「予兆」
の使い鷹である(ミカエル)が姿を消した。
奴は他の鷹とは少し違っていて、元は人間だったミカエルの魂が鷹に乗り移った存在であった。
狂暴で口が悪く、特技は突進とろくでもない鳥だが主のにはおとなしい態度を示す。
ミカエルは度々いなくなることがあった。が、奴がいなくなって一週間がすぎるとさすがに
も不安の表情が隠せず、学校の梟を使いハヤト達にそのことを伝えた。
すぐさまハヤトから返事が届き、「心配することはない」ときたが、
それでもは浮かない表情で我輩の自室で小さく溜め息をついた。
「、あの鳥なら大丈夫だ。あの狂暴さ・突進力。簡単にはくたばらん」
そう、いたずらな笑顔での顔を覗きこむと、はクスリと笑って頷く。
「うん、そだね・・ごめんね、セブ。せっかくの時間に」
そういってはスネイプが出した紅茶にそっと口をつけた。
「へへ・・セブが煎れてくれた紅茶おいしい♪」
そう茶菓子の欠片を口端にてけにっこりと微笑む姿にスネイプの頬がやんわりと緩む。
「やれやれ・・・こういいところはまだまだ子供だな・・」
「みゅ?・ ・!」
スネイプは小さく笑うとそっと指で欠片をはらった。
は顔を真っ赤にさせてにへらと笑ってみせると、少しずつスネイプの顔が近付いてくる。
はそっと目を閉じて少し顔をあげた。
ドバキャアッ!!
「ぁあらっ!ここにいたのね♪vvv」
「もうっ!ハーマイオニー!!!スネイプ先生なら妨害しなくていいのよ!?」
「何言ってるのよ!そろそろ寮に戻る時間なのよ!さっ帰るわよvvvvv」
「あぁっもうっ!すいません!スネイプ教授!私がちゃんとハーマイオニー監視しておかなかったからっ!」
「ジニー!」
「わかってるってば!でわっ明日はちゃんとお二人の時間作りますからね♪でわ!」
「・・・・ちっ、グレンジャーめ」
嵐のごとく現れて去っていったハーマイオニーとジニー・・・;
が連れ去られ開け放たれた扉をスネイプは苦々しそうに、また楽しそうに見つめていた。
ドラコの件はの口からハリー達にも伝えられた。
ハリー達は驚きの顔が隠せず、ハーマイオニーはさらにが目のつくところにいないと
狂ったように慌てるようになった。
ミカエルはまだの元に帰ってこないが、はいくらか元気そうだった。
「「!クィディッチの練習するんだ。一緒に箒に乗らないかい?」」
「・・・二人で誘ってくれるなんて珍しいね〜」
ある朝、ジニーと大広間へ向かうと同時に二人に話しかけられた。
フレッドとジョージかと思い振り返ると、そこには赤のクィディッチユニフォームを着たハリーと
緑のユニフォームを着たドラコが立っていた。
二人が一緒に声かけるなんて珍しいと思うだが、本人達はお互いを睨み合っている。
どうやら偶然に声をかけてしまったらしい。
ドラコがに踏み出し、ニッコリと微笑んだ。
「ごめん。僕と一緒に行こう!チームの奴らもが来るの楽しみに待っているんだ」
そういってそっとの手をとる。ドラコの先手!さあっどう封じるハリー!
「vvマクゴナガル先生が少しなら試合に参加していいってよ!」
「本当っvvv」
ハリー誘導作戦にさんの目が輝きました!ハリー一歩リード!だがドラコも負けません!
「!今日はスネイプ教授が監督してくださるんだよ♪」
ズッキューン。
この一言での表情が一気に明るくなる。
もしに猫尻尾があったなら、もう嬉しさのあまり振り撒くっていただろう。
ドラコを睨みつけていたジニーもスネイプと聞いて、「いってきなよ〜」とを大プッシュ。
ハリーはスネイプにたち打ちできるはずもなく、がっくりと肩を落とす姿にドラコは勝ち誇った笑みを浮かべた。
「さっ行こう!♪」
「うん♪」
ドラコはとスネイプのことはこの間の件で知ったのだ。
表面上では2人の事を応援してみせるが、内心は「の心を奪ってやるぜ!」と意気揚々なドラコ。
さすがスリザリン生!
ドラコとが歩き始めると進行方向先からスネイプが足早に歩いてきた。
ドラコの姿を見付けるとすまなさそうな・・・でも不機嫌そうな表情を向けた。
「すまんな。マルフォイ。今朝緊急な会議があってな・・予定がすべて遅れてしまっているのだ。
もうしわけないが練習監督をマダムフーチに頼んでおいた。
ところでミス・。手伝ってほしいことがあるのだが・・・」
視線をドラコからへと写すと、スネイプはの肩に手を回し歩き始めた。
一瞬ドラコに勝ち誇った顔をしたのは気のせいではないだろう。
ドラコはあんぐりと口を開け、二人の後ろ姿を見つめていた。
ちょんちょんと誰かがドラコの肩をつつく。
「今回ばかりは君に同情するよ、マルフォイ・・」
「ふんお前にもな、ポッター」
二人は深い溜め息をついて慰めあった。「やっぱりお似合いよね〜♪」二人の横でジニーはホウッとつく
溜息にハリーとドラコはさらに落ち込んだというのいうまでもなく。
ミカエルが戻ってこない心配はあるものの、気にはいらんがポッターやマルフォイ達・・
そしてなぜか我輩とを応援(?)しているウィーズリー娘のおかげで、は笑顔が絶えなかった。
彼女の微笑みは我輩の心も落ち着かせる。
彼女にはもう・・・悲しむ顔はして欲しくないから・・・・・・
そう願っても・・・・現実はじつに・・・残酷なものである
ある朝、はハリー達と朝食をとっていた。
相変わらずの人気は高い。・・いや高すぎだ!!!
スネイプはいつも教員席からに変な虫が寄り付かないか、必死に監視をする毎日を送っていた。
もし、男子生徒が話しかけたりでもしたら問答無用でその寮から点数を引く。
なんと監督を務める自寮からも点数を引く始末・・・
「先輩〜vv」
「・・・・・・・スリザリン・・・・0.005点減点・・・・・・」
そう、目を細めに寄り付いているスリザリン1年男子生徒を睨みつけている、
スネイプを隣からダンブルドアがニコニコと笑いながら見つめていた。
「ふぉっふぉっふぉっvvvvセブルスよ、小数点とはセコイのおv」
「・・・・・・・・ほっといてください」
隣から爽やかオーラを必死で見まいと顔を逸らすスネイプ。
ふと、に目をやるとにっこりとこちらに笑顔を向けているがいた。
思わず微笑を返すスネイプ。
「いいのお・・若いもんはvのお・・・ミネルバvv」
「本当ですわね〜ほほほほ」
「・・・・・・この狸ジジイ・・・・・」
「何か言ったかね?vv」
「いいえ」
キラリと光るダンブルドアの目を無視して、スネイプは紅茶に口を付けた。
それと同時に、無数の梟が一斉に大平間に飛びこんでくる。
次々と自分の主へと届け物を落としてく梟。
は不安そうに天井を仰ぐ。だけどの姿はなかった・・・
残念そうに溜息をついて、ゴブレッドに手を伸ばした瞬間。
ガシャン!!
の目の前にが落ちてきた。
「!」
の大声に大広間静まり返った。
スネイプが慌てての元に走り寄る。
の目の前には怪我だらけで羽がところどころむしられている、の姿があった。
「!!」
「ミカ・・・!一体!!!」
はいつもの威勢は見るかけらもなく、弱々しく頭を上げてを仰いだ。
「・・・・・・グッ・・・・」
はフラフラとの腕になだれ込んだ。
「村に・・・・戻るな・・・・・・・・」
スネイプはバッと教員席にいるダンブルドアを見た。
そこには険しい顔でたたずんでいるダンブルドアの姿があった。