ溜息をし腕まくりをする。
「よしっそれでは、すぐ片付けましょうvvvって・・えっ何?セブルス!?」
足元の羊皮紙を拾うおうとするの腰にまたもや腕を回し自分に引き寄せる。
「そんなものは後でいいだろうが・・」
「はう?・・・・・・・・・・!!!////」
5555ゲッターアヤネ様に捧げる
スネイプ夫婦夢!!教授ちっとも慌ててない〜!!!!
なんか生徒のほうが慌ててしまいました・・・・とほほほ・・・
遅れたうえに、こんな内容になって申し訳ありません!
このドリームはアヤネ様のみお持ち帰りができます