21 誰と?
「パートナーは?」
12月に入り、ぐんと寒くなってきた頃。
夕食後から就寝までの時間、はほとんど毎日のようにスネイプの部屋に通っていた。
喧嘩して、術式が失敗してそして仲直りをして・・・それからというもの、は以前よりもスネイプになつくようになった。
そして今日もはスネイプのところで、大好きな実験をやらせてもらっていた。
スネイプはそんなを愛しく眺めながら、レポートの採点をする。
「時に・・・セブルス」
スネイプの机の上で採点するのを見ていたが、ポツッと呟いた。
ちょうどが、器具を洗うために隣の部屋に行った時だった。
スネイプは羽ペンの動きを止め、をチラッと見る。
「なんだ、ミカエル」
「お前、俺がいない間にを泣かしたらしいじゃねえか・・・」
「・・・・・・・・そっそれは・・・」
言葉を詰まらせるスネイプにきらりと目を光らせる。
しばらくスネイプを睨みつけていたが
「まーなんだ・・ポッター絡みのことじゃしゃーねーか・・おまっえ、ジェームズにすっごい嫌悪感むき出しだったからな・・・」
「・・・すまないと思っている。」
「へっでも、その後が術式失敗したとき真っ先に駆け寄ったんだってな?
それにが意識を取り戻さなかった間、毎晩様子見に来てくれてたからな。まー許してやる」
そうふんぞり返るに、一瞬スネイプは眉を潜めたがそんなの姿に苦笑いをした。
はスネイプは来てくれなかったと思っているが、本当はが意識がない間毎日様子を見にきていたのだ。
毎日訪れてはの頭を優しく撫で、早く目が覚めることを祈った。
就寝間際に訪れていたので、そのことを知っているのはマダム・ポンフリーのみだった。
もしかしたらあのダンブルドア校長も知っていたかもいれないが・・・スネイプはマダム・ポンフリーに自分が来ていたことを
に言わないようにと頼んでいた。はそんなスネイプの姿を見ていたのだ。
そして今日も静かに時が過ぎていった。
翌日、変身術の授業終了間際にでマクゴナガル先生がクリスマスダンスパーティの話をした。
「三大魔法対抗試合の伝統でもあり、お客様と知り合う機会であります−」
授業が終わってハーマイオニーと2人で廊下に出ると
「クリスマスパーティ!!」
ハーマイオニーは夢見る表情で声をあげた。
「楽しみだわ!ねっはどんなドレスローブ?」
「持ってないよーってか私踊れないし出たくないし、家に帰るつもりだし」
そうサラッと答えるにハーマイオニーは口をあんぐり開けて固まった。
やがて首をブルブルっと振ってに詰め寄る。
「何、バカなこといっているのよ!!!クリスマスパーティよ!!」
そう握りこぶしをつくって熱く話すハーマイオニー。はハーマイオニーに押されながら
「でもねー」と呟いた。ハーマイオニーは何か納得したように頷き
「いいわ!!今日からダンスの特訓よ!大丈夫!私がちゃんと教えてあげるvv」
「え?いや?その・・だから家帰るって・・・・」
「さーそうと決まったら早速今日から特訓よ!!」
そしてその夜からハーマイオニーのダンスレッスンが始まった。
「最近、疲れているようだが?・・それに・・その・・あまりここに来てないようだが・・」
放課後、スネイプの部屋で紅茶を口に運ぶにスネイプは少し、躊躇しながら聞いてきた。
普通に考えれば生徒が軽々しく、教師の部屋に・・いくら実験の指導といっても毎日のように通うのはどうかと思うが、
突然、来る日がガクンと減ると気にしないでいられなかった。
「まさか意識しないうちにに酷いことをしたのではないだろうか」そんな不安が体中を支配する。
そんな内心ビクビクしているスネイプには「はふー」と深い溜息をつき、困った顔をしながらスネイプを見た。
「聞いてくださいよ〜先生〜・・・じつはですね・・・・」
はクリスマスパーティのことをスネイプに話した。
自分は家に帰るつもりなのにハーマイオニーに夜強制的にダンスレッスン指導をされていること、
そのためにスネイプの所に来れないのだと。スネイプは苦笑いしながら聞いていたが一瞬、
思いついたように口を開いた。
「君はクリスマスは家に帰るのかね?」
顔では冷静さを装っているが、クリスマスもと会いたいと思っていたので気が気ではない。
のパーティローブ姿を見てみたい・・・・。
は「んー」と首をかしながら考えて
「いちお・・・家から帰還命令が出ているんですよー」
「じつは少しだけ・・出てみたかったんですけどねー」と残念そうに笑うにスネイプは
の陰謀を感じた。に変な虫がたかる絶好のチャンス日和にが黙っているはずがない。
チラッとをみると、にやりと笑うがいた。
(やはりお前か・・・・)
スネイプはに視線をもどし、「ならばダンスの練習など無意味では?」と問う。
も「そうですよねー」と苦笑いながらもう一度紅茶に口付けた。
だが・・もし、がクリスマスパーティに出るとしたら・・誰と踊るのだろうか・・
を寮まで送り届けた帰り道、スネイプはふと考えた。
(喧嘩する前まではは一人で寮に戻っていた。(もいたが)だが、術式の後
ムーディのことがあってからというもの、スネイプは大丈夫というの言葉を拒否したのである。)
スネイプはが男子生徒と踊っている姿を想像した。
ハリーポッター・・・虫唾が走る!!
ロナルド・ウイーズリー・・・許せん!!
ウイーズリー双子・・・にも悪戯を仕掛ける気か!!
ネビル・ロングボトム・・・・だいたい踊れるのか?
ドラコ・マルフォイ・・・・・・ひ弱なボンボンが・・・
そう考えるとスネイプはは家に帰った方が得策だと確信し、の行動に絶賛した。
だが、もし・・・その相手が自分だとしたら・・
スネイプの頭にそんな言葉が反響した。
もしもその相手が自分だったら、と踊れたら、どんなに嬉しいことか・・・
スネイプはフッと笑い首を横に振った。
「・・・・バカか・・・我輩は・・・・」
が自分と踊りたいと思うわけがない。
自分は確かにのこと大好きだし、とても愛しい存在だ。
−だがー
は自分のことをどう思っているのだろうか・・
おそらく恋愛の対象として見てないだろう・・・あくまでも教師・・それだけだろう・・
それでも・・少なくても好いてくれている。
そうでなければ毎日のように自分の元へ来るはずがない・・・
そう、スネイプは「それだけでも喜ばしいことか」と呟いて笑った。
翌日からパートナーにならないか?と言い寄る男子生徒が集中し、
スネイプの部屋に逃げ込むの姿がみられるようになった。
「先生!すいません!またかくまってください〜!!」
「・・・・・・・ぁ・・・・・あぁ・・・・・・・;」
そしてまたその翌日には、言い寄った生徒の寮から点数が引かれていたりする。
ほとんどの生徒が「なぜ引かれたのだろう」と首を傾げる中、スネイプは今日も不機嫌そうに歩いていた。
やがてクリスマス休暇に入り、必死に止めるハーマイオニーを振り切っては日本へと帰った。
少し残念だが、変な虫がに群がることを考えれば断然安心だ。
休暇が明けるのが楽しみに、スネイプは一人、自室で紅茶を飲んだ。
ってことでさん家に帰りましたー
ってすいません今回の回はもう!えっらい疲労度が・・・・・
うがうが・・・・話飛びすぎ〜
とにかく早くすすめたい・・・・・・(死)