松様へのキリリク
・はホグワーツでも大変珍しい、日本から来た魔女だった。
彼女はとても明るくて可愛らしく、同期寮生のフレッドとジョージと大変仲がいい。
そんな彼女は魔法薬学が大の苦手、いつもいつも失敗してばかり。
失敗しては教科担任のスネイプ先生に減点される始末・・・・
でもじつは、はそんな先生に密かな想いを寄せているのです。
ある日の昼休み、スネイプ先生が
「調合に関して・・・上達したいと思うのなら毎週水曜の放課後、我輩の研究室へ来るがいい。」
とおっしゃった。とてもびっくりした。夢なんじゃないかとも思った。
だっていままで、嫌味言われて減点されていただけなのに・・・どうしていきなり・・・?
それでも嬉しくて、少しでも先生といたいから、少しでも先生の授業上手くこなしたいから・・・・
「無意識な告白」
ポンッ
地下牢のスネイプの自室で今日も調合の指導をしてもらう。
調合された大鍋からかわいらしい音とともに、水色の煙が円を描いて消えた。
「うむ、だいぶ良くなってきたな。ミス・」
の隣で調合の始終を、口を出さずに見ていたスネイプが腕を組んでそう呟いた。
にっこりと微笑み「ありがとうございます!先生のおかげです!」と満面の笑みでスネイプを見上げる。
一瞬、スネイプの顔が赤くなり固まったの気のせいだろうか・・・・
気にかかりながらも後片付けに入る。
そしてその後はいつものお疲れ様のティーパーティ
の調合の上達はもちろん授業でもあらわれてきた。
「「おー!珍しい!!!」」
完璧な出来で完成した薬を手にするの後ろでフレッドとジョージが驚愕の声を上げた。
「ここ1ケ月、失敗なしだぜ?!!何か悪い物でも食べた?」
「なんだよー失敗したら、教えてやりたかったのに!!」
そう、残念そうに溜息をつく2人に
「ちょっとー何よー私だっていつまでも失敗ばかりしてられないよー!」
と頬を膨らます。
カツンとスネイプがの所にきた。
「ふむ・・・今日も完成したようだな・・・ところで?ウィーズリーよ・・・・お前達は完成したのかね?」
そう、冷たい視線をフレッドとジョージに投げつける。
フレッドとジョージは反抗的な視線をスネイプに突きつけ「もう少しです」と自分達の作業台に戻る。
スネイプはに視線を戻し、穏やかな口調で実験結果をまとめておくように指示をして
違うグループの作業台へと向かっていった。
それからが調合ミスを出さなくなって、また1ケ月が過ぎた頃、
それは起きた・・・・
ドォン!!
きゃあああっっ!!
が刻んだ薬草を入れた途端、大鍋が爆発しはその爆発に巻き込まれ
その場に倒れてしまった。
「「!!」」
フレッドとジョージが真っ青になってのところに駆け寄ってきた。
腕や顔には火傷と破片が飛び散り切り傷がいくつもできている・・・・・
動かないにフレッドとジョージは一気に不安が体中を覆う。
クスクスクスクス・・・・・・
2人の後ろで不快な笑い声がした。
2〜3人のスリザリン生が嘲るように笑っている。
「おい・・・!なにがおかしいんだよ!」
「・・・!!おい!フレッド!これ!!」
そうスリザリン生を睨みつけるフレッドの袖を引っ張り、ジョージはが
調合していた作業台の上を指差した。
そこにはの分の材料が置かれているのだが・・・
「・・!!??これ・・今日は使わない薬草だぞ」
そう、そこには今日の授業では使わない薬草が置かれていた。
2人はハッとしてスリザリン生を睨みつけた。
気持ちの悪いほどさらににやつくスリザリン生・・・
「「てめーら!!!」」
「やめんか!!」
スリザリン生に殴りかかろうとするフレッドとジョージにスネイプの怒鳴り声が響いた。
天の助けと言わんばかりにスネイプの背後に隠れるスリザリン生。
そっと顔をだし、挑発するようにチラチラと舌を出す。
「先生!そいつらは!」
「の材料に・・!!」
「早くを医務室に連れて行かんか!」
2人の言葉を遮りさらにスネイプが怒鳴る。
2人をビクッと肩を揺らし、ハッとしてを抱きかかえ教室から走り出て行った。
2人が出て行くのを確認するとスネイプはくるっと自分の後ろに隠れていたスリザリン生を睨みつける。
一瞬で凍りつくスリザリン生・・・・
「あ・・・あの・・先生・・・・僕達・・・・」
「我輩の授業を妨害するとはいい度胸だ。スリザリンの恥さらしめが!貴様らには重い処罰を課す。
いいな!さっさとここを片付けろ!」
スネイプは烈火の怒りを纏いながら準備室へと入って行った。
そんなスネイプの怒りに教室にいた全員が驚き、動けなかった。
「うっ・・・・・あれ・・・・・?」
「「!!」」
どれほどの時間がたったのだろうか。
は医務室でそっと目を開けた。両側からフレッドとジョージが心配そうに覗き込んでいる。
「!大丈夫か!!」
「痛いところは!!」
そうに言い寄る2人に、マダムポンフリーが顔をしかめながら2人を睨んだ。
「もう、大丈夫よ。顔の火傷と傷も消えました。二人とも大声をだすのなら出ていきなさい」
2人は申し訳なさそうに肩をすくめ急に小声でに囁く。マダム・ポンフリーはクスっと笑い
「奥にいるから何かあったら呼びなさい」と奥の薬保管室に入って行った。
「・・・私・・だめね・・・また失敗しちゃった・・・・」
悲しそうに溜息をつくに2人は「違う!」と身を乗り出す。
「スリザリンの奴らのせいだよ!!」
「あいつら!の材料に余計な材料を忍びこませたんだ!!」
一瞬驚いた表情をしただが
「でも・・・見分けることもできないで・・・入れたのよ・・私・・・」
そう言って頭までバフッと毛布をかぶる。
「「・・・・」」
2人の弱々しい声が毛布の外側から聞こえてくる。
何のためにスネイプ先生に指導してもらってたのよ・・・情けない・・・・
こんなだから・・・いつまでたっても・・・・
「失礼する」
聞き覚えのある声が毛布の外から聞こえる。
(この声は)とおそるおそる顔を出すと、思ったとうりスネイプが医務室に入ってきた。
「ミス・!!具合はどうかね?」
少し慌てているようなスネイプに「大丈夫です」と微笑んで答えると、
スネイプはホッとしたように「そうか」と頷き、フレッドとジョージに視線をおろす。
「ウィーズリー、ミス・をここまで運び、付き添ってくれ感謝する」
フレッドとジョージはまさかスネイプからそんな言葉が聞けるとは思ってもみなかったので
驚きが隠せず顔を見合わせた。
(おい・・相棒・・・こいつ、本当にスネイプか?)
(俺に聞くなよ。外見は100パーセントスネイプだぜ?)
「だが」
スネイプの声が一段低くなった。
「貴様ら・・・残りの授業さぼったな」
腕を組み眉間に皺を寄せて二人を見下ろす。そういえば魔法薬学は午前中だったはず。
2人はずっとここにいたみたいだしそれにもう夕食の時間・・・・ぼんやりとそう考えながら二人を見ると
「「やべ・・・」」と顔をしかめた2人の姿が・・・・・
「まあいい、今回は特別だ。2人とも早く夕食を取りにいきたまえ」
フレッドとジョージは「「何か持ってくるよ」」とウインクしながら医務室から出ていった。
ちょうどマダム・ポンフリーも出てきて、夕食をとりにいきたいからを頼めるかと聞いてくる。
スネイプが頷くと、マダム・ポンフリーも医務室から出て行った。
「あの・・・先生・・・・・・・」
おずおずと、がその静寂を破る。
スネイプはベッドサイドのイスに腰をかけ「何かね?」と優しく返事をする。
「すいませんでした・・・先生の授業台無しにして・・・いつも放課後・・指導してもらっているのに・・・・」
そう、俯くにスネイプは胸が痛んだ。
「あー・・・・ミス・・・・今回は君のせいではない・・だからー」
「でも!見分けることができませんでした!!」
そう声を上げ、両手で顔を覆う。泣いている・・・・
スネイプはどうしたらいいのか分からず、ただの頭を撫でることしかできなかった。
「・・・なんです・・・・・」
「?ミス・?」
「大好きなんです・・・魔法薬学・・・いつも失敗してたけど・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「いつもいつも・・・教科書見直して「次こそは!」って・・・・でも・・失敗で・・・
そんな時、スネイプ先生が指導をしてくれるっておっしゃてくれて・・・・とても嬉しかったのに・・・・」
そういうと、の目から再び涙が溢れ出す。
スネイプは「もう泣くな・・」と頭を撫でるがの涙は止まらない・・・・
「・大好きな・・授業の補習を・・・・・大好きなスネイプ先生に指導してもらえて・・・
嬉しくて・・だから・・・だから・・・・・もっと頑張りたくて・・・」
しゃくりあげながら話す・・・涙は止まることを知らないのか・・・・・
「・・・・ミス・・・・・・今・・・・なんと?・・・」
ふと顔を上げると少し顔を赤くしたスネイプがを覗きこんでいる。
「え・・・・・・大好きな魔法薬学の補習を・・・大好きなスネイプ先・・・・!!!!」
涙を拭いながら話す・・急に顔を真っ赤にさせ両手で口を覆った・・・
「やはり・・・この間のことは本当だったのだな」
しばらく沈黙が続き、ポツリとスネイプが囁いた。
「????この間のこと・・・って何ですか??/////」
フッとスネイプは笑い、指導をしてやると言った日のことをに話した。
が寝言でスネイプのことを大好きだと言ったこと・・・
「君が起きてからの反応でもしやと思ってたが・・・どうやら我輩の予想は当たってたようだな」
そう少しいたずらっぽく笑ってみせると、はますます顔を赤くした。
「わっ私・・・!そんな失礼なことを・・・」
「フッ・・我輩のローブを掴んだまま、寝言を言うとはな・・」
「すいません!!迷惑ですよね・・・」
シュン・・・と俯くをスネイプはそっと抱き寄せた。
「!!///////あっあの・・スネイプ先生?////」
スネイプの腕の中でモゾモゾとが動く。
でもスネイプは一向に離そうとしない・・・そして
「!!////」
そっとの額に小さく口付けを落とした。
優しい表情でを覗き込む。
「これが我輩の答えだ・・・・・・・どうかな?」
は顔を真っ赤にさせスネイプの胸に顔を埋めた。
愛しく微笑み、の頭を撫でる。
「さて・・・・・・我輩達のこと公表してもかまわんが、を泣かすような真似をしたらどうなるか・・・・・
わかっておるな?ウィーズリー・・・・・・・」
スネイプはを抱きしめまま顔だけ振り返った、「え?」とも顔を出す
「!!フレッド!ジョージ!//////」
そこにはのために夕食を運んできた二人が口をあんぐり開け突っ立っていた。
「ウィーズリー?」とスネイプの低い声が響く。
「「はい!わかりました!を泣かすようなことは絶対しません!!」」
それから、ホグワーツのあちこちで2人楽しそうに歩いている姿が見かけられても
誰も驚かず、好奇の目で見守っていたのは双子のおかげだったり・・・・・
5400ゲッター松様に捧げる教授夢!
前回リクエストしてくださった「無意識」の続編ということで今回想いを遂げてみました!!
何気に双子が出張ってますが(滅)ぜっぜひぜひ!「無意識」と合わせてやってください!!
そして毎回遅れ気味の上にへったれ夢で申し訳ないです!
リクエストありがとうございました!!
このドーリムは松様のみお持ち帰りできます