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「やぁ、セブルス♪一年振りv」

「よぉ、陰険。数ヶ月降り」



「・・・・帰れ。イヌ共」


































「客人」














スネイプがの家に来てから数日たったある朝。
境内での魔法訓練をしていた二人の前に、二人の男が姿現しをしてきた。
にっこりと「いらっしゃい」と微笑むに、汚いものでも見るかのように顔を歪めるスネイプ。

一人の男は少し長い鳶色の髪を後ろで小さく結び、麻色のシャツにジーンズ。
もう一人の男は長身で短く切った黒い髪に黒いシャツに黒いジーンズ・・。

は二人のところに駆け寄り、鳶色の髪をした男に抱きついた。



「久しぶり!リーマスおじさん!」


「ははっ元気そうだねぇ、。」



リーマスと呼ばれた男は優しく目を細めての頭を撫でた。
もにっこりとリーマスを見上げ隣に立っている男に視線を移す。


「シリウスおじさんも元気そうだね!」

「あぁ!」


シリウスはイタズラぽくウインクをした。




「貴様、何のうのうと日の下に出ている」


の背後で冷たく不機嫌そうな声がした。
スネイプは今にも杖をシリウスに向ける勢いで睨みつけている。
その証拠に腕を組んでいる彼の手が震えていて・・シリウスも負けじとスネイプを睨みつけた。



「ぁあ?そういうお前もこんな所にいていいのかよ!?だいだいてめぇの棲みかは
くっらーいじめったらしい地下だろうが、帰れ!万年蒼白男!」




二人の間に殺気だった空気が流れる。
はオロオロとして交互に二人を見つめた。


「ねっねえ・・二人ともやめてよ!握手したでしょ!?」


そう、あの日・・惨劇となった第三試合の翌朝、ヴォルデモート卿が復活した今、
少しでも多くの者が結束しなければならないとダンブルドアに口説かれ、
過去は水に流そうと嫌々にも・・いやそれ以上の憎しみをこめながらだが握手したのだ。
シリウスは思いっきり顔歪めてを見つめる。



「思い出させないでくれよ・・〜こいつと握手なんて俺の人生最大の汚点なんだから!」

「はっ!それは我輩のセリフだ。鋲を仕込まなかっただけありがたく思え。」

「あんだと、てめぇ!俺は釘を仕込みたかったんだが校長の顔に免じて
てめえの死人並の手に握手してやったんだ!てめぇこそ。俺に礼しろよ」

「何ふざけたことを!!次は撒き菱を仕込み貴様の手二度と使えんようにしてくれようか!」

「ほ〜?それなら俺はナメクジで―」




「いい加減にしなさーい!」


怒りが触発寸前、2人の耳にの怒鳴り声が響く。
驚いてを見つめるスネイプとシリウス。は頬を膨らませて
2人を睨みあげていた。


「まったくー!大人げないんだからー!!」

「ほんとうだねv君たちいくつになるんだい?」


リーマスがの後ろでクスクスと笑いながら口を挟む。

「困るよ〜?子供な大人は〜ねぇ?v」




ムッカァ



ルーピンの言葉にムッとする2人。
ギラッと睨みつけるが、リーマスはニコニコと微笑み返し。
は溜息をついてスネイプの腕にそっと自分の腕を回す。


「ねぇ?セブ・・セブもシリウスおじさんもリーマスおじさんもお客さんなんだからね?」


「そうそう。ゲストだよ?それにもうすぐハリー達も来るんだし」

「お!ハリーが来るのか!!」

「なっ・・・・聞いていないぞ!!!」

「だって今言ったんだし?」

ルーピンはニッコリと笑いながらの頭を撫でた。
はハリー達と聞いて、パアっと笑顔になる。


「ハリー達今日来るの!?」

「うんvもう来るはずだよ?」










ー!!!」



「ほらねv」



鳥居の向こうから3人の人影が見えた。
ハーマイオニーがニッコリと手を振りながら、こちらに走ってくる。
その後ろにはハリーとロンが辺りを珍しそうに眺めながら歩いてきて・・


v会いたかったわ〜vvv」

「うわあvvハーマイオニー!!!いらっしゃいvv」


ハーマイオニーはに抱きついて、頬を摺り寄せた。
はくすぐったそうに目を細め、ハーマイオニーに抱きつく。
それをうらやましそうに見つめるルーピン・シリウス・スネイプ・・・・
なんか目が怖いです・・お三方!!


([俺・私・我輩]もに抱きつきたい!!)



元気にしてたかい!!」

「ハリー!ロン!!!」


ハーマイオニーに抱きつきながら、顔を上げるとハリーとロンがすぐ後ろにいた。
はにっこりと「元気だったよvハリーとロンも元気そうだねv」と微笑む。






ハヤトたちも出てきて久しぶりの再会を果たし、ハリー達はそれぞれ客間へと案内され荷物をおろした。
















「わ〜vvここがのお部屋なのね〜vvv」

「へぇ〜これが畳ってやつか〜」

「ねぇ、これはなんだい?」

ハリー・ロン・ハーマイオニーはの部屋をおもしろうそうに見渡す。
ハリーは壁にかけてあった服を指差して、に振り返った。

「うん?あっそれはねユカタっていうのよv日本の夏限定の民族衣装のようなものよ。
今夜から5日間、近くの村でお祭りがるのvユカタはお祭りなどでよく着るのよvv」

「ユカタか〜可愛い模様ねvv」

ハーマイオニーはうっとりした表情でユカタを眺めた。


が着たらさぞかわいいことでしょうねvvカメラ持ってきてよかたわvvv)

ハーマイオニー、なにやら笑顔が怖いですv
お祭りと聞いてロンの表情が明るくなる。


「お祭りがあるのかい!?」

「うんvだから皆で行こうよvv皆のユカタも用意してあるんだからv」

「本当!!」

ハリーとハーマイオニーも一気に表情が明るくなる。
はニッコリと笑って頷いた。


「お祭りは夕方からだから、それまで私の家を案内するよv」


ハリーはそんなの笑顔に、心を撫でおろした。
去年はをいろんなことに巻き込んでしまい(はそう思ってはいなかったが)
クィディッチの最終試合ではあんなことになってしまった・・・
あのときはなんとか逃げ切ったが、ヴォルデモートは生きているんだ。

自分に関わったことで、はヴォルデモートに目をつけられたとハリーは思っていた。

(実際、ハリーを通しての存在能力がムーディに知られヴォルデモートの耳に入ったのだが
は微塵もそんなことを気にしていなかった。確かにヴォルデモートに目を付けられ眠れない日々が
続くがそれはハリーのせいだとは思ってなかったのだ。)


今、目の前にいる少女は楽しそうに微笑んでいる。

少なくとも今は落ち着いているようなので、ハリーはホッとしたのだ。











































「おい、陰険もう少し離れて座れ」

「何とち狂ったことをのたまいている、貴様は縁側につながれていろ、

「ははー!!お前ら相変わらず仲悪いな〜」


睨みあう、スネイプとシリウスを眺めながらハヤトは面白そうに笑った。
ルーピンも「ほんと、大人げないでしょう?」と笑う。




「お前ら少しは俺を見習って大人になれよな〜」

「「黙れ!鳥!!!」」

スネイプとシリウスが嘲け笑うミカエルを睨みつけてはもった。


「鳥言うなぁ!!!」

「見たまんまじゃねぇか!!!焼いて食うぞ!!!」

「左様!鳥は鳥らしく籠に入っておれ!実験材料にしてくれようか!!!」

「んだとお!!テメーは犬じゃねえか!!!首輪どうした!!え?野良か?
っつーか!!セブルス!テメーはここ来たときからズケズケと〜」




「はいはいはいはい!ミカエル〜邪魔よv」


ベシ!!



「ぎゃん!」




シリウスとスネイプに飛びかかろうとしたミカエルをナツキが弾き飛ばした。
目が回ったミカエルはフラフラとハヤトに抱きかかえられる。



「まーったくー!ミカエル?あれほどお膳に乗るなと言ったじゃないv
いい加減にしないと明日の夕飯は鷹の焼き鳥よvv
そ・し・てv黒いの2人?あんまり五月蝿いと土に首だけだして埋めるわよ?」


サラリと脅しをかけるナツキに、シリウスとスネイプは一瞬にして固まった。
ナツキは笑ってはいるが、背後に背負っている空気が


(しばくぞこら)


オーラである。

「2人とも?ここにいる間は仲良くね?」

ナツキはさらに微笑みながら2人に振り返った。


「「・・・・・・・・・・」」




「返事は?vvこら

「「はい・・・・」」




おとなしく頷く2人を見つめながら、ハヤトとルーピンはやれやれと深い溜息をついて笑った。



「さあて、旧友揃ったことだし!!一杯やるか!!だが呑みすぎるなよ?
夜には祭りに行くからな!!」


「一番呑むのはお前だろうが・・・・・・」

「だな・・・・」


突っ込みを入れるスネイプにシリウスも頷いた。



















































夕方になって、一行は隣村へと向かった。


スネイプの前に現われたはエメラルドグリーンに赤や黄色の朝顔の絵が施された浴衣を着ていて、
なんともかわいらしい。そんな恋人の姿に、思わずスネイプは顔を赤くした。


「へへ・・・・似合うかなあ・・・・」

「/////////・・・っあ・・・・」

「セ・・・セブ?」

「あっ・・あぁ・・・とてもかわいい・・」


そういってスネイプはを自分へと抱き寄せる。





























「きゃ〜かわいい〜vvv」


とハーマイオニーが突進してきて、スネイプからをベリッと音が聞えてきそうな勢いではがした。
ハーマイオニーも紺色に可愛らしい金魚の絵が入った浴衣をきていて、なんとも女の子らしい。
ハーマイオニーはスネイプに黒い笑みを浮かべるとスネイプの目の前でに抱きついた。
その姿にスネイプの眉間に皺が寄る。


「グレンジャー・・・・何をする」

「あら、嫌ですわvスネイプ教授vを独り占めだなんて許しませんわよ?」

「グリフィンドールから・・・・」

「先生〜今は夏休みなんですよね〜♪」


背後で楽しそうな声がした。
振り返ると、浴衣を着たハリーとロンがニッコリと笑いながら立っている。


「まさか、夏休みまで減点ですか?」

「・・・・っち」

スネイプはハリーを冷たい目つきで見下ろすと小さく舌打ちをした。
ハーマイオニーはクスッと小さく笑って、の背中を押してスネイプの前に押しやる。
一瞬驚いて固まるスネイプ。


「なんてねv夏休みくらいゆっくり恋人の時間過ごしたいでしょうからv
でも!新学期始まったらは渡しませんことよ?」

ハーマイオニーは先ほどの黒い笑みではなく、可愛い笑顔での頭を撫でた。
さらに驚いて目を見開くスネイプだが、すぐに不敵な笑いを浮かべる。

「ほう?言ってくれるではないかグレンジャー。我輩も簡単には渡さん」

そういって、自分へとを引き寄せる。
当のは2人のやりとりに顔を真っ赤にさせていた。

「あのう・・私に選ぶ権利はないのぉ〜?」

そう、あたわたするにハーマイオニー達はクスッと笑った。
スネイプはすぐ真剣な顔でハリー達を見下ろす。
学校で見せる表情、だけど嫌悪の篭った表情ではなく・・・・


「さて・・・・用意ができたところで・・・不本意ではあるがこの夏は我輩が貴様らの面倒をみる。
ここは幾重にも結界が施されてはいるが・・・油断はせんようにな。
特にポッター・・きさま・・・いや・・君だ。わかったかね?」

「は・・・はい」


ハリーは少し戸惑ったような表情をしたが、真っ直ぐにスネイプを見つめ返した。
スネイプはハリーの言葉に頷き、ロンとハーマイオニーの顔を見た。

「君たちも同じことだ。我輩の寮生ではないにしろ、大事なホグワーツ生徒だからな。」

ロンとハーマイオニーも真剣に頷く。
スネイプはそういうとの頭を撫でて微笑んだ。


「まあ、不幸か幸か・・・黒犬どももいるからな・・・大丈夫だろう・・・」

「犬・・犬って・・・てめぇ・・・・・」

シリウスがいつの間にかスネイプの後ろに立って、腕組みをしていた。
スネイプは少し冷たい視線でシリウスを睨む。

「なんだ、いたのか

「犬じゃねえ!!!」

「お手」

「おう♪・・・・・・・・!!!はあっ!!!」

「ほれ、犬ではないか」

薄く笑いながら手を出すスネイプに、反射的にお手をしてまう。
シリウスはショックを受けたような表情でハリーにもたれかかった。

「ちっきしょう・・・ハリ〜・・・こいつやっぱ陰険だあ・・・・・」

「シリウスおじさんかっこわる・・・」

「ハ・・ハリーまで・・・!!」

ハリーは苦笑いして、シリウスの頭を撫でた。
ちょうどルーピンが顔を出して、皆に微笑む。





「さあ!皆お祭りに行こう!!!」












賑やかな夏休みになりそうだ





と手をつなぎながら、外へ出るスネイプは心の中で呟き苦笑いをした。
でもその表情はどこか楽しそうだった。











ようやく・・続編UP・・・・なんか原作無視しはじめてるよ・・・
スネとハリー、スネとシリウスの仲が良くなりそうな気配だよ・・・ヒー