37黒い犬









翌日、四人はホグズミードの村はずれまでやってきた。
柵の外側に大きな黒い犬が尻尾を振ってこちらをみている。





































「秘密暴露」



















大きな黒い犬に案内されて、達は山の麓の洞窟へと入っていった。
黒い犬がみるみると人間に変わっていく。

「やぁ、ハリー・ロン・ハーマイオニー久しぶりだな。、ホグワーツにだいぶ慣れたようだな」

「うん♪毎日が楽しいよ!シリウス!」

「そうか。それはよかった」


二人が話すのをハリー達が何か聞きたそうなのを察し、シリウスが口を開く。


「あー。俺はずっとの家にかくまってもらってたんだ。まさか日本にいたなんて誰も思わないだろう?」

そう笑うとハリーが持ってきた鶏のモモ肉にかじりついた。


「さて、ハリー。君の話を聞く前に・・、ヴォルデモートと対峙した時のことを教えてくれ」

シリウスの目が真っ直ぐを見つめたが、は慌てたようにそわそわしている。


「?、どうした?」

「ヴォルデモートだって?!どういうこと!」

「対峙したって、あいつは力を失ったはずだろう!?」


ハリー達はの肩をガッと掴み、の顔を覗きこむ。
シリウスは驚いて目を丸くした。


「話していなかったのか・・・」

「う・・うん。セブ・・・先生や父さん達にも言わない方がいいって・・・」

そういうとは俯いてしまった。


・・お願い。話して」

ハリーは優しくの頭を撫でた。


「うん・・」



(また、セブっ言ったわ・・セブって誰なの?)



そう聞きたい言葉を飲み込みハーマイオニーもを見つめる。
はあの日、ハリー達に医務室に運ばれて来たことから話し始めた。
首筋に呪いの印ができていたこと。呪いを消すために自分の精神世界に飛び込み、
そこでもう一人の自分と戦ったこと。
そして、古い館でヴォルデモートで遭ったこと。


「ヴォルデモートは言ったわ。[見つけた。陰陽の姫巫女。古の女王の力を持つ子供]って・・」


はカタカタと震えた。そっとハーマイオニーがを抱きしめる。
は震えながらも話を続けた。


「そう言われた瞬間、あいつの目が光って私の体からたくさんの血が・・
[痛い]と思うと同時に・・私は・・まるで私の中に閉じ込められているように声が出せなくて、
動けなくて・・目の前に・・セブがいるのに・・抱きつきたいのに・・その手を振り払って・・・あ・あいつに・・いやあっ!


は耐えきれずに声をあげた。ポロポロと涙が溢れる。
ハリー達は自分が知らないところで、がこんなにも苦しんでいたのかと胸が締め付けられるようだった。

思い出すだけでも辛いはずだ。

それなのにまたこうして話をさせている。
シリウスは申し訳ないことをしたと顔をしかめ、の頭を撫でた。


「悪かった・・。思い出させてしまったな・・だが・・奴は・・とうとうに目をつけたか・・ハヤトにそのことは?」

「もちろん話したよ。ただ、古の女王っと言ったらひどく驚いてた。シリウスわかる?」

「いや・・私には何のことだか・・」


静まりかえる洞窟・・ハリー達はまさかが巻き込まれていたなんて思ってもなく、
ただ驚くだけで・・ハリーはスッと顔上げを抱きよせた。


「ハッ・・・ハリー?」

「約束して?次何かあった時は話してね?僕達友だちだろう?」


ロンもハーマイオニーも苦しそうな表情でを抱きしめた。

「ね?

「うん・・・」


そんな四人をシリウスは暖かい表情で見守っていた。


(この子達なら・再び訪れるやもしれない暗黒の時を乗り越えてくれるだろう・・・)


、何かあったら私にもフクロウを送ってくれよ?ハリー君にも聞きたいことがあるんだ。」


ハリーは頷くとの頭を撫でシリウスに向き直った。


ハリーの口から出てくることはほとんどにとって初めて聞くことばかりだった。

クィディッチワールドカップで起きた事件のこと。
行方不明になっている魔女のこと。
しもべ妖精を解雇した、今回対抗試合の審査員になっている魔法使いのこと。

いろんなことがいっぺんに頭の中に押し込められて
は頭がパンクしそうだった・・・が・・・・・・


ハリーが透明マントを被ってスネイプの部屋に近づいた時のことと、
昨日のカルカロフのことだけは頭が冴えてきた。
やはりこれは恋人パワーなのだろうか・・そう心の中で微笑しつつ、ハリーの話に耳を傾ける。



「あいつは絶対研究室になにか隠しているんだ!」

「あぁ・・・あいつは学生時代から気味の悪い子だったよ・・」


む・・・・

「ゴブレットに名前入れたのもスネイプじゃないのか?」

「でもねえ・・今回ばかりはスネイプじゃないと思うわ・・ダンブルドアだってスネイプのこと信用しているし」

「でもそれは何かやり直すチャンスを与えているんだろう?奴の腹の底はわかったもんじゃないさ」


むむ・・

「やっぱりスネイプじゃないのか?」

「う〜んでも・・」

「絶対スネイプだって!」


「違うもん!」


「えっ・・?」

しばらく黙っていたがいきなり声を上げたので全員呆気にとられた。
ぷうっ頬膨らませ、睨みつけてくる。
・・・のだがそれはかわいいとしか言いようがなくて・・


「セブはそんな人じゃないよ・・たしかに暗いかもしれないけど!ハリーの名前いれてないよ!」





「・・・・・セブ?セブってスネイプのことかしら??」

「うん!そうだよv・・・・あ・・」


はしまったという顔をしてパッと口に手を置いた。
ハーマイオニーが黒い笑みを浮かべる。
ハリー の眼鏡が怪しく開く。
シリウスとロンはポカンと口を開きを見つめて・・


「ああら?。ずいぶんとスネイプと仲良さそうじゃない〜?」

じりじりとに迫るハーマイオニー。


「あわわ・・あの・・その・・ほら!私いつも先生のところに行ってるから!ねっ」

「にしてもさぁ?相手はスリザリン寮監だよぉ?そんな人相手にニックネームで呼ぶかなぁ?」


ハリーも眼鏡を光らせにせまる。
壁際に追い詰められて、わたわたする


「さ〜?話しなさい?」

「え?なっ何を〜?」


焦りながらもしらばっくれな笑みを向ける



「ああら?話さないつもり?そうくるなら・・・」

「え?・・!?きゃあっあはっいやっやめてぇ!!」


ハーマイオニーはキラリと目を光らせると、の脇腹をくすぐった。


「さあ〜?話すつもりになったかしらぁ〜?」

「わかったぁ!話す!話すからぁ!」


は息を整えて座り直した。






「えっと・・・・その・・セブ・・・・いやさ・・スネイプ先生と私は今現、在恋人街道まっしぐらだったりするのであります。はい・・」
































「「まじかよ!!」」







ロンとシリウスは同時に声を上げた。
だがハーマイオニーとハリーはやっぱりねと頷く。



「ちょっと!二人とも驚かないのかよ!相手はあのスネイプだぞ!!
スネイプだぜ?あの・・陰険だぞ!?贔屓だぞ!!!ねっとりだぞ!!
しかもだぞ!!!その相手があれだぞ!!!」

「そうだ!!私の知っている限りあいつに良い所なんて微塵もない!!
血色悪いわ、嫌味ったらしいわ、地下住人だわ・・
考え直せ!!今ならまだ間に合う!!年だって離れすぎだ!!
考えてもみろ!お前の父親と同期の奴だぞ!!」



「2人ともひどーいぃ・・・・・」

は顔をしかめて2人を睨んだ。

「でもでもっ本当に皆が思っているような人じゃないのよ!?
優しいし、親切だし・・・しかもセブのいれてくれる紅茶おいしんだからっvv」

「「!!!君は幻影に惑わされている!!!」」

「ねーハーマイオニー?この2人殴ってもいい?」


怒った顔をして自分を見てくるにハーマイオニーは思わず噴出した。

「まあ・・驚くのも無理はないわよ・・。
でもそんなところだと思っていたわ。が退院してきてからのあなた達の態度!」

「そうそう・・・にだけ態度ガラリと変えやがってくれるからね・・」

「ハリー・・なんか目怖いぃ・・」

「ん?なに、に対してじゃないから安心してよv」

シリウスは眩暈を感じながらも、しっかりと頭の中で必死に整頓をした。


「で・・?いつからなんだ??・・・その・・あいつとそんな仲になったのは」


「うん・・・じつはセブ・・・あっ・・スネイプ先・・」
「いいわよ?。呼びやすいように・・」
「うんvじつはね、私自分の力で自分の精神から出てこなきゃならなかったんだけど、
その精神のなかでヴォルデモートに捕まってしまったの・・・それを助けに来てくれたのがセブだった・・・」

そういうとはほんのりと頬を赤くした。
そんな様子にシリウスはやれやれと深い溜息をついて、優しく微笑む。

がそこまで言うのなら・・今回奴はまだ何もしてないだろう・・
・・その・・・・酷なことを頼むようで悪いのだが・・」

「うん・・セブのことでしょう?何かあったら知らせるよ・・・
私もね・・まだセブのことわからないことたくさんあるんだ・・きっと今は言えないことなんだと思う。
でもね・・私はセブのこと信じられるとおもっているよ?」

そうにっこり笑うにシリウスもつられて笑った。


(次、あいつとあったら1発殴ってやるか。・・・・いや10発は殴らねえとな・・)



こんな可愛い子たぶらかしやがって!





































































「セブ〜vvお土産です!!はい!!ホグズミード限定、ハーブティー缶vv」

「ありがとう・・・・・・・・・・・・・・・・・?今日何か動物にでも触れたかね?」

「え?」


はドキッとした。
スネイプはの肩へと鼻を近づける。

「獣の匂いがする・・それに・・ほれ・・犬か?その毛のようだ・・・」


スネイプはのローブについていた、黒い犬の毛を取ってに見せた。
は心の中でドキドキしながら表情は平静を必死に保つ。

「あーうん!今日村にね大きな黒い犬がいて・・それでだと思うよ?」

「そうか・・」


そう踵を返すとポットに日をつける。
がお土産に買ってきた。紅茶の缶を軽く持ち上げ

「早速いただこう。飲むだろう?」

に優しく微笑んだ。


「うん!!じゃあ!カップ用意するねv」


もニッコリと笑うと、棚から二つティーカップを取り出した。



(ふへー危な〜い。そうよ・・シリウスのことはセブに話したら大変なんだからっ)














「あ・・・あのね・・・セブ・・・」


はハッと思い出しておどおどしながら、スネイプを見上げた。
不思議そうにを見つめ返す。




「なにかね?」









「ハリー達にばれちゃった・・セブとのこと・・・」


「・・・・なっ・・・」

「あう・・ご・・ごめんなさぃ!!」


少し青ざめて目を見開いたスネイプには手を合わせてギュッと目をつぶった。










(あぁ!怒られる!!絶対怒られるよう!!!)











だが彼から聞えてきた言葉は・・・




「・・・まぁ・・いずれわかることか・・なにかあればポッター共に罰を与えればいいだけのこと・・気にするな。」






そう何か思いついたような笑みを浮べ、スネイプはポットに紅茶の葉を入れた。
はハハッとカラ笑いをする・・・





「セブ・・お願いだからっあまりハリーいじめないでよ?」

「さあなぁ?ポッター次第と言っておこうか」

「セブ〜・・・・」




そして今夜もまた穏やかに時が流れていく。













だけど、スネイプとは思いもしなかっただろう・・
翌日から、今まで以上に2人の時間を2人の生徒によって妨害されるとは・・・・・


















なんかとってつけたような出かたの黒犬!!
そして2人の関係ばれましたなvはっはー!!(沈めろ)