「先輩〜、これ昨日の調書です」
「・・・・・お前、帰れ」
+春風+
AM5:45
デスクにつき、今捜査中の事件のファイルを山にして睨めっこしていたは
視界の隅に彼女の先輩である刑事が通り過ぎたのを見とめ、さきほどできあがった
調書を手に長身痩躯でいつも顰めっ面の刑事のもとは歩み寄れば、
その刑事は一瞬受け取ろうとした手を止め、柳眉をぴくりとあげると冒頭の言葉を彼女に突き刺した。
今日必要とされている資料を少ない時間で作りあげたのにも関わらず、この言われ様には一瞬
頬を引き攣らせるが、そんなを気にも留めずその手から資料を抜き取ると、
視線は資料へと注いだまま長身痩躯の刑事−伊丹は溜息混じりに声だけをに向ける。
「仮眠室で寝たか?」
「・・いいえ」
「何か食ったか?」
「・・・食べてません;・・」
「俺は数時間前なんて言った?」
「・・・・・・・う;」
声を詰まらせたに、伊丹は深い溜息を吐き出したところでようやく視線をへと向けた。
目の下に薄っすらクマを作っているその顔は疲労感がありありと滲み出ている。
今回の事件は連続殺人であるとともになんとも不可解な点が多く、事件担当である伊丹の班は家に帰る暇もない
ほどに忙殺されていた。
警視庁捜査一課・殺人捜査係第ニ班。ここが伊丹とが組み込まれている班である。
同班である三浦と芹沢は一件目に事件が起きた地域の警察署へ、班長と三浦と同年代のもう一人の刑事は
三件目に起きた地域へと出ていて、ここには伊丹としか残っていない。
二人一組行動が基本であり、今回の事件ではは伊丹と組み在庁して出回っている刑事達の
情報収集に徹していた。は班内で一番年下ということと、一番パソコン駆使能力があることから
資料整理や、インターネットを使って情報をかき集めたりと捜査に入ってから休むということがなかなかできず、
昨晩あたりからフラフラし始めたに伊丹は心配そうにの頭を軽くこづいたのだった。
無言と鋭い半眼で見据えられ、はシュンとしながら小さく呟く。
「<何か食って少し寝て来い>・・・です」
「そうだ。まさか忘れてマシタっていうオチじゃねえだろうな?」
「・・わ」
「あ?」
「忘れてました(T^T)」
細い伊丹の鋭い目がさらに細められ、は半分泣きそうになりながら
深く項垂れた。その情けない仕草に伊丹は続けようとした言葉を吐き出す気力を
失い、やりきれんといった表情で蛍光灯が灯る天井を見やる。
無機質な蛍光灯の光が普段より眩しく感じる。自分も相当疲労が出ているのだろう。
しかし、今目の前で自分に窘められ俯きながらも少しふらついている、小間抜けな
後輩に比べればまだまだ余裕だ。
一旦作業を始めると食べることはもちろん、寝ることも忘れるのがの性質であることは
前々から承知していることだが、今回はさすがに見過ごすわけにはいかない。
かれこれ5日、まともに睡眠はとっていないし、人一倍のパソコン駆使で相当目にも疲労が出ているはずだ。
それに昼からは所轄警察署へと向かわなければならないし、やるべきことは山とある。
少しでも睡眠をとってもらわなければこちらが大迷惑なのだ。
そう口開こうとした矢先、軽快な声とともに捜査一課のドアが開いた。
「ちーっすv特命係の亀山でーす」
名前なぞ名乗らなくても、第一声ですぐにわかる人物。
そして最近こちらから吹っかけなくて、ニヤニヤと自分から名乗り出るようになった
目の上のタンコブが、相変わらずのフライトジャケットに身を包んで軽快に入り込んできた。
伊丹はちっと舌打ちをしながら顔を歪ませると、手にしていた資料をバンッとデスクにおいて
両手をズボンのポケットに突っ込み、ニコニコと近づいてくる亀山に食ってかかる。
「あぁぁ〜はいはいはい、特命係の亀吉が何の用でございましょうかねえ〜?」
もしかしたら警視庁ではある意味見ものとなっているのでは?と思えるほどに
見慣れている捜査一課の伊丹と特命係の亀山の言い合い。目の前で繰り広げられ始めたのを
感じ取ると、は一歩二人から退いて様子を見ることにした。
見慣れている光景だが、この低レベルなスキンシップとも思える言い争いは
長引くこともあればほんの1〜2分で終了してしまうこともある。
もちろん本人達に「スキンシップですね」なんて口が裂けても言わない。
言ったら最後おそらく二人にどやされること間違い上に、伊丹に更なる報復を受けそうだからだ。
どうやら今回の言い争いは後者の短時間バトルに終わったようだ。
本日も強制話題切り替え戦法が得意な亀山の勝利に終わり、亀山は手にしていた
事件の遺留品リストファイルを伊丹に押し付け、にっこりとにコンビニの袋を持ち上げて見せた。
しかし、亀山の表情は瞬時に不安気に曇る。
「あれ?ちゃんすっげえ顔色悪いね。寝てないでしょ?」
「え・・そんなに変な顔してますか?」
伊丹が心配するほど自分はまだまだ余裕のつもりだったのだが、亀山にまで
心配され、恐ろしく酷い顔をしているのかと不安げに自分の頬をぺたぺたと触ってみる。
「寝た方がいいよ〜」とを覗き込んだ亀山だが、急にハッとしたように伊丹を睨みつけた。
「もしかして伊丹!お前ちゃんこき使ってんじゃねえだろうな!」
「ぁあ?!何勝手に勘ぐってんだよ、タコっ」
「だれがタコだって?ぁあ?」
「はってめえの他に誰がいる、この亀ダコがっ」
「ああああ;、亀山先輩っ私が勝手にまたのめりこんじゃったんですよう、伊丹先輩のせいじゃないですからっ」
再び飛び散り始めた火の粉にが慌てて口を挟めば、亀山は些か不満そうに「そうなの?」と
を見やった。コクコクとしきりに頷くを苦々しく見据えると、伊丹は亀山の手から
コンビニの袋を奪い取り、「おいっ!」と憤慨する亀山を無視して袋をへと押し付けた。
目をまんまるにして首を傾げているに小さく溜息を吐き出すと、ちらりと壁時計を見やって
またへと視線を戻す。
「先輩命令だ。これ食って寝て来い。7時半までに起きてこいよ」
「・・・・・・・」
「へ〜ん〜じぃ〜」
「うっ・・はい」
「よお〜し」
袋に視線を落としたまま一向に受け取らないに、シビレを切らしたように重低音で唸ってやれば
は慌てて頷き袋を受け取った。勝ち誇ったように腕を組むと、仮眠室へと顎でしゃくる。
すごすごと出て行くを見送ると、伊丹は深い溜息を吐き出して亀山が持ってきた
遺留品リストを手にした。
「ったく、手前を省みねえで困る」
誰に告げるでもなく吐き捨てた言葉に、亀山は小さく笑うと肯定の意を込めて肩を竦ませた。
そのままドアへと向かおうと踵を返す背中に、思いも寄らない言葉が降りかかる。
「あー・・亀。ひとつ頼まれてくれねえか?」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「何か悪いもんでも食ったか?伊丹っ!」
「だーっ!ちげーよ!馬鹿亀が!」
今まで過去に伊丹が亀山に対して、真剣に頼みごとをしたことがあっただろうか?
いや一度もない。狼狽えながら後ずさりをする亀山に苦々しく睨みつけて舌打ちする。
こいつに頼みごとはしたくない。しかし、妥当・円滑・消去法など思いつく方法で考えても
亀山しか辿りつかなかった。それにこいつもいればだって喜ぶだろう。
いまだ逃げ腰に「気が触れたか?」目線を送ってくる亀山を再三睨みつけると、伊丹はめんどくせえと
いいながら小さく一つの単語を呟いた。
一方、仮眠室では、簡易ベッドに腰をかけては亀山が差し入れしてくれたサンドイッチを
頬張っていた。役一日半ぶりに味わう食事といえる食事に、じんわりと胃が和んでいく。
ふと見やれば、一緒に入っているペットボトルはが大好きな100%オレンジジュースだった。
自然と笑みが零れて一口飲めば、スーッと染み渡る清涼感が喉を通り抜けていき。
軽く満腹感を感じると同時に微かに瞼が重くなってきて、は慌てて携帯電話を取り出し
7時20分にアラームセットをする。
8時から朝礼があり、その後は伊丹と事件が起きた地域の管轄警察署へ向かわなければならない。
「先輩の足引っ張っちゃだめだよね」
そう小さく呟くと同時に、ベッドに横になったは一気に睡魔に取り込まれていった。
短時間でも睡眠をとれば、いくらか体は楽になる。
睡眠をとる前より意識がはっきりしたは、枕横に置いた鳴り響く携帯アラームを止めると、
軽く顔を洗い捜査一課室へと戻った。
先ほどよりすがすがしいの顔に納得したように頷くと、伊丹は先ほど亀山が持ってきた
遺留品リストをに差出した。
今日の行動を予め決めおき、朝礼が終わるとすぐさま伊丹とは警視庁を飛び出していった。
長いような短いような、どちらにも取れる時間が流れ、陽がどっぷりと沈んだ頃。
伊丹と、そして所轄警察署で合流した三浦と芹沢の四人は疲労感を露に
警視庁エントランスへと踏み入れた。
ふと、伊丹は何気に顔をあげて胸元に手を入れて携帯電話を取り出す。
どうやら着信があったようだ。表示された画面に一瞬眉を潜めると、を意識しているように
少し居心地悪気に耳に当てる。
なんとなく傍にいてはいけないような気がして、は素知らぬ顔で
エレベーターホールへと足を向けた。
三浦が気になるように伊丹の反応を伺っている。
と芹沢は並んでエレベーター前までくると、芹沢はチラリと後ろの伊丹と三浦を見やって、
上階へと示すボタンを押した。
「班長とダイブツさん戻ってるかな?」他愛のない話をしているうちに、エレベーターが到着するサインが点灯する。
それと同時に伊丹は通話終了ボタンを押して、足早にこちらへと向かってきた。
乗り込むと同時に、「亀からだ」と一言呟く。
小さい溜息を吐き出す伊丹に、また何か揉め事なのかな?と軽く考えていただが、
芹沢と三浦はとは違った表情で、「ほー」「そうっすかー」と曖昧に頷いていた。
その二人の表情はどこか楽しげにも見えたが、手にしていた資料を見返していた
には気づく由もない。
一通りの報告をした後、は再びパソコンを開き遺留物の販売ルートや
事件の共通点がないか割り出す仕事に戻った。
一課に残っているのはと伊丹、そして芹沢と三浦の四人だけだ。
各々会話もそこそこに割りあてられた仕事をや調査をしている。
今夜も徹夜になりそうだと、は次々に表示されるページをひとつひとつチェックしながら、
頭の隅でぼんやりと息を吐き出した。
糸口になるようなものはまだ出てこない。真っ暗なトンネルを光源もなしに闇雲に
掘り進んでいるかのような感覚を覚え、は小さくかぶりを振った。
これは弱気になっている証拠だ。こんなことではいけないと自分を奮い立たせると、
数回瞬きをして改めてパソコン画面を見つめる。
の耳に芹沢のファイルを捲る音と三浦の小さな溜息を響いてくる。
ちらりと向かい席の伊丹を見やれば、彼は普段以上に眉間に皺を寄せて
現場写真を見比べていた。事件の共通点を改めて探しているのだ。
犯行の手口に被害者の職業、犯行時間等さまざまなことが一致するにも関わらず、
まったく解決の入り口がつかめない状況に、刑事部長も苛々を募らせていた。
ふと、は隣の三浦が開いている資料写真に目を留めた。
しばらくそれを見つめると、目の前にあるパソコン画面を見やる。
再び三浦の資料へと視線を写し、は小さく「そうか」と呟いた。
その小さな、とても小さな呟きは静まり返っている室内には十分に響き渡り、
伊丹と芹沢そして三浦は顔を上げた。
が三浦から資料を受け取ると同時に、三人はのデスクへと回りこむ。の駆使するパソコンと
手元の大量の資料を見比べている彼らの顔には、解決という文字が浮かび上がっていった。
事件は急展開を見せた。ふとした瞬間、ちょっと見方を変えただけなのだが、
その簡単すぎる閃きは、柔軟力が乏しくなる大人にはなかなか予想もつかないものである。
それを思い付いたでさえ、一瞬「まさか」と自嘲しかけたくらいだ。
しかしその思いつきにより、今まで暗礁へと乗り上げていた証拠や状況が驚くくらいに符号していき、
翌日には犯人逮捕となった。
3人もの被害者を出したが事件は無事に解決し、伊丹達は疲労感をたっぷりと含んだ安堵の溜息を吐き出した。
「やっと家に帰れる」そんな思いがありありと顔に表れているが、誰もそして他の班の人間も
咎めはしなかった。それだけこの事件は難解なものだったのである。
そして伊丹は事件解決とはまた違う安堵の溜息を吐き出していた。なんとかその日までに
事件が解決できてほっと胸を撫で下ろす溜息。
せっかくの日、事件が未解決では喜ぶものも喜べないものである。
そして数日が過ぎた。
「あと30分だ」
退庁時間を少しばかり過ぎた時間。
どこか落ち着かない様子で呟く伊丹に、芹沢と三浦は顔を見合わせて苦笑いをする。
苦戦を強いられた事件が終わり、後始末という書類制作に追われるも比較的のんびりとした
空気が流れる伊丹達の班。はちょうど席を外している
もちろんこれも伊丹達が仕組んだものだ。だからこそ伊丹は堂々と口に出して言えるわけなのだが。
には内密にすすめてきた彼らの計画。首謀は首謀だからこそか落ち着かない伊丹だ。
不本意ではあったが、がお世話になっていると日頃から言っている特命の二人にも
一応声をかけておいた。
ちらりと腕時計を見やればそろそろ計画実行の時間。手はず通りに行けば、は30分後ジャストに
戻ってくる。
ふとカチャリと音を立てドアが開いた、緊張と焦りの色を浮かべる三人の視線の先には
なにやら楽しげに含み笑いをしている特命係の杉下と亀山が何か包みを抱えて入ってきた。
素早く芹沢が立ち上がると、計画実行の段取りを確認する。
伊丹と三浦も立ち上がって、デスクの上の書類を手早く片付ける。
亀山がのデスクに抱えてきた白い箱を置いたところで、時計はあと10分を指していた。
芹沢が各々に小さな三角コーン状の物を渡していく。
何事もないかのように振舞いながら、デスクの上に腰をかけ、ひたすら時間が来るのを待った。
カチャ
やがて、待ちに待ったドアノブを回す音が響き、一同は息を飲んだ。
視線がドアへと集中する。彼らの視線の先にはファイルを胸に抱えたが
「ただいまー」と入ってくるところだった。
は杉下と亀山の姿を認めると、にこりと笑いながら首を傾げた。
「あれ?杉下警部に亀山先輩どうしたんですか?」
そんなの問いに、杉下と亀山は無言でにっこり微笑み返しをしはさらに
首を傾げて、答えを求めるように伊丹へと視線を写す。
しかし、特命係の二人がいるといつも不機嫌そうな長身の先輩は、今日に限って
不機嫌というオーラが感じられず、不思議そうにしているに小さく笑ってみせたので、
さらにの頭は混乱した。何かが違う。刑事という職についているせいかおそらく
人より周りの空気や人の表情を読み取る力が高い。そのためは先輩達に取り巻いている
いつもとは違う空気に戸惑いが隠せなかった。
の戸惑いに気づいたのだろうか、三浦がちょいちょいと手招きをしてのデスクを
指し示した。
ふと見やれば、のデスクの上には見覚えのない白い箱が置いてある。
戸惑いから困惑へとレベルアップした様に、三浦が優しく声をかけた。
「ま、開けてみろや」
そう促されておどおどと頷くと、は自分のデスクへ回り込むとそっと白い箱を開けた。
かぱりと軽い音が静まり返る課内に心地よく響く。
「うわぁv」
箱の中からあらわれたのは、薄いピンク色のクリームでデコレーションされたケーキ、
真ん中にはホワイトチョコレートの板にピンク色の文字で
Happy Birthday
と書かれている。ふんわりと甘い香りが鼻腔をくすぐった。
瞬間、
「ハッピーバースデー〜!!」
パンパンパーン
芹沢の軽快な声とともに四方から乾いた音が鳴り、はビクッと肩を竦ませた。
ヒラヒラと頭上から赤や黄色の紙リボンが落ちてくる。
どうやら一人一人がクラッカーを引いたらしい。驚きに周囲を見ればニコニコと手を叩く
面々。は一瞬声を失うも次の瞬間には満面の笑みで、頬をほのかに染めた。
扱っていた事件ですっかり自分の誕生日を忘れていた。
「ありがとうございます〜vv」
伊丹達が計画していたこと。
それはの誕生日を祝うことだった。なんと3ヶ月前から伊丹と三浦そして芹沢は
プランを練っていたのだが、先日解決したばかりの事件のために大幅に計画が狂い、
結局ケーキだけということになってしまったが、は彼らの予想以上に喜んだ。
と芹沢がケーキを切り分け、小さなパーティが始まる。
ピンク色のクリームはイチゴ味で、ケーキの中にもイチゴが入っていた。
「おいしい〜」と微笑むに伊丹達は一瞬時間が止まったように思えたとか。
他愛のない話で盛り上がりながら、ゆっくりと時間が通りすぎていった。
「伊丹先輩」
「んあ?」
小さな誕生日パーティも終わりを告げ、給湯室で食器を洗い戻ってきたは
帰り支度をしている長身の背中を呼び止めた。
のんびりと振り返る伊丹にちょこんと頭を下げる。
「本当にありがとうございましたv」
おそらく一緒に食器を洗いにいった芹沢や三浦、そして杉下と亀山にも同じように
頭を下げたのだろう。
伊丹は小さく鼻で笑うと、気恥ずかしそうにデスクの中を漁りボールペンを取り出した。
それを胸ポケットにしまいながら、ほんの少し視線を泳がせる。
「何改まってんだよっ、一年で大切の日だからあたりめーだ」
「あ、じゃあ伊丹先輩のお誕生日もお祝いしましょう!」
「は?・・・いっ、いいってんなもん!大体祝われても嬉しくねえ年だって」
目をキラキラさせるに狼狽えながら手をヒラヒラさせる伊丹。
単に恥ずかしいのだ。しかしはブンブンと首を振る。
「だめです!ちゃんとお祝いしなきゃっ・・・あ・・そうだ私がケーキ作りますv」
「・・が?」
の言葉に伊丹の動きが止まる。驚いたように振り返る伊丹の姿には少し
ムッとしたように頬を膨らませた。
「わっ何ですかその目は!私ケーキ作れますしこの間のヴァレンタインに私
先輩達にチョコケーキ作ってきて、先輩美味しいっていってくれたじゃないですか!!」
「あ・・いやそうじゃなくて;」
興奮気味に捲くし立てる後輩を慌てて宥めると、確認するかのようにの目を見つめる。
「作ってくれるのか?その・・なんだ・・・俺の誕生日に」
「?・・・はいvとびきりのを作ってきますよ!」
僅かに首を傾げただが瞬時に、笑顔がこぼれる。
「伊丹先輩ならダークチェリーのケーキにしようかな〜」と嬉しそうに考えるに
嬉しさを顔に出さぬようにするも隠しきれない伊丹はしきりぬ無言で頷いていた。
自分の誕生日が楽しみになった瞬間。
どうも〜物語にヒロインぶち込む書き方が一番好きなKirisaです。
めっきり恋愛感情ものかけなくなりました。恋してない証拠ですか?やばいですか?
えぇ、どうせ恋してませんようっ、きいっ。
今回だって恋ものっちゅーより、大好き先輩ですもん。いいんだもん先輩大好きだからっ。
なんだろう、多くの人に誕生日祝ってもらったにも関わらず、
捜一トリオと特命の二人に祝ってもらいたい〜と思う私は罪な奴ですか?そうですか・・。
自分誕生日ものですんません!!
自分と同じ三月誕生日な方々もぜひ、「これは私宛てだ」と思って読んでくださいv
執筆日 2006年3月15日