ミカエルが瀕死の重症を負い、の元にたどり着いた。
ミカエルがに伝えた言葉は「村に戻るな」そう呟くとミカエルは意識を失った。
の術とマダムポンフリーのテキパキとした介抱でミカエルは一命を取りとめた。




「村・・」




校長室ではそう呟いてダンブルドアを見つめた。ダンブルドアはのその眼差しに首を横に振ろうとする。
だが、いままでにないの真っ直ぐと険しい目つきにダンブルドアは小さく唸って、顎髭を撫でた。
険しく唸りながら、思案するその様子を必死に見つめる。そんなの表情にスネイプはダンブルドアの前に歩み寄った。



「校長、我輩からもお願いです。ハヤト達になにか起きたのでは・・」


「だがのぉ・・セブルス・・」


「我輩がの護衛を」



そうスネイプが言いきると、ダンブルドアは険しい表情のまま黙ってしまった。
校長室に居心地の悪い空気が流れる。しばらくして、ダンブルドアは深く溜め息をつくとゆっくりと顔をあげた。


「よかろう・・だがもう一人護衛をつける。闇払いのアラバスタ・ムーディじゃ。いいな?二人とも十分に用心するのだ」


そう校長の許可がおり、と我輩、そしてムーディは日本のの村へと向かった。
村にたどり着いた我々の目の前には、夏休みの時訪れた時の美しさはどこにもなかった。
木々は倒れ、緑の草原は焼かれ大地が露になっていた。
驚きに目を見開くの手をしっかりと握りゆっくりと社へと歩き出す。
森にあった穏やかさはただならぬ緊迫とした空気が流れていた。



「鳥達の声がしない・・虫や獣達の声も・・」



声を震わせながら呟くに、自然との手を握る力がこもる。
やがて森の小径が終りを告げ、の家の社が見えてきた。
そして目に飛込んでくる情景。




「父さんっ!母さんっ!おじいちゃん!」


そこには彼女の両親と祖父が縁側にもたれ座っていた。だが、いくらが呼べどもビクともしない返事をしない。
そっと母親の頬を撫でたの手がビクッと痙攣しスネイプにしがみついた。


「セブッ母さんがっ」



眉間に皺をよせムーディに視線を移す。
ムーディは小さく唸りながらの両親達を調べた。
まるで眠っているような表情・・だが・・冷たかった・・だがムーディはさらに表情を曇らせた。

「心の臓は動いている・・どういう事だ?・・」





















「では、ヴォルデモートはハヤト達に死の呪文をかけたのだな?」

「あぁ、間違いない。あいつは死の呪文をハヤト達にと唱えた。」

「だがハヤト達は死んではいない・・・・」



達はホグワーツに戻り、校長室にいた。
だいぶ回復したミカエルから話を聞き出すと、ミカエルは一瞬恐怖の表情を浮かべたがやがてゆっくりと話だした。



その日の朝はいつも通りに始まった。
ハヤトは縁側で森番の報告を聞き、ミカエルはしばらく方々飛び回っていて、この日偶然に社に戻ってきたのであった。
いつもどうりにハヤトや守番達と談笑していると、いきなり森の方か爆発音がしたという。
守番は一気に森へと飛び散り、あちらこちらで爆発音や守番達の悲鳴がこだました。
ハヤトの表情が険しくなりざっと縁側から立ち上がる。
森が急に静まり返り異様な空気が辺りを包んだ。

しばらくしてひょこひょこと小鬼が社に足を引きずって戻ってきた。血まみれになった体でハヤトの膝まつこうとする姿をハヤトが制す。

「奴がきます・・結界が破られました」

そう力なく呟くと小鬼は目を閉じて動かなくなった。









「そして奴とその手下供が現れて、社内で激しい抗争が続いたんだ・・・ハヤト達と奴らの戦いは互角・・・
だが・・あの野郎は・・・何も手を下さず薄気味悪い笑みを浮かべて見てやがった・・・そして・・奴は杖を取り出して・・」

苦しそうな表情のミカエルの背中をスネイプがそっと撫でる。
は呆然と立ち尽くしていた・・・


「それじゃあ・・・母さん達は・・・・」

「いや、死んではいない」


声を震わせるに、きっぱりとしたムーディの声が響く。


「大変不思議なことだがな。死の呪文に対して対抗する手立てはない・・
だが、お主の両親達は仮死状態に留まっている・・それを解く方法も分からない」


厳しい顔ををするムーディには肩を震わせた。
スネイプはそんなを優しく抱き寄せる。












それからは図書室や、壊された家から持ち出した大量の書物と睨み合う日が続いた。
何か必ず両親を元に戻す方法があるはず・・・・・・
スネイプもと一緒に解決法を探した。

そしてようやく見つけ出した解決法・・・・


それはの家に昔から伝わる、陰陽師の書物にあった。
だが、その本に記されている術はあまりにも危険で決して使ってはいけないと
いつもハヤトに念を押されているもので・・
本を手に持ち、じっと見つめるを不安そうに顔を覗きこむスネイプ。


?・・・・・どうかしたのか?」

「え?・・・なっなんでもないよ!?よかった・・・父さんたち元に戻せるよ・・・・」


は少しびっくりした様に顔を上げて、はにかみながら笑った。
それからは、少しでも早くやりたいと早速術式に取り掛かった。
ハヤト、ナツキ、祖父を祭壇の前に並べて寝かせ、香を焚く。
ほのかに鼻をつく匂いが辺りを包む。香からは薄紫の煙が細く上った。
は印を結び、呪文を唱えはじめた。彼女の呪文を唱える低い声が辺りを包む。
呪文と同時にの体が淡く光りだす。スネイプの心がざわつきを覚える。

が一段と声を上げるとハヤト達の体も光を放ちだす。

術は成功した。だが・・・・

術が成功したと同時にはパッとその姿を消したのだ。
煙のように、スネイプの目の前で。がいた所には・・・・彼女の首飾りが落ちていた。



































そしてハリー達が卒業を迎えた2年後・・・


スネイプとミカエルは必死にの行方を探した。
一時期はヴォルデモートに捕まったのではないかと焦ったが、それはとある人物によって解消される。




いつものように書物を手に自室へと戻るスネイプの元に黒い梟が舞い降りた。
黒い梟など珍しいと驚いていると、梟はスネイプに嘴に加えている手紙をスネイプに押し付け、バッと飛び去ってしまった。
梟のアイスブルーの瞳にハッとして手紙を裏返すとそこにはルシウスマルフォイと書かれていて。
急ぎ足で自室に戻り、手紙を開ける。
呪いが入っているかもしれないその手紙を・・・・・少しでもの情報が分かれば・・・そうスネイプの心は焦っていた。



「裏切り者のセブルス・スネイプへ。この手紙を受け取ったということはまだ貴様は生きているということだな。残念なことだ。」



皮肉な挨拶文に顔を歪めるが手紙を読み続けていくと、ヴォルデモートははホグワーツにいるものだと思っているらしかった。
ルシウスはドラコを介して事の始終を知った。
驚くことに、実はヴォルデモートがハヤトたちの村を襲った時、ルシウスもその場にいた。
そしてヴォルデモートが死の呪文を唱えた瞬間、ルシウスはヴォルデモートよりも早くばれぬようハヤト達に
ある魔法を唱えた。それは

ルシウスが独自に編み出した、死の呪文に対する抵抗魔法・・・


この魔法をかけるとヴォルデモートが唱えた、死の呪文は死に至ることはないという。
その結果、ハヤト達は仮死状態にとどまり、命を落とすことはなかった。


「有り難く思うことだ」と傲慢なルシウスの文に目を丸くしながらも、スネイプはかつての先輩であり仲間であったルシウスに心から感謝した。
そして、一番スネイプを驚かせたこと。それは仮死状態を解く方法についてだった。
これは抵抗魔法を施した人物では解けないのだという。ルシウスは頃合いを見計らって術を解くつもりだった。
だがそれをが解いてしまったのでルシウス自身も驚いたという。
「さすが我が主の奥方だ」と絶賛するルシウスに苦々しく舌打ちするスネイプ。
だが、術の完成の高さから、術を解くことに成功したは術が解ける反動力でどこかか定かではない所へ飛ばされたのだ。
どこかに飛ばされたかはルシウスでも分からないという。ただ、今でもヴォルデモートにははホグワーツで暮していると報告しているという。


「私の気が変わらない内に早く探し出すことだな。仮に探し出せたとしても奥方が以前のままでいるかはわからんが。」











「そうか、ルシウス・マルフォイであったか・・」


スネイプから手紙を受け取り読み終えたダンブルドアは小さく、でもなぜかすがすがしそうな表情で溜め息をついた。
だが、スネイプの表情は晴れない。ルシウスの手紙の最後が気になる・・


「仮に探し出せたとしても奥方が以前のままでいるかはわからんが」



これはどういう意味なのだろうか・・・

死喰い人たちにばれぬように全力をつくして探し出そうというダンブルドアに深く頭を下げ、スネイプは校長室を後にした。
やがて魔法省は多くの役人を動員して、極秘にの捜索を開始した。スネイプもを探し出す。
捜索が開始され数ヶ月・・卒業式が二ヶ月後に控え時、は大陸の山奥で見付かった。
その知らせを受けスネイプ、ハヤト達はが見付かった山奥へ向かおうとするが、魔法省の役人は皆表情を曇らせた。
そんな役人達の態度に首を傾げながらも、スネイプとハヤトはが見つかったという、山へ向った。





























!!無事だったか!!」



「・・・・・・・・・・・貴方・・・・・誰?」