「じゃじゃじゃーん!!教授見て下さいよー!!」
「−っブバー!!!!!」
うららかな陽射しを天窓から浴びながら平和に休息時間を取っていたスネイプ教授。
そこへ派手な音と裏声と共に主を驚かせたのはグリフィンドールの三年生。
そして某高校教師風な禁断愛を育む相手。
ー・メイである。
しかしただそれだけなら教授は飲んでいた紅茶を勢い良く噴出したりはしない。
そんな行儀悪い事は絶対に!!
それでもそんなリアクションをしてしまったのは……
「−一応聞いてみたいのだがねミス・メイ。その格好は我が学園の制服であったかね?」
「この学校は教授のではなかったと思われますが。」
「(このガキは…)随分と通気性の良い格好だな。」
「お褒め頂き光栄です!」
『ーって、そうじゃない!!』
「萌えませんか!?」
「馬鹿な格好をするな!!」
二人は同時にそれを言った為にお互いに言葉を打ち消しあい。
教授はこめまかみを抑えギロリとを睨むとドアを慌てて閉めて椅子に座りなおす。
一方のはにっこにこと満面の笑みを浮かべて見つめる。
正面の椅子に座るとやはり見つめたまま。
見つめられているスネイプは眉間に深く皺を刻み。
「駄目ですか?でも萌え萌えでしょう?だってマグルのー」
「今すぐ服を着ろ!!」
そう。
の格好は制服のブラウスと下着。
そして首にはリボン状に結ばれたグリフィンドールのネクタイのみなのだ。
当然白く肉感的なそれでもスラリと伸びた足は殆ど露出してしまっている。
アーモンド型の愛らしい綺麗な瞳と少女独特の幼い顔立ち。
プラスグラビア写真アイドル風味。
誰が見たっての格好は動揺するしそれが恋人のスネイプならば尚更である。
「マグルどもがどの様な物に興味有るかはどうでも良い。くだらぬ!」
「ちょっと待って下さいよ!じゃあそれに影響受けた私も下らないって事ですか!?」
「ほう。理解が早いではないかねミス・。」
「お褒め頂き光栄ですvv」
「褒めてなどおらぬわ嫌味だ嫌味!!ひ・に・く!!」
「知っています!!でも!!ちょっと位ドキッとしたでしょう?」
「誰がするかそんな品の欠片も無い姿に!」
「それじゃあまるで私が猥褻物みたいじゃないですか!!」
「判っているではないか。」
「いやーそれほどでも」
「褒めていない!!」
「だから知っています!!」
一気に此処まで言い合って流石に二人は疲れてきた。
暫くの沈黙が続いていたがは机を勢い良く叩き俯いて立ち上がる。
つられて顔を覗うスネイプの鼻先に冷たい雫が一粒落ちる。
「な!?!?」
唇噛み締め必死に涙を堪えている為に肩は震え顔は赤く。
悔しいのか顔を背けて手の甲で滲む涙を拭うと小さく怒気を孕んだ声で呟く。
「教授はいっつもそう。理由も聞かないで何でもかんでも悪いって…」
「それは毎回毎回とんでもない事をしでかしてくれるからだろうが。」
「私だって馬鹿じゃないもん!頭がおかしい訳じゃない……」
「それはそうだ。でなければ恋人など真っ平だ。」
「なら何で一度だって理由を聞いてくれなかったんですか!!」
「それは……」
「めちゃめちゃ大きなケーキ作った時もマグルの線香花火をここでした時も今日だって!!」
「……」
「馬鹿たれ陰険教授!!鍋やビーカーとでも愛し合ってろ!!」
「ちょ!待て!!」
最後に睨みつけて猛ダッシュで部屋から飛び出ようと走り出した。
その反動で机のカップが倒れのブラウスを濡らしてしまう。
ほんの一瞬。
一瞬動揺したのが悪かった。
その隙を見逃すほどにスネイプは甘くはなかった。
テーブル越しに腕を伸ばしの腕を捕らえると逃がさない様に握り締め隣へと移動する。
「痛いこの暴力教師!」
「それは悪かったな問題児。」
暫く睨み合いが続く。
一分。
二分十五秒。
五分。
沈黙を破ったのはスネイプの小さく長い溜め息だった。
手の力を緩めるとの腰に腕を回す。
「で。一体なんの真似だね?」
「……」
「…」
「……本当にわかりませんか?」
「だから聞いているのだが。」
「………」
「?」
「今日……何の日だかわかってますか?」
「今日…?」
言われてスネイプは日付を頭に浮かべてみる。
ヴァレンタインもとっくに終わっているしましてやクリスマスは去年だ。
だとすると…
そうして思い巡らしようやく一つの結論に至った。
「の誕生日…」
「………遅いよ。」
「いやちょっと待て。しかし何故それでがそんな格好を…」
「……知りたいですか?」
「大いにな。」
「……それは…」
手を軽く振り払うともじもじと指先を弄り俯きながら小さな声で呟く。
「あのね…あのですね……セブルスが欲しいのです……」
「………。」
「駄目ですか………?」
「ば!馬鹿か……本当に……どうしようもない…………」
スネイプは言葉の中に隠された意味を悟ると若干怒った様な照れているような複雑な顔を浮かべる。
呆れたように口元を押さえると深く息を吐いて椅子に座り。
今にも泣きそうなの顔を見ると膝の上に座らせるように抱き寄せる。
「全く。馬鹿はお互い様だな。」
「うん。」
「どうしようもない。」
「うん。」
「救い様がないな。」
「そうだね。」
見つめあって可笑しそうに笑い出して触れるだけのキスを交わす。
抱き上げてベットまで連れて行くとそっと降ろしてスネイプはマントを脱ぐ。
それから上着を脱ぎ捨てると改めてベットの上の少女を眺める。
「セブルス。目がエロい。」
「もっと上品な言葉を使え。」
「−おエロいで御座いますわ。」
「(このくそガキ……)」
スネイプがベットに上がるとスプリングがギシリと抗議をするが二人にとっては知った事ではない。
再び今度は深いキスをする。
呼吸が苦しくなったところで唇離すと熱の篭った声でスネイプは言う。
「−マグルどもの趣味もなかなかではないか。」
「さっきは下らないって言ってたじゃないですか。」
「こうしてが着ているとそそられる。責任は持って貰おうか?」
「いっぱい下さいね?」
「生まれて来ておめでとう。」
こうして無事(?)は朝方までかかってプレゼントを貰ったとか。
めでたしめでたし。