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「うー・・これも違う・・・どうしよう・・・・・・・」
「みゅう・・・この本はどうかな・・・・・」
「第二試合」
グリフィンドール寮の談話室でとハリー膨大な量の本に囲まれていた。
第二試合の前夜。今度の試験は水中・・・水の中で1時間息をする方法を2人で必死に
探していたのだ。ロンとハーマイオニーはマクゴナガル先生に呼ばれたきり
帰ってこない。二人は必死にヒントを探すが全く見つからなかった。
気づけば午前十二時を過ぎている・・・・
ハリーは「はあー」と深い溜息をついた・・・
「・・・・どう・・?・・・・・って・・・?」
はテーブルの上に突っ伏せて小さな寝息をてていた。
仕方ない・・退院してまだ本調子じゃないはずなのに
必死に自分のために調べてくれているのだから。
ハリーはなぜが入院したのか知らなかった。
体の調子が悪かったぐらいにしか思っていなかったし、自身も話そうとしなかった。
一度、スネイプが
「元はといえばポッター絡みでは巻き込まれたのだ。文句一つでも言う権利はあるだろうが」
と言ったがそれでもはハリーにはもちろん、誰に呪いにかけられたなどと口外しなかった。
「なぜ、だけ・・こんな目に遭わなければならんのだ」と苛つくスネイプには苦笑いをした。
ハリーはヤのローブをかけてやると。
透明マントを被り寮から出て行った。
「「姫!こんなところで寝るなんて風邪を引きますぞ!!」」
「んー・・・・・ふぇ・・・あれ?」
は寝ぼけ眼で返事をした。
どうやらあのまま寝てしまったらしい・・
(あぁ・・ハリーに申し訳ないことをしたな・・・・)
ハリーは談話室にはいなかった。先にいったのだろうか?
(方法見つけたのかな?)
そうぼんやりと考えていると。
明るい大きな声がの鼓膜を刺激する。
「「さあ!姫!朝食の時間ですぞ!!」」
ロンとハーマイオニーも寮にはいなかった。
後で会えるかとはフレッドとジョージ、そしてちょうど談話室に降りてきた、
ジニーと4人で大広間へ向かった。
「は初めて試合見るんだよね?!」
トーストをかじるにジニーが目を輝かせて聞いてきた。
「うんv初めてだよ」
「でも、本当のクィディッチの試合はもっと凄いんだぜ?」
フレッドが身を乗り出してきた。ジョージも力強くフォークを握り目をキラキラと光らせる。
「そうだとも!あの風を切る音!!いつブラッジャーが飛んでくるかわからない不安!!!」
「「たまらないね!!」」
そう力説する2人にも目を輝かせて話に夢中になった。
「朝から騒がしい奴らだな」
冷たい声がした。
振り向くとドラコがクラッブ・ゴイルを従えてたっていた。
冷たく嘲るような笑みを浮べ、フレッドとジョージを見据えて。
「あ。おはよう!ドラコ」
ニッコリと微笑むにドラコは少しだけ優しい表情で挨拶を返す。
フレッド・ジョージそしてジニーはドラコを睨みつけると何もなかったように
朝食に手をつける。
「ねv、もっと食べなきゃ!!また倒れちゃうよ!!」
「「そうでございますぞ!姫!!」」
苦笑いをしてジニーからマッシュポテトを受けとるの肩にドラコの
手が置かれた。「なあに?」と振り向くと、少し顔を赤くしたドラコが
少し戸惑いがちに口を開く。
「今日の試合一緒に観にいこう、いいだろ?」
「あーうんvいい・・」
「ダメーーーーー!」
の声を遮りジニーの怒鳴り声が響いた。
一瞬大広間がシンと静まり返ったが、またガヤガヤとざわついてくる・・・
ジニーはドラコを睨みつけ、の手をしっかり握った。
「なんでがあなたと観なきゃいけないの!!!」
「いや・・ジニー・・別に私は・・・」
「は黙ってて!!!」
「・・・・はい・・(泣)」
ジニーの凄い剣幕には従うしかなかった。
フレッドとジョージも拳を震わせドラコを睨みつけている。
ドラコはジニーを見下すとフンと鼻で笑った。
「黙れよ、は僕と行くと言ったんだ。お前には関係ない」
そうグイッとのもう片方の手をとった。
ジニーは慌てたように口をあけキッとドラコを睨みつけた。
「はっ離しなさいよ!!はあんたなんかに似合わないわ!!!」
(にはスネイプ先生がお似合いなのよ!!!邪魔させないわ!!!)
そう、ジニーは心密かにとスネイプをくっつけようと企んでいたのだ。
本当はもうくっついているのだが、口外していないのでジニーも知らない。
大声をあげ、の手を掴んでいた力を少し強めた。
「はね!私と一緒にみるの!あとついでに兄さんたちも!」
「「ついでかよ」」
おい!とジニーの肩に突っ込みをいれる2人。
タイミングがあっててさすが!双子!!
ジニーはフレッドとジョージを睨みつけると
「あたりまえでしょ!!変な虫がついたらをお嫁にやれないわ!!!」
どうやらジニーの頭の中にはすでにをスネイプの花嫁にするところまで
プランが立てられているらしい・・・・ジニーの凄まじい形相に双子はただ従うしかなかった。
だがこれで引き下がるドラコではない。
グイッと自分の方へを引き寄せた。
の顔が痛みで一瞬引きつる。次第に周りにいた生徒も異様な空気に気づき始めた。
ジニーは慌てての手を握っていた力を弱める。でも離すわけにはいかない。
「ちょっ!!が痛がっているでしょう!!?!?離しなさいよ!!」
「ふん!お前が離せばいいだろうが。お前もあの穢れた血と一緒かよ」
「なっ!何てことを!!今の言葉撤回しなさいよ!!ハーマイオニーに謝りなさいよ!」
「いないだろ?ここには・・・・な?行こう、」
「行かせないわよ!!には・・・」
「何をしている」
の真上で低い良く響く、そして聞きなれた声がした。
「スネイプ先生・・・」
は助けを求めるような表情でスネイプを見上げた。
スネイプは一瞬眉をピクと上げると、ジニーとドラコを睨みつける。
「ミス・は痛がっているようだが?いい加減離してあげたらどうなのかね」
ジニーとドラコは真っ青になってパッとから手を離した。
スネイプはフンと鼻で笑うとの方を向いた。
「ミス・。君は教員席で観戦してもらうことになっている。
朝食がすんだらここにいなさい。我輩と競技場へ」
「はい、先生」
そう言うとスネイプはもう一度ドラコを睨みつけると、教員席につき朝食をとり始めた。
ドラコは真っ青になりながらスネイプを見つめていた。
ジニーはニッコリとしての手をクイクイと引っ張る。
「さv食べましょう!」
ジニーは上機嫌だった。なぜならスネイプとは一緒に観戦することになったのだたから願ったり叶ったりvv
ふふっふふふーとにやけっぱなしのジニーにフレッドとジョージは変な顔をした。
「でも、なんでは教員席で観戦しないといけないんだ?」
フレッドがミニトマトをフォークに刺しながら呟いた。
ジニーは「そんなことどうでもいいじゃない」と唸ったが、ジョージも気になるようだ。
は首を傾げながら
「うーん・・念のためなんじゃないかな?ほらマダムポンフリーの近くなら比較的安心だし」
そういうとフレッドとジョージは納得したように頷いた。
でも本当は違う。
きっと・・を監視するため。
呪いをかけた者はまだわかっていない。
そんな状況でを大勢の中にいさせるわけにはいかない。
そうぼんやりと思いながらはフォークを置いて手を合わせた。
「ごちそうさまv」
「で?マルフォイに一緒に行くと言ったのかね?」
競技場へと向かう途中、先ほどの騒ぎはなんだねと聞かれて説明すると
スネイプは少し不機嫌になったようだ。眉間の皺を一層と深くし舌打ちを一回した。
は苦笑いをすると「えぇ・・まあ・・」と曖昧に頷く。
スネイプは盛大に溜息をついた。
「あまり他の男と一緒に・・・というのは避けてほしいものだな」
「先生・・それって自己中・・・」
「ふん・・我輩は独占欲が強いからな」
「・・ひー・・」
「なんだその悲鳴は・・」
そう苦笑いをしての頭を優しく撫でた。スネイプの手が心地よくて
思わず目を細める。ニッコリとスネイプを見上げると
「あ・・・そのマフラー・・・・」
はスネイプが巻きつけているマフラーに目をとられた。
その色・・形・・・もしかして・・・
「あぁ。が我輩くれたものだ。使わせてもらっておる」
「へへ・・ありがとぉ・・」
優しく微笑むスネイプの表情がなんだかとても嬉しくて、でも恥ずかしいようなそんなくすぐったい
感触を覚えながらはほんのり頬を染めた。
そんな2人の後姿を眺めながら
「はあ・・・やっぱりお似合いv早く、くっつけたいv」
ジニーは夢見るように溜息をついた。
すでにくっついてますがね・・・ジニーさん。
競技場につくとは一瞬立ち止まった。
目の先にはムーディがこちらを見ていた。
魔法の目も、普通の目もにしっかりと注がれて。
の中で冷たい物が走る。
ムーディの視線がゆっくりとに絡み付いてくるようだった。
は無意識にギュッとスネイプのマントを握り締めた。
その瞬間、スネイプがの前に立ちふさがった。
無言でムーディを睨みつけるスネイプに怒りじみた目をするムーディ・・・
しばらく睨みあっていたが、ムーディは踵を返し、教員席へと消えていった。
不安そうに自分を見上げてくるに、スネイプは優しく微笑むと教員席へと手を引いて歩きはじめた。
試合観戦中はスネイプとマクゴナガルの間に座って観戦に夢中になった。
試合開始直後にハリーが飲み込んだ物にスネイプが一瞬眉をひそめていたが、
水中世界などの話をスネイプがしてくれあっという間に試合は終了を迎えた。
結果はハリーは時間をオーバーしたものの、失格にはならずにセドリックと同点。
もう、行ってもいいですよというマクゴナガルの言葉にはハリー達のもとへ走っていった。
ハリーに抱きつくをみて、
「おのれ・・・・ポッター・・・」
と呟くスネイプを、マクゴナガルが苦笑いしながら見ていたとかいなかったとか・・・
そしてその日は夜遅くまで、グリフィンドールではお祭り騒ぎが続いた。
ようやく本編に・・戻り・・・?
うん・・・早く進めていきましょうね