卒業

















「先生!今までお世話しました!」

































「卒業。そして・・・」











































卒業式終了後、自室のソファで柄にもなく感傷に浸っているスネイプの元に

扉を勢いよく開け、そう声高らかにが飛び込んできた。

スネイプは「はぁ?」と苦虫を噛み潰したような顔で、肩で呼吸をするを軽く睨む。



「あー・・?我輩の聞き間違いかね?世話をしたのは我輩の・・・」



「先生の部屋を毎日掃除したのは誰?薬品棚の整頓をしたのは?

先生が風邪をひいたとき、必死に看病したのは?薬草採取の手伝いをしたのは!?」



「・・・・世話になった・・・」



「よろしい!」





(このガキ・・)と心の中で悪態つくスネイプに満面の笑みを向け、はスネイプの隣に腰をおろし

そっと寄りかかる。そんなの様子にフッと口元が緩め、の肩に腕をまわす。

そして静かに流れる静寂の空間。

とても穏やかで、幸せの空間。





やがて
は懐かしみながら目を細め声を響かした。







「7年・・・あっという間ですね・・・」



「そうだな」



「初めて先生に会ったこと覚えてます?」



「入学した次の日だな・・・」



「授業に遅れそうなのを必死に走っていて」



「我輩にぶつかった」



「思いっきり嫌味を言われて、減点されたっけ・・・」





クスッと笑うの黒く長い、真っ直ぐの髪を指に絡ませる。






は7年間で息をのむほどに・・大人の女性のようにしなやかで、美しく成長した。

それでも時折みせる彼女の微笑みや、むくれた顔はいつまでたっても変わらない幼さを持っていて・・



いつからか、は毎日のようにスネイプの部屋に訪れるようになった。

最初は確か、授業についての質問だっただろうか。

それからが魔法薬学にたいへん興味があると知り、授業とは別に彼女に個人指導するようになった・・。

はグリフィンドールだった。

スネイプは特にグリフィンドールの生徒に厳しくあたっていて、生徒達もスネイプのことを嫌っていた。



嫌われることには慣れている。痛くも痒くもなかった。



そんなグリフィンドールの生徒である・・彼女だけは違った。

彼女だけはスネイプを慕ってきたのである。

当初は邪険に扱いもしたが時が経つにつれ、だけには嫌われたくないと思うようになった。





(我輩も落ちたものだ)





と自嘲した時期もあった。毎日のように訪れては疑問点を質問し、それに答え新たに応用の課題をあたえ、その答えを持ってきて・・

その繰り返し・・・繰り返し。が2年の課業を終える頃には自然と恋仲になっていた。

きっかけがなんであたっかなど覚えてはいない。

気がつけば自分の腕の中で安らかに寝息をたてているがいた。



冗談を言い合えば喧嘩もし、仲直りをしてまた笑いあって・・・・・・





















昨日のことのように懐かしむスネイプの顔を、不思議そうに覗き込む

スネイプは口元で優しく微笑み、を抱き寄せた。

スネイプの心地良い温度を感じながら、はポツリと呟く。





「・・・卒業かぁ・・・ほとんど先生と会えなくなっちゃうんだね・・・・」





呟いた瞬間、涙が溢れてくる。

卒業したらは祖国である日本に戻り、得意であった魔法薬の薬草栽培の仕事に就く。

日本とイギリスにあるホグワーツ・・・とてもとても遠い・・・

スネイプはそっとの頬をつたう涙を拭う。







「そんなこともない。が勤める所は我輩もよく行く。約束しよう・・が嫌がるほどに会いに行く。」



そう意地の悪い笑みを浮かべるスネイプに顔を真っ赤にさせ、ぎゅうっと抱きつく



「嫌がらないもん。先生となら毎日・・ううん、ずーといたいもん」





スネイプも少し力強くを抱きしめた。



「私も会いに来てもいい?」



「ああ、もちろんだ」





































が卒業して、新しく新学期を向かえたホグワーツにハリーポッターが入学した。







それから4年後、スネイプに美人だけどかわいらしい助手が着いたというのはまた別のお話のこと。



































・・・新婚旅行はどこがいい?」





「セッ・・・セブルス!?・・・・/////」
































おっオチてますかね・・・・(汗)

ぶっちゃけはじめてかも・・・ほんわか!・・・ほんわか・・・か?

そして卒業シーズン終わり間際にアップ!!

お前の人生が終わってるよ!と突っ込みたいですな!全く。

しかも何気に凄い告りかたです、教授!

まずそんな口説き方する奴いねえ!!





このドリームの配布は2003・4月末に終了しています。