30亡霊







目が覚めた時こそ・・・・・・

告げる言葉が・・・・


泡となり消えていく・・・・・・・・・・・・























「愛し愛される者〜精神世界編〜」




























誰も動けなかった、部屋にはナツキだけのすすり泣きだけが響く・・・・




また・・・・

また救えなかった・・・・・




スネイプはガクンと膝を折り床に手をつき震えていた。



なぜ・・ここまで自分は無力なのだ!!






































シャン























部屋の中に音が響いた。
ハヤトは怪訝そうに辺りを見回す。




















シャン・・・・シャン・・・












音はだんだん大きくなり、スネイプも眉を顰め顔を上げた。

























シャン!

















「あ・・あ・・・・」


マクゴナガルは真っ青になりながら、が横たわっているベッドを指差した。
そこには狐の面を被った女の子がに寄り添うように座っていた。
の精神の中で出てきた、着物の少女。



シャン!









「陰陽ノ姫巫女、囚ワレタ・・・・」


カクンと首をかしげ、その少女は言った。
抑揚のない機械のような声・・・

全員がその少女の言葉に顔色を変える。


「姫巫女・・・・?・・ね!!あの子が囚われているの!?!?」


ナツキはその少女の肩を掴もうとした。
だが、その少女の肩をすり抜けていく。

「!!」


少女はもう一度言った。


「陰陽ノ姫巫女、囚ワレタ・・・・・・・・・・・助ケル・・・・・マダ助カル」






誰もが少女の言葉に耳を疑った。
目の前の少女は今、何と言った?


は助かるのか?


ナツキは床に手をついて少女を見上げた


「お願い!私はどうなってもいい!あの子をあの子を助けたいの!!!」







シャン!!


少女はスッと立ち上がった。
先ほどの機械のような声ではなく



「ナツキ・・・の母親。己の命もまた大事、粗末にするな。はまだ助かる」


仮面をつけているのにどこか威圧感を覚える口調・・・
ハヤトが一歩踏み出した


「本当に助かるのですか?ぜひ・・お力添えを・・・」


ハヤトも床に手をつき少女に懇願する・・・







シャン




少女はふっと天を仰いだ
















「愛し愛される者・・・・・それは誰?」












なぞなぞのような少女の言葉にその場にいた者は首をかしげた。


「愛し・・愛される者・・・・・?」

「・・・私ではだめでしょうか!あの子は私にとって大切な娘!!もちろんあの子を愛している!!」


少女は首を振った





「同じ血では助けられない・・・」











「そんな・・・・・・・・・・・・・・・?セブルス・・・?」


ハヤトは少女の前に歩み寄ったスネイプを不思議そうに見上げた。
少女は真っ直ぐスネイプを見つめた。











ハヤト達は直感した・・・・その役目はスネイプなのだと・・・・・














少女は小さな手をスネイプに差し出した。
そっと少女の小さな手に自分の大きな手を乗せる。
まるで空気の上に乗せているような感覚。





「茨の道ぞ?そなたにとっても・・・・覚悟は・・・・・」

「無論できている」

「ならば案内しましょう」





シャン!










まばゆい光が立ちこめ、少女は煙のように消えていた。
の上に覆いかぶさるようにして倒れているスネイプ。

「・・・・この男の精神も旅立ったか・・・・」

の祖父はスネイプの背中に手をあてると深い溜息をついた。



「彼にまかせるしかないようだな・・・・」



「頼んだぞ・・・セブルス・・・・・」


























































































「ここが・・・・の精神なのか・・・・?」



見渡す限り続く荒れた大地・・・空は紫色・・・・・・・

少女は首を振った


「本当のの精神はもっと穏やか・・・今は呪いに囚われているの。
これは呪いの精神とシンクロしているせい・・・」



ザーッと音がして振り返ると、スネイプは表情を強張らせた。
いつの間にか背後には大きな館がそびえていた。
重く黒い空気が辺りを覆い、寒気すら覚える・・
だがスネイプの反応はそれだけではなかった。

ガシッと左腕を掴み、その館を睨み上げる。


「ふ・・・なるほど・・・これは試練だな」





逃げも隠れもせん・・・・






スネイプはゆっくりと館の中に入っていった。





もう、失いたくないのだ・・・・


・・・お前だけは・・・・必ずこの手で・・・





















少女はスネイプが館へと消えて行くのをじっと見つめていた。









"助けてあげてね・・・・・お父さん・・・・"










お父さん!!誰やお前!!!っもう!
早くこの世界編終わらせな!!!次回で
精神世界編は完結です!!!