Halloween♪Hallween♪
Trick or Treat!!Trick or Treat!!
お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ?
「黒猫のお散歩」
廊下には怪しく光るカボチャのランタンが灯り、その周りには蝙蝠が飛び交っている。
今日はハロウィーン。
陽が落ちたらそれが仮装パーティの開始の合図。
生徒達はとびっきりの仮装を施して、バスケットを片手にホグワーツ城を練り歩く。
黒いノースリーブのミニのワンピース。そしてかわいらしい耳に金色の鈴がついた尻尾。
の出で立ちはかわいい黒猫だった。すらりと伸びた白い手足が少しだけセクシーに見せるが
日本からきた可愛い魔女は、東洋人特有の幼い顔立ちのためにかわいいという言葉がぴったりと合う。
カボチャを模したバスケットを手に用意万端v軽やかな足取りでグリフフィンドール談話室を後にする。
廊下も階段も大広間も普段使っている教室もすべてがハロウィ―ン一色だ。
「「我らの姫は黒猫vv」」
後ろで同じ声が同時にして、はにっこりと振り返った。
そこには双子のフレッドとジョージがタキシードにシルクハットいういでたちで立っていた。
その姿は小説「不思議の国のアリス」に出てくる、マッドハッターを思わせる。
「うわ〜フレッドとジョージかっくいぃ〜!!」
「「我らの姫もなんとキュートでセクシーで・・可愛いことか!!」」
そして三人顔を見合わせてにっこりと微笑むと
「「「Trick or Treat!!」」」」
大人の人数が限られていることからホグワーツでのハロウィ―ンは少し変わっている。
お菓子をもらう側の生徒同士でもそんな言葉が交わされ、あらかじめ用意してあったお菓子と交換するのだ。
フレッドは舐めている間に味が変わる三味キャンディー
ジョージは膨らませる度にその中の景色が変わる風船ガム
はこの日のために作ったお手製のクッキー。トッピングのチョコチップが赤・黄・緑とキラキラ色を変えている。
「うわ〜vvありがとう〜vv」
は嬉しそうに受け取るとそっとバスケットの中に忍ばせた。
「僕らとしては悪戯でもいいんだけどねv」
「そうそうv特に黒猫姫にはねvv」
そうおどけたようにウインクする双子に目を丸くする。
「はいはい〜ダメですよ〜セクハラは」
の肩をポンと叩いてハーマイオニーが溜息混じりに笑った。
ハーマイオニーは黒の大胆にスリットが入ったロングのチャイナドレス。
いつもおろしている髪を緩めのアップにして、なんともセクシーだ。
「僕らとしては・・チャイナガールも捨てがたいねv」
「うんうんv」
「はいはい、訴えるわよ? Trick or Treat?」
ハーマイオニーはさらりと黒い笑みを浮かべると今日の合言葉を唱えた。
双子とはにっこりと笑ってお菓子を取り出す。
ハーマイオニーは同様キラキラと光るマーブルチョコレート。
少し言葉を交わすと、皆それぞれ目的地に向かって歩き出した。
道行くたびにすれ違う友に合言葉をいってお菓子を交換する。
皆がの黒猫姿を絶賛した。そのたびに頬を赤らめて微笑む。
ハリーは一粒づつ味が違うラムネの小瓶に、ロンはフルーツソースが入ったチョコレート。
ドラコはが合言葉を言う前に、頬を染め高級そうなパウンドケーキを押し付けてきた。
マクゴナガル先生もお手製のマドレーヌ、校長先生は中に星が光っているレモンキャンディー。
少し男勝りなフーチ先生は少し苦めなコーヒーブラウニー・・・・
カボチャのバスケットはあっという間にいっぱいになり、が作ったクッキーもあと一袋になってしまった。
最後の一袋を手にとってしばし何か思いにふけっていただが、
突然パアっと表情が明るくなり元気いっぱいに頷いた。
「うんvそうしようvv」
そう納得したようにクッキをローブのポケットにしまうと、軽い靴音を立てて踵を返した。
学校中がハロウィーン一色だというのに、地下牢の一角だけはいつもとかわらない寂しさと不気味さを醸しだしていた。
魔法薬学の教室のもっと奥の部屋がの目的地。
扉の横でユラユラとゆれる蝋燭の灯が、冷たい廊下に少しだけ暖を送る。
そんな他の生徒なら怖がって近寄らないであろうこの扉をは軽いノックで叩いた。
その部屋の住人はノックの音にうんざりした表情を浮かべる。
スネイプは本日何度目かも忘れたそのノックの音に嫌々と立ち上がった。
ハロウィ―ンなど自分にとっては関係のない代物で、今日はゆっくりと過ごしたいのに
お菓子をもらいに何度も生徒が訪れる。訪れる生徒は皆スリザリンだが・・・・
菓子などもちろん用意していないスネイプは、不機嫌そうに扉をあけ生徒を追い返していた。
だから、今扉を叩く来訪者も追い返すつもりで扉を開けたスネイプだが、来訪者の姿を見てスネイプの不機嫌な表情が霧のように消えてしまった。
そしてあらわれたのは優しい表情・・・・・・
「ミス・・・・・・・・」
「Trick or Treatvスネイプ先生?」
猫耳をつけて首を傾げながら見あげてくるその姿に、一瞬にして魅了されたスネイプ。
ほんのり顔を染めながらジッとを見つめている。学校のアイドルといっても過言ではない。
スネイプも学校の話題にくだらないと思いつつも、に対しては好意を抱いていた。
可愛い姿はもちろん、誰にでも同じように接する姿勢、授業で見せる真剣な眼差し。
スネイプはいつの間にかに引き込まれていた。
そんな相手が、可愛い黒猫の姿で訪ねてきたのだ。チリンチリンと尻尾についた鈴が
可愛らしく地下牢の廊下に響く。すらりとした手足が蝋燭に照らされてなんとも幻想的で・・
は不思議そうに反対側に首を傾げてスネイプの顔を覗きこんだ。
「スネイプ先生?具合でも悪いんですかぁ?」
「い・・いや・・。その・・・・似合っているな」
「本当ですか??わー先生に誉められて嬉しいvv」
小さく咳払いをしてを絶賛するスネイプに、にっこりと微笑んで喜ぶ。
そんなの仕草にやんわり微笑んだスネイプだが、思い出したように表情を歪めた。
「すまない・・・我輩は何も用意してないのだ・・・・」
だが、はそう洩らすスネイプにニッコリと微笑むとピンと自分の猫耳をそっと引っ張った。
「じゃあvいたずらしちゃうぞ?せんせv」
「い・・・いたずらかね・・・・」
少し驚いたように目を見開くとはにっこりと笑って、スネイプの手をくいくいと引っ張った。
どうらやかがめと催促しているらしい。いくらハロウィ―ンに興味がなく菓子を用意していなかったとしても
好意を抱いている生徒が来訪してきたことで、彼女の分だけでも用意しておけばよかったと少し後悔をする。
ここは潔くいたずらを受けるかと、かがんでやればの可愛らしい笑顔が目の前にあった。
間近で見る彼女の笑顔は天使のように、美しくあどけない。
「にゃにゃ!それじゃvいたずらいきまーすvv」
「あ・・・・あぁ・・・・」
ほんの少し身構えながらいったい何をされるのか、小さい不安を抱く。
「な・・・//////」
その瞬間スネイプはあまりの驚きに目を見開いた。
彼女のぷくっとした唇が自分の頬を撫でた。それはとても短い時間だったけれど
とても長い時間のように思えて・・・彼女の唇が離れた後でもその感触は
消えることはなく・・・・
「にゃあvいたずら完了vvそうだv先生!!これね私が作ったの食べて食べて〜vv」
悪戯っぽく笑うと思い出したようにポケットからクッキーの小袋を取り出す。
いまだ固まっているスネイプの手をとると、ちょこんとそれを手のひらに乗せた。
カサリと鳴ったた袋の音でスネイプはハッと我に返る。
「あ・・・・あぁ・・・・ありがとう」
「それじゃ、もう行きますね〜vv」
そう微笑んで、もと来た道を帰ろうとするの腕を慌ててスネイプが引き寄せた。
「にゃあ!!!・・・・・・み?スネイプ先生??」
驚きの声を上げ、きょとんと顔だけ振り返るに、スネイプは優しい笑みを浮かべた。
「菓子は・・ないが・・・・お茶でもいかがかな?」
「お茶・・・・」
「嫌かね?」
残念そうに問いかけてくるスネイプにはブンブンと首を振ると、くるりとスネイプに向き直った。
「お茶したいですvv」
それから校内での姿を見かけたものは誰もなく、とスネイプは楽しいハロウィーンティーパーティを楽しみましたとさv
ハロウィーン企画第一弾は「黒猫のお散歩」!!
とまあ・・ヒロインはスネイプてんてーの事が大好きなのです!!
でもでもそれは恋愛感情とかじゃなくて、教師として憧れくらい。
魔法界のお菓子・・てすごい興味があります・・・百味ビーンズ以外(きっぱり)