「所轄の亀山〜!」


「んだよ、てめぇ!警視庁が何のようだバアカッ!・・・ん?」
































+きっかけ+
















麹町東署ー刑事課に、警視庁で嫌というほど聞き慣れまくった声が響きわたり、
亀山は怒りマークをぴきぴきと浮かび上げ、声のする方へと振り返れば、やはりライバルの伊丹で。
さらに罵声を浴びさせようと口を開きかけるが、伊丹の一歩後ろでちょこんと立っている女性に目をとめた。
いつもは三浦と芹沢を引き連れているのにその二人の姿はなく、そのかわりにかわいらしい女性が
いることに首を傾げ亀山はじーっとその女性を凝視する。
目が合うと女性はビックンと肩を揺らし、わたわたと亀山に頭を下げた。
亀山の凝視している先に気づいた伊丹は、にやりと亀山を見据えると、
小柄な女性の背中に軽く手を当て自分の前に出るように促す。


「今度、捜査一課に配属された後輩だ。どこかのバァカより、優秀だぜぇ?」


「んだと、てめぇ・・」


「あっあのっ!初めまして、警視庁捜査一課、 です。
亀山巡査部長のお話は伊丹先輩達や生活安全部の方々から伺っていました。
お目にかかれて光栄です!」


カッと踵を鳴らし、は亀山に敬礼をした。
緊張の表情で亀山を見つめれば、ぽっかーんと口を半開きに見つめ返している亀山。
そのあまりの固まりようにの体に不安が駆け巡る。


「あ・・あのぅ;」

「おい、バカ山!」

「ぁあ?・・あっ・・えと初めまして・・ドンッ!ぐおっ」

「初めまして!さん!私は亀山の上司で、刑事課長の海音寺です。以後よろしく!」

「は・はいっ!・・・あの・・」

「ん?何かな?」


見上げるほどの亀山が忽然と姿を消し、現れたのは亀山の上司の海音寺だった。
浅黒い肌に一見怖そうな外見だが、にっこにこと笑いながらブンブンとの手を握っている。
は一瞬呆気に取られながらも丁寧にお辞儀をした。
そして恐る恐る口を開けば、さらににっこりと海音寺が微笑み返す。



「その・・か・・亀山さんが・・」

「?・・・むっ!こら、亀薫。勤務中に寝るとはいい度胸だなおい。」

「くくっ無様だな、亀山」


「・・・・・(怒)」



床へと弾き飛ばされた亀山はムッスーと、指でトントンと床を叩いていた。









「で? 警視庁の伊丹ぃ〜が何の用だよ」

「ぁあ?てめえに用なんてあるかバアカ。俺達は今起きてる事件の調査資料見にきたんだ。
お前のところに行ったのは単なる、冷やかしだ」

「んだと、くらぁ〜」

「あの!亀山巡査部長にお会いしたいと行ったのは自分なんです!」


資料を閲覧するために用意された会議室。
案内係に無理矢理任命された亀山と先輩の伊丹の口論に慌ててが口を挟んだ。
不思議そうに首傾げる亀山に伊丹は苦々しく舌打ちをすると、を見やる。


「元特命係に関わるとろくなことねぇぞ、


伊丹の嫌みったらしい言い分に亀山は反論することはなかった、不思議そうにを見つめている。
身長は160くらいだろう、女性にしては普通の身長だろうが180台の長身である亀山からすれば
小さくみえる。こげ茶色のボブの髪型にまるっこい瞳ははっきりいって、高校生くらいの年頃にしか見えない。
これで29歳というのが信じられない。
じっと見つめてくる亀山の視線にはわたわたと顔を真っ赤にして、資料で顔を隠してしまった。



「あ;えと・・さん・・でしたよね。なんで俺に会いたいなんて?」

「あっはいっ!!常々特命のお二人のご活躍ぶりを先輩方から聞いていて、
・・そのずっと憧れていたんですよ!!困難な事件を解決に導くまでの過程や
その捜査への取り組み方!!まさに鏡です!!」

「おいこら。まさか先輩である俺を差し置いて、このバカを見習うてーのかい」

目を輝かせて力説すれば、一瞬呆気に取られた亀山の頬に赤みが差した。
それを横目でちらりと見やった伊丹は小さく溜息をつくと、ガシガシとの頭をかき撫でる。
「そっそんなことありませんよ!!」と慌てて首を振ってみせれば、「当たり前だ」と
即返される返答。



「でっでも。憧れなんです!////」




ほんのり頬を染めてへにゃりと笑うに、亀山はポッカ−ンと口を開けを見つめたまま固まってしまった。
どうやら亀山 薫のハートに突き刺さった模様。













それからちょくちょく、捜査資料の閲覧という名目で訪れるに亀山がいそいそと
走り寄るのを海音寺はニヤニヤと見守り、同行している伊丹に呆れられるのはもう少したってから。































基本的に、オリジナルストーリの設定をベースに書いているので、
美和子さんのことがどーしても諦めきれずに;完全不燃焼;
しかも短けえ。