乱入

























「乱入者」





















































翌朝、朝食の席では大広間で特にグリフィンドール生から、質問攻めになっていた。

その原因は・・そう・・・・





!昨日倒れたんだって!?しかも、あのスネイプの所で休んでいたのか!?」





「余計、具合悪くなったんじゃないか!?」









そうまくし立てられては苦笑いした。

(スネイプ先生・・言われてますよ〜)



生徒達はもちろん本人、そしてあの!ドス黒い笑みの持ち主のハーマイオニーでさえ気づいていない。

スネイプがに想いを寄せていることなど。なのでスネイプに対して嫉妬の視線が向かれることはなかったが。

はさりげなく教員席に目をやった。昨晩は真剣に、そして優しい表情だったスネイプ・・・いまはそのかけらさえも見当たらないほど

眉間に皺をよせて、不機嫌そうに紅茶をのんでいる。そんなギャップがおもしろくて、思わずはニッコリとしてしまう。 その笑顔で昇天しそうになった生徒が何人かしたらしい。







それから数日間は何もなく過ぎていった。

ムーディの授業後など、少し気分が悪くなったりはしたがこの間のように

にしか聞こえない・見えないということがなかったので幾分気が楽だった。

もっとも授業で「服従の呪文」を生徒一人ひとりにかけられた時は大変だった。

「服従の呪文」に支配されなかったのが、ハリーとだけで何回もムーディに試されたのだ。

ハーマイオニーは「同類であるヒトに使用するなんて!」と憤慨していたが、も同意見だった。





「まるで、自分達がいまにも襲われるような・・・・」







そんな不安とムーディへの不信感が募るばかりだったが、現実はそうも言ってられない状況になっていた。

各教科から出る宿題の量が半端じゃなかったのだ。





「うう・・・・これじゃ休みの日遊べないじゃない・・・」





そう洩らすにロンも「全くだ」と頷いた。なんでも4年生から急激に宿題の量が増えたらしい。

3年生の時はこんなに出なかったとロンは嘆いていた。

なぜ、こんなに宿題の量が多いのか・・・それは変身術の授業で分かった。

マクゴナガル先生が眼鏡を光らせながら生徒に言った。



「「O・W・L」一般に「ふくろう」と呼ばれる「普通魔法レベル試験」が近づいています!!」





五年生になったら必ず受ける試験で、4年生のうちから十二分に準備する必要があるというのだ。

は「O・W・L」に興味を抱きつつも、今ある現実の課題の多さに絶句した。

そんな課題地獄に意識が飛びそうになったが、楽しみもあった。

週二回、スネイプの元へ処罰を受けに行くこと。

処罰を言い渡された時は目の前が真っ暗になり、また理不尽な理由で言い渡されたため

かなりビクビクしていたが、1回目の処罰の日にが倒れ、スネイプに介抱されてから

のスネイプに対する態度が変わった。







「先生ー!!この薬草は何処に置けばいいですか?」



「あぁ・・それはこちらに置いてくれ、ミス・







処罰と言い渡された当初はどんな仕打ちを受けるのだろうと身構えていたが、ほとんどが薬草の仕分けや翌日の授業の用意で

しかも、それらが終わればスネイプはに紅茶を出し、二人でティータイムを楽しんでいた。

否・・・・2人と一羽であった。が必ずついてきてスネイプを「手だすなよ」と見張っていたのである。

スネイプからすればこの上なき邪魔者なのだが黙っているしかなかった。

確かに処罰と言い渡したが、スネイプはに本気で処罰をさせるつもりはなく、

少しでもと一緒にいたかっただけなのである。

見事な職権乱用だが・・・・・
時にはティータイムだけの時などもあったり、授業以外の実験などやらせてもらったりと

いつの間にかの中で週二回、スネイプの所へ行くのが待ちどうしくなっていった。





そして一番驚くべきことは、の陰陽師である術式や祀り式などの指導もスネイプがしてくれたこと。

実はは今まで多くの修行を積み重ねてきたが、そのほとんどが何の修行であるのか解っておらず、

スネイプは頭を抱えた。





は一体どんな指導をしているのだ・・・)







の両親とスネイプは同じホグワーツの生徒だった。両親はグリフィンドールでスネイプはスリザリン。

敵対する寮同士だったが父親とスネイプはお互い魔法薬学が得意だったこともあり、そんなに険悪では

なかったらしい。の父親はあまり物事を深く考えずに行動に移す人間で、どうやらそれは学生時代かららしい・・・





「いやー先生の説明わかりやすいですね〜vvv」





陰陽師の本を読みながら感心するに、スネイプは深〜い溜息をついた。





「・・・・・ミス・・・・陰陽師は我輩の専門分野ではないのだがね・・・むしろ専攻したこともないものだが?」





そう、ソファにどさりと座るスネイプに「へへへ」と照れ笑いをする。







「でも、先生の説明、要所しっかり押さえていて復習しやすいんですよ、授業でもそうです!」





そうニッコリ微笑むにスネイプは少し頬を赤らめた。























































そんな平穏な日々が続いていたある日のこと・・・・・・















ー!!元気にしていたか〜!?」









ハリー達と四人で廊下を歩いている時だった。不意に後ろから声がし、振り返ると

30代後半だろうか?見たことのない・・黒い髪に背の高い東洋人の男が小走りにハリー達の所に向かってくる。



「誰?」





の知り合い?」





そう三人がを見る・・



「って、ちょっと!?」







ダダダダダダダダダダダダ・・・・ガスッ!!









男に向かって高速の速さで走り、飛び蹴りを食らわした。

それはそれは見事なほどキレーに入った回し飛び蹴り・・・

突然の出来事に三人が絶句し固まってしまった。

映画のように、スローモーションで倒れていく男・・・・・

そう・・・彼の顔は安らかだった・・・・







ドサッ・・・



















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガバッ!







「何をするか!?このおてんば娘がぁ!お前!父親に向かって

飛び蹴りを喰らわすとは何事か!?」





男が勢い良く立ち上がり、の前に仁王立ちで怒鳴りちらす・・・・

三人はいまだ固まったままで・・・・







「え・・・?今・・父親って・・・」






「あー!!もう!この間はよくも竈に押し込んでくれたわね!!

あのあと、どれほど苦労したと思ってんのよ!!」







も負けじと怒鳴り返す。

見知らぬ大の大人と、いまやホグワーツでは注目の的のが周りを気にせずに

言い争う姿に、やがて2人を囲うようにギャラリーができていく・・・・









「あの男の人誰?」



「東洋人だね?」



「知り合いかな?」



「まっまさか!恋人じゃないだろうな!」



そう二人の周りでヒソヒソと話す声がおこるが、当の本人達にはきこえてないのか・・

お互い睨みあうだけ・・・・

















「何をしている!」







廊下の向こうからスネイプが早足で人だかりに向かってくる。

取り巻いていた生徒達は(げ!スネイプ)と顔をしかめたが、この2人のことが

気になって離れられない・・











スネイプは生徒達の間をぬって、人だかりの原因である中心へと分け入ってきた。





「廊下で平然と道を塞ぐとは・・・・貴様ら減・・・・・・・・・?」









スネイプは気を削がれたように立ち止まった。確かに中心にいたのが

だと思わなかったのだが、スネイプの言葉は男の方へと発せられた。







「おー!セブルスじゃないか!相変わらず陰険そうだなぁ、おい!」







男はスネイプを確認すると懐かしそうに声を上げた。

生徒達はお互い顔を見合わせている・・・





?」



のファミリーネームだよな?」



「じゃ・・・この人は・・・」











スネイプは少し意地の悪い笑みを浮かべ、でもどこか懐かしむような表情で・・



「ふん、相変わらず減らず口だな・・・珍しいな貴様がここに来るとは」








「はははっ!ちょっと校長に用があってな!娘にも会って行こうかとな・・

ところがこの阿呆私を見るなり、
走ってきてとび蹴りを食らわしやがった」





そう、を睨む。も負けじと睨み返し、



「ふーんだ!にも絶対攻撃されるから!」





と、舌をだす。スネイプは不思議そうな顔でを見るがは頬を膨らまし、

腕を組んでいるだけ。そんながあまりにもかわいくてスネイプは思わず

苦笑いをした。

































































「へー!あの人がのお父さんか〜!優しそうだね〜!!」



昼食の時間、サンドイッチを手に持ちながら教員席を眺めるハリーが言った。



の父親・・・ハヤト・は教員席のスネイプの隣で昼食を食べていた。

2人とも学生時代の思い出話でもしているのだろうか、時々ハヤトが声を出して笑い、

スネイプも苦笑いをしている。





そんな父親を軽く睨みながらはサラダを盛った。



「優しいっていうか・・・行動が読めない人物よ!

私、こっちに来る時なんか大変だったんだから!!」







そう、は家の慣わしである修行を終えたその日に!ホグワーツへ入ることを知らされ、

しかもひと通り説明を受けたとたん、竈に押し込められ変な粉を渡され

(後でロンから聞いたがフルーパウダーというらしい)「ダイアゴン横丁と言え!」と脅され、

こちらに来たのだ・・・普通に考えても突拍子もないことであろう・・・



「それにしても・・・のお父さん何しに来たんだろう?」



ハリー同様、教員席に座るの父親を眺めながらロンが呟いた。

はサラダを食べる手を止め、父親の方を見る。



「さー?何だろう・・・・?まっさかスネイプ先生と昔話するために来たとは思えないけど・・・」





の父親がふとを見てニッコリと手を振った。

は深い溜息をつき、



「まー・・・父さんの考えていることはわからないし〜?」



と再びサラダに視線を落とした。

































昼食を終え、そろそろ午後の授業へ向かおうと席を立とうとしたとき、

父親ハヤトが達の所へやってきた。





「お!しっかり食べたか?・・・・ん?君はポッター!

いや・・ハリーかい?」



そう、ハリーの方をポンポンと叩き顔を覗きこむ。ハリーは驚いたがにっこりと笑い

「はい、そうです」と答えた。ハヤトもニッコリと笑い



「いやー!ジェームズにそっくりだな!だが・・リリーにもにている・・

いやー懐かしいよ!リーマスやシリウス!!そして・・ピーターもな・・・」



一瞬、ハヤトの顔が曇った。ハリー・ロン・ハーマイオニーは少し罰の悪い顔をしている。

彼らは事の始終を知っていたからだ・・そんな父親とハリー達の様子には「んー」と考え、



「お父さん?ハリーに昔のこと話してあげたら?・・・クィディッチの話とか・・」





クィディッチと聞いてハリーの顔がパアッと明るくなり、ハヤトの顔を見上げた。

ハヤトはそんなハリーに「よし!」頷き、ハリーの横に座って話しはじめた。





ハリーの父親は優秀なシーカーで、シリウスと自分がビーターだったこと。

そして数々の試合の話をしていくにつれ、次第にフレッド・ジョージやリー・ジョーダンやネビル達も

集まり、ハヤトの演説に拳を握り締め、目を輝かせながら聞き入っている。

気づけば、他寮の生徒まで集まってきていて・・・・その中にはなんとドラコもいたりして・・・

しかもちゃっかりの隣に座っていたのだが、誰も気づかなかった。









話がグリフィンドール対スリザリンの優勝決戦の大御所を迎えたところで予鈴のチャイムが鳴った。

いつの間にか話しに参加していたマクゴナガル先生がパンパンと手を叩き





「さあ!皆さん!授業の時間ですよ、早く移動を!」





と生徒に言った。皆、もっと聞きたそうな顔で渋々と次の授業へと向かい始めた。

自分達も移動しようと席を立つハリーにハヤトはハリーにしか聞こえないように

耳元で囁いた。







「大丈夫・・・シリウスはもうすぐ自由の身になるよ」









ビクッと肩を揺らし驚いて見上げてくるハリーに軽くウインクした。

ハリーが何かを言いかけたとき







「ちょっと、アンタァ!何のうのうとの隣に座ってんのよ!」







ハーマイオニーが大声を上げた、振り向くとドラコがの隣に座っている。

ドラコは得意気な笑みを浮かべてハーマイオニーを見据えた。



「はっ僕がどこに座ろうとお前には関係ない。大体、の隣に座るのにいちいちお前の許可がいるのか?」



この間の授業みたいにとつけたすドラコにハーマイオニーは下唇を噛んだ。

はこの間みたいなことになるのはどうしても嫌だったので、バッと勢い良く立ち上がって言った。



「さー!授業始まるよ!皆!早く行こうよ!!」



そう飛びきりの笑みのの皆は顔を赤らめて従った。

夜までホグワーツにいるという父親に「じゃ!夕食でねv」とは手を振り、

ハリー達と大広間から出て行った。

そんな娘を見送りながらハヤトは





「うむ、さすが俺の娘!すでに何人か手なずけたなv」





とニッコリと頷いた。
















だらだらだらと・・・(怒)今回まとまりないですね・・・

強引に話をつなげているし・・・逆ハーってないよね・・・今までも(死)

とりあえずまだしつこくいます親父(笑)